アウトライン審査事例
国税不服審判所が示した審査請求事件の裁決例は、正確な税務処理を行っていくうえで見落とせません。アウトライン審査事例では実務家の皆様にとって実用性の高い裁決事例を簡潔に紹介。併せて、参照条文も記載しておりますので、実務上の判断の一助としてお役立てください。
1221 件の結果のうち、 1 から 10 までを表示
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2026/07/27
従業員への食事の支給と経済的利益の有無の計算。「使用者が調理して支給」と「使用者が購入して支給」で食事の評価方法が区分されている趣旨に照らして判断(一部取消し)
【裁決のポイント】従業員等への食事の支給については、通達で、(1)使用者が調理して支給する食事は、その食事の材料等に要する直接費の額、(2)使用者が購入して支給する食事は、その食事の購入価額で評価し(所得税基本通達36-38)、①使用人等が食事の価額の半額以上を負担、②使用者の負担額が月額7,500円以下(税抜、令和8年4月1日以降)の条件を満たせば経済的利益はないとものとされ給与課税されないと規定されている(同通達36-38の2)。残業や宿日直の場合の食事の支給は課税しなくて差支えない(同通達36-24)。審査請求人が給食業者(受託業者)に委託している工場の社員食堂について、税務署は、社員食堂の食事(本件食事)は、「使用者が購入して支給する食事」に該当するとして経済的利益を計算し、源泉所得税の処分を行った。審査請求人は、受託業者には調理のみを委託しているから、「使用者が調理して支給する食事」として評価すべきと主張した。国税不服審判所は、審査請求人が食材の在庫管理をしていないことなどから、自己の計算に基づき材料の調達及び管理を行っていたのは受託業者であるとして、税務署の計算に間違いがあった月以外の処分は適法と判断した事例である。(平成20年1月~平成22年10月の各月分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分及び不納付加算税の各賦課決定処分・一部取消し・平成26年5月13日裁決)【主な争点】本件食事は、「使用者が調理して支給する食事」または「使用者が購入して支給する食事」のいずれにより評価すべきか。【裁決の要旨】「使用者が調理して支給する食事」については、「その食事の材料等に要する直接費の額に相当する金額」をもって評価する一方、「使用者が購入して支給する食事」については、「その食事の購入価額に相当する金額」をもって評価する旨定めている趣旨は、経済的利益の価額はその支給時の時価により評価するのが原則であるから、使用者が調理して支給する食事についても、水道光熱費や人件費等の間接費を含めて評価すべきであるが、実際には困難であるため、材料等の仕入れの記録と在庫管理によって比較的容易に計算できるようにし、飲食店等から取り寄せて支給する食事については、その購入価額が時価そのものであるから、購入価額により評価する趣旨であると考えられる。実務上の配慮から区分して評価方法を設けたものであり、合理性を有するものとして相当と認められる。審査請求人が本件食事の調理に係る材料費、厨房設備費及び水道光熱費等の一切を負担し、調理に係る人的役務のみを外部の業者に委託していた場合には、調理人等が自社の従業員であるか給食業者の従業員であるかの違いしかないことから、このような場合の食事は、使用者が調理して支給する食事と同様に評価するのが相当である。しかし、審査請求人は本件材料の内訳及び金額を一切関知せず、審査請求人が従業員等から徴収した食券代金を集計して本件受託業者に報告した金額は、材料費の額そのものとはいえず、審査請求人が毎月一定額の給食業務委託料及び副食費を支払っていた事実を併せ考慮すると、審査請求人は、従業員等が本件受託業者から食事を安価で購入できるよう、給食業務委託料等を負担し、食事の購入代金の補助をしていたとみるのが相当である。したがって、本件食事は、「使用者が購入して支給する食事」と同様、食券代金、副食費及び給食業務委託料の合計額をもって評価するのが相当である。【参照条文】所得税法第28条《給与所得》、第36条《収入金額》所得税基本通達36-15《経済的利益》、36-38《食事の評価》、36-38の2《食事の支給による経済的利益はないものとする場合》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/07/27
個人注意!契約時点から始まっている。「事業者が国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日」の解釈を間違い、還付を受けられなかった事例(棄却)
【裁決のポイント】免税事業者が課税事業者選択届出書の提出で課税事業者になる場合は、原則として、課税事業者となる課税期間の開始前に届出しなければならない。例外として、「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日」の属する課税期間に課税事業者選択届出書を提出した場合には、提出により課税期間から課税事業者となることを選択できる。注意すべきは、設立登記がない個人事業の場合、「譲渡等に係る事業を開始した日」とは、「譲渡等を開始した日」でなく、「事業を行うために必要な準備行為が開始された日」と解されることである。本件の審査請求人は太陽光発電事業を始めることにし、平成29年中にA社と契約を締結して初回の支払を行った。平成30年に電力会社から「発電設備受給開始日」の通知を受けて、「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、平成30年課税期間で設備投資分の消費税の還付申告をした。税務署は、平成29年が「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日」の属する課税期間に該当するから、平成30年に提出した課税事業者選択届出書の効力は平成31年からで、平成30年は免税事業者であり、還付を受けられないとする処分を行った。審査請求人は、法人が事業開始を認識した日を原則として設立の日で判断されるように、個人も、自身が事業開始を認識した日で判断すべきと主張した。国税不服審判所は、設立前の法人には人格が存在しないのであるから準備行為ができないのは当然であるとし、税務署の処分を適法と判断した事例である。(平成30年課税期間の消費税等の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・棄却・令和5年5月24日裁決(非公開))【主な争点】本件課税期間(平成30年課税期間)は、「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」に該当し、課税事業者として還付を受けることができるか。【裁決の要旨】消費税法第9条第4項《小規模事業者に係る納税義務の免除》は、消費税課税事業者選択届出書を提出した日の属する課税期間が事業を開始した日の属する課税期間である場合には、当該課税期間の開始前に、同課税期間中の課税売上げ及び課税仕入れの発生等を予測し、当該課税期間において課税事業者となるかどうかの判断をして消費税課税事業者選択届出書を提出することが、必ずしも容易でないことに配慮し、例外として、新たに事業を開始した事業者に対して、当該事業を開始した日の属する課税期間から課税事業者となることを選択する機会を与えたものと解される。消費税法第9条第4項を受けて規定された消費税法施行令第20条第1号は「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日」と規定し「課税資産の譲渡等を開始した日」と規定していないこと、新たに事業を行うに当たっては当該事業を行うために必要な資産の取得契約の締結や商品及び材料の購入などの準備行為を行うのが通常であること、これらに消費税法第9条第4項の趣旨を併せ考えると、新たに事業を行うに当たり必要な準備行為を行った日の属する課税期間は、消費税法施行令第20条第1号に規定する「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」に該当すると解するのが相当である。請求人は、本件課税期間においては免税事業者となるので、消費税等の還付を受けることはできない。【参照条文】消費税法第9条《小規模事業者に係る納税義務の免除》消費税法施行令第20条《事業を開始した日の属する課税期間等の範囲》消費税法基本通達1-4-7《法人における課税資産の譲渡等に係る事業を開始した課税期間の範囲》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/07/13
「不動産売買で名義を貸しただけ。収益を享受していません」。真正な契約書の存在と、その記載どおりの取引実態が、税務署の処分を取り消させる(全部取消し)
【裁決のポイント】法人税法第11条《実質所得者課税の原則》は、資産又は事業から生ずる収益の法律上帰属するとみられる者が単なる名義人であって、その収益を享受せず、その者以外の法人がその収益を享受する場合には、その収益は、これを享受する法人に帰属するものとして、法人税法の規定を適用する旨規定している。消費税法第13条《資産の譲渡等又は特定仕入れを行った者の実質判定》も同じ趣旨である。不動産業の審査請求人は、代表者の子が代表を務める同業A社と本件契約を結んだ。その内容は、A社が買い付ける不動産を、便宜上、審査請求人に所有権登記し、第三者に売却するが、登記費用や諸税等、内装工事費用などの一切はA社が負担とする、瑕疵担保責任の一切をA社の責任で処理する、審査請求人には名義借代として1物件取引当たり30万円を支払うというものであった。各取引にA社は宅地建物取引業者として関わっている。税務署は審査請求人の売買収益及び資産の譲渡等の対価(本件収益等)の申告漏れとA社への送金は寄附金であると指摘し、審査請求人は修正申告をした後、本件収益等を享受するものはA社であるとして更正の請求を行ったが、税務署が認めないため、審査請求をした。国税不服審判所は、本件契約書は、A社が各売買取引に係る収益を受けるべき正当な権利を有することを示すものであり、実態としても各売買取引に係る事業取引の主体はA社であり、本件収益等を享受する者は請求人でなくA社と判断した事例である。(平成29年7月1日から令和2年6月30日までの各事業年度の法人税及び地方法人税並びに消費税等の各更正の請求に対する更正をすべき理由がない旨の各通知処分・全部取消し・令和5年12月22日裁決(非公開))【主な争点】本件収益等を享受する者は、請求人かA社か。【裁決の要旨】法人税法第11条にいう「収益を享受する法人」とは、単にその収益を消費している者をいうのではなく、その収益を受けるべき正当な権利を有する者をいうと解するのが相当である。そして、法的実質に即して収益の帰属を判定するに当たっては、第三者への不動産の譲渡によって得られた利益の帰属先及び不動産購入原資を含む事業資金の調達実態を中心に、取引の経緯を全体的に評価し、自己の計算により事業活動を行った者(経営主体)を事業取引(事業活動に属する取引)の主体と評価すべきと解される。本件契約書について、真正に成立したものと認められる。その記載内容は、本件各売買取引に係る収益を受けるべき正当な権利をA社が有することを示すものである。本件各売買取引に係る事業取引の主体について、事業資金の調達はA社が行ったものと認められ、本件各売買取引の端緒はA社の営業活動等であり、A社は第三者売主・買主とのやり取りを行うとともに、士地家屋調査士等の手配等を行い、利益表の作成をしていたのに対し、審査請求人が自己の計算により本件各売買取引に係る事業活動を行っていたことをうかがわせる事情は見当たらない。本件各売買取引に係る事業取引の主体はA社である。上記のとおり、実態としても本件各売買取引に係る事業取引の主体はA社であり、本件契約書の内容に沿うものであることからすれば、本件契約書の記載内容は虚偽ではなく、その記載内容どおりの契約が審査請求人とA社との間に成立したものと認められるから、審査請求人は、法的実質において、本件各売買取引に係る収益を受けるべき正当な権利を有しない。A社が本件収益等を享受する者と認められる。【参照条文】法人税法第11条《実質所得者課税の原則》、第37条《寄附金の損金不算入》消費税法第13条《資産の譲渡等又は特定仕入れを行った者の実質判定》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。本件は、処分の全部が取消されました。税務署側はさらに裁判で争うことは制度上認められていません。提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/07/06
横領した側の顛末。会社の預金口座から旧姓口座に送金し、消耗品支払と入力して、架空請求書を作成した一連の行為。無申告加算税で済まされず、重加算税が課される(棄却)
【裁決のポイント】無申告の納税者が、当初から課税標準等又は税額等を申告しないことを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づき、法定申告期限までに納税申告書を提出しなかったような場合には、無申告加算税に代えて、重加算税が課される。審査請求人は、勤務先A社を退職後、A社代表者から依頼され、関連会社B社で〇〇を担当した。B社との雇用関係はない。審査請求人は、ネットバンキングでB社の預金口座から、自身の旧姓の預金口座に送金し、B社の会計ソフトに消耗品の支払と入力し、それに合わせて架空法人の請求書を作成した。審査請求人の税務調査で発覚し、税務署の処分後に審査請求人とB社の間で不正取得した金員の返還に関する合意が成立した。審査請求人は返還の都度、所得税の更正の請求を行い、認められたものの、未返還部分(本件金員)の処分は残されたため、B社への返還が確定しているから課税(雑所得)されるべきでない、自身の口座へ直接送金したから隠蔽はないなどと主張して、審査請求を行った。国税不服審判所は、法令に禁止された行為に基づく利得であっても所得を構成する、審査請求人が調査担当員に申述した不法行為に至る動機及び無申告については信用できるとして、各処分を適法と判断した事例である。(令和4年分の無申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分、他・棄却・令和7年4月22日裁決)【主な争点】審査請求人の行為は、重加算税が課される「隠蔽し、又は仮装し」に該当するか。【裁決の要旨】審査請求人は調査担当者に次のように申述しているところ、具体的かつ矛盾もなく、客観的事実と整合していることからすれば、税務調査でパニック状態に陥って述べたものとは考え難く、信用できる。(1)申告する意図について「後ろめたい気持ちもあり、税務署に申告してしまうと、○○の事実が○○○○に○○すると思ったため、所得税等の申告はしていなかった」「税金を納めるだけの金銭が残っておらなかったことも、所得税等の確定申告をしなかった理由の一つである」。実際に、審査請求人は、6年間で合計○○○○円を超える所得を得ながら、所得税等の確定申告を一切していなかったことからすれば、当初から本件金員を申告する意図はなかったと認めるのが相当である。(2)隠蔽又は仮装の行為の有無について「B社は元々赤字であった。A社では〇〇に手続きがあり難しいが、B社はその手続きがない状態だったので、○○を行うことができた」。そうすると、審査請求人は、単に自己の所得に関し納税申告書を提出しなかったというにとどまらず、当初から○○によって得た所得を申告しないという確定的な意図の下、B社という第三者に対して内容虚偽の会計処理等を行い、事情を知らないB社を手足として利用して、課税機関に対する内容虚偽の確定申告をさせて審査請求人の所得が発覚しないようにしたといえ、これは、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づき法定申告期限までに納税申告書を提出しなかったものであると評価できる。本件行為は、国税通則法第68条第2項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当すると認められる。【参照条文】国税通則法第66条《無申告加算税》、第68条《重加算税》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/06/22
農家の干し芋づくり。自家栽培したさつま芋を干し芋にして販売する事業が、農業(第二種)でなく、製造業(第三種事業)と判断されたのは、作業所と専従従業員の存在(棄却)
【裁決のポイント】日本標準産業分類の大分類上、「農業、林業」の農業には、耕種農業(水稲、陸稲、麦類、雑穀、豆類、いも類、野菜、果樹、工芸農作物、飼肥料作物、花き、薬用作物、採種用作物及び桑の栽培をいう。)を行う事業所が該当する。農家で製造活動を行っている場合、他から購入した原材料を使用して製造又は加工を行っていれば、農業の活動とされず、製造業に分類される。自家栽培した原材料を使用して製造又は加工を行っている場合は農業の活動とされるが、同一構内に作業所等があり、その製造活動に専従の常用従業者がいるときは農業の活動とはされず、こちらも製造業に分類される。本件の審査請求人は、さつま芋、米を栽培し販売する事業のほか、自家栽培したさつま芋の一部を、自宅敷地内に建てた建物内で干し芋に加工して販売する事業(本件干し芋事業)を営む個人事業者で、本件干し芋事業を第二種事業に該当するとして消費税等の確定申告をしたところ、原処分庁が、第三種事業に該当するとして更正処分等を行った。審査請求人は、本件建物は多目的で、1年のうち3カ月だけ干し芋加工に使っているから臨時作業所であり、作業人もその時期の臨時従業員で専従の常用でないと主張した。国税不服審判所は、審査請求人には同一構内に作業所等があり、かつ、その製造活動に専従の常用従業者がいると認められるから、本件干し芋事業は第三種事業の製造業に該当すると判断した事例である。(令和2年1月1日から令和4年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却・令和7年9月8日裁決)【主な争点】本件干し芋事業は、第三種事業に分類される製造業に該当するか。【裁決の要旨】消費税法基本通達13-2-4は、第三種事業に該当することとされている事業の範囲は、おおむね日本標準産業分類の大分類に掲げる分類を基礎として判定する旨定めている。そして、日本標準産業分類は、農家が、①同一構内に工場、作業所とみられるもの(作業所等)があり、かつ、②その製造活動に専従の常用従業者がいる場合には製造業に分類される旨が記載されている。①作業所等について審査請求人の自宅敷地内にある建物には、蒸し工程で必要となるボイラー及び電動ウインチが備え付けられているほか、芋洗機やスライス器具といった移動式の器具等が使用されていることが認められる。審査請求人及び外国人技能実習生及び臨時従業員は、干し芋の加工工程の各工程において、本件建物で各作業をしている。そうすると、本件建物は、作業所等の機能を有し、干し芋の加工のために使用されていたと認められ、本件干し芋事業に係る作業所等に該当する。②製造活動に専従する常用従業員について審査請求人が11月下旬から翌年2月末までの一定程度の期間において、臨時従業員を雇用して、干し芋の加工作業にのみ従事させていることからすると、審査請求人は、当該期間中において、本件臨時従業員を当該加工作業に専従の常用従業者として雇用していると認めるのが相当である。以上から、本件干し芋事業は、日本標準産業分類の大分類に掲げる「製造業」に該当し、第三種事業(製造業)に該当する。【参照条文】消費税法第37条《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》消費税法施行令第57条《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》消費税法基本通達13-2-4《第三種事業、第五種事業及び第六種事業の範囲》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/06/15
就業規則等を変更に伴う一時金の支払いのポイント。既に定年を過ぎていた者に支払った退職金名目の一時金を、賞与とした税務署の処分が全部取消された事例(全部取消し)
【裁決のポイント】ある金員が、所得税法第30条《退職所得》第1項の「退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与」に該当するためには、それが、①退職、すなわち勤務関係の終了という事実によって初めて給付されること、②従来の継続的な勤務に対する報償又はその間の労務の対価の一部の後払の性質を有すること、③一時金として支払われること、との要件を備えることが必要であり、また、同項にいう「これらの性質を有する給与」に当たるというためには、それが、形式的には①から③までの各要件の全てを備えていなくとも、実質的にみてこれらの要件の要求するところに適合し、課税上、「退職により一時に受ける給与」と同一に取り扱うことを相当とするものであることを必要とすると解されている。本件の審査請求人は病院で、利益と人材確保のために就業規則等を改正し、65歳定年を過ぎた医師は年俸制1年更新契約の職員となった。院長を含む65歳を過ぎていた医師3名に退職願を出してもらい、退職金の名目で一時金を支払い、再雇用契約を締結して引き続き勤務させたところ、税務署は、退職の事実はないから、本件一時金は給与(賞与)である、年収2,000万円超となり年末調整の適用がないとして、源泉所得税の納税告知等を行った。審査請求人は、本件医師3名は患者対応のために従前の処遇を基本としたが、本件一時金は、定年前の期間に対する退職手当であると主張した。国税不服審判所は、本件一時金は上記①②③の要件を満たしているとして、審査請求人の主張を認め、処分の全部を取り消した事例である。(令和4年3月分の源泉徴収に係る所得税等の納税告知処分並びに不納付加算税の賦課決定処分、令和4年12月分の源泉徴収に係る所得税等の納税告知処分・全部取消し・令和7年7月25日裁決(非公開))【主な争点】主な争点は、本件一時金は、給与等か退職手当等か。【裁決の要旨】本件一時金について、次の要件を充足するか、以下検討する。①退職、すなわち勤務関係の終了という事実によって初めて給付されること本件医師3名の雇用期間を1年とする有期雇用契約に移行後、役職を退任した際に年俸が減額されたなどの事実に照らせば、契約更新の際に、労務の内容及び年俸が見直され得る契約であると認められ、有期雇用契約の期間について退職金の支給はないことを併せ考えると、以前の期間の定めのない雇用契約とは雇用形態の法的性質が大きく異なるものであるということができる。患者のために本件医師3名を有期雇用契約前の役職及び業務等で勤務させなければならないことに相当の理由があったと認められ、雇用契約の前後で業務内容及び賃金等の変動がなく、年次有給休暇の繰越等がなされたことをもって、本件医師3名と審査請求人の間において従来の勤務関係が終了していないとみる原処分庁の主張には理由がない。②従来の継続的な勤務に対する報償又はその間の労務の対価の一部の後払の性質を有すること本件一時金は、旧給与規則に基づき、基本給等の金額を基準に、勤続期間に対応する金額として算出されていることからして、本件医師3名のこれまでの継続的な勤務に対する報償又はその間の労務の対価の一部の後払の性質を有するものと認められる。③一時金として支払われること令和4年3月31日に、毎月の給与以外の一時金として支払われたものと認められる。上記のとおり、本件医師3名に係る本件一時金は、所得税法第30条第1項に規定する「退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与」に該当すると認められる。【参照条文】所得税法第28条《給与所得》、第30条《退職所得》、第183条《源泉徴収義務》、第199条《源泉徴収義務》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。本件は、処分の全部が取消されました。税務署側はさらに裁判で争うことは制度上認められていません。提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/06/08
「あなたの権利や利益に関係のない違法を主張しています」。審査請求は適法だが、不服申立人が主張する理由には、処分の取消しを求める理由がないと判断された事例(棄却)
【裁決のポイント】不服申立ての手続きは、税務署から処分の通知を受けた日の翌日から原則として3か月以内に、国税不服審判所長に「審査請求」か、税務署長等に「再調査の請求」を選択できる。先に適法な再調査の請求をして、その決定に不服がある場合に審査請求を行うこともできる。ここで、不服申立ては、単に処分が存在しこれに不服があるというだけではなく、「その処分によって自己の権利又は法律上の利益が侵害されている場合」にできることとされ、不服申立てができる者は、国税に関する法律に基づく処分によって直接自己の権利又は法律上の利益を侵害された者であることが要件とされている。審査請求人の滞納国税を徴収するため、税務署は、審査請求人の債権に対して差押処分を行い、債権差押通知書を第三債務者に送達した。審査請求人は、当該債権は第三者に帰属するとして再調査の請求をすると、直接自己の利益を侵害されるのは審査請求人でないから再調査の請求は不適法として却下された。審査請求人は次に審査請求をした。国税不服審判所は、再調査の請求は適法であったから、審査請求は適法としたうえで、審査請求人は自己の法律上の利益に関係のない違法を審査請求の理由としているとして、請求を棄却した事例である。(債権の差押処分・棄却・令和7年1月24日裁決)【主な争点】本件差押処分の適法性。【裁決の要旨】審査請求人は本件差押処分の名宛人であり、本件差押処分により、その法律上の効果を受ける者であるから、本件差押処分の取消しを求めることができることは明らかである。本件再調査請求は適法なものであり、ほかに本審査請求を不適法とする事情はないため、本審査請求は適法である。審査請求人は、本件差押処分時には、本件債権が第三者に帰属しているから、本件差押処分は無効である旨主張する。しかしながら、審査請求が違法又は不当な処分によって侵害された不服申立人の権利利益の救済を図るものであることからすれば、不服申立人は、自己の権利又は法律上の利益に関係のない違法を審査請求の理由として取消しを求めることができないと解するのが相当である。これを本件についてみると、仮に当該主張の事実が存在したとしても、本件差押処分によって不利益を受けるのは当該第三者であり、審査請求人ではないから、結局、審査請求人がかかる事実を違法事由として主張することは、自己の法律上の利益に関係のない違法を審査請求の理由とするものである。よって、本審査請求は理由がないから、これを棄却することとする(国税徴収法所定の要件を充足しており適法である)。【参照条文】国税通則法第75条《国税に関する処分についての不服申立て》国税徴収法第47条《差押の要件》、第62条《差押えの手続及び効力発生時期》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/06/01
戻れません。消費税の修正申告で生じた税額は、修正申告書を提出した日の属する年分の必要経費に算入する。修正申告した課税期間と同一年分に戻って算入できません。(棄却)
【裁決のポイント】所得税法第37条《必要経費》第1項は、計上時期について、償却費を除き、その債務の確定の日とし、債務確定主義を採用している。税込経理方式を行う個人事業者の場合、消費税の納税額は租税公課として必要経費に算入される。納付すべき消費税等は、納税申告書の提出(翌年)によって債務が確定するから、租税公課の計上時期は、課税期間の翌年になる。ただし、申告期限が到来してない納税申告書に租税公課を未払計上したときは、未払計上した年の必要経費にしても差し支えないとされている(個別通達の7ただし書)。審査請求人は、調査を受け、新たに納付すべきことになった消費税額(本件消費税額)について、修正申告した課税期間と同一年分の事業所得の必要経費に算入して所得税の修正申告をしたところ、税務署は認めず更正処分を行った。審査請求人は、本件消費税額については、所得税法第37条第1項の「その年中の総収入金額を得るために直接に要した費用」に該当するから、同一年分の必要経費に算入できると主張した。国税不服審判所は、本件消費税額は、債務確定主義から、修正申告書を提出した日の属する年分の必要経費に算入される、修正申告書は申告期限未到来の納税申告書でないから、個別通達の7のただし書きの適用はないと判断した事例である。(令和2年分及び令和3年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分・棄却・令和7年3月3日裁決)【主な争点】本件消費税額は、修正申告に係る年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入できるか。【裁決の要旨】本件消費税額は、所得税法第37条第1項に規定する「その年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」に該当すると解されるところ、同項は、必要経費の算入時期について、債務の確定を要求しており、本件消費税額は、消費税等の修正申告書を提出したことにより納付すべきことが具体的に確定したとはいえ、請求人の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき時期は、請求人が消費税等の修正申告書を提出した日の属する年分となるから、本件消費税額は、消費税等の修正申告に係る課税期間と同一年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。請求人の主張について、売上原価のように特定の収入との対応関係を明らかにできるものについては、それが生み出した収入の帰属する年分の必要経費とすべきであるが、本件消費税額は、特定の収入との対応関係を明らかにできないもの(その年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用)に該当するため、その債務が具体的に確定した年分の必要経費とされるべきである。また本件消費税額は、修正申告書を法定申告期限後に提出したことにより納付すべきこととなったものであるから、個別通達の7ただし書の定めには該当しない。【参照条文】所得税法第37条《必要経費》所得税基本通達37-2《必要経費に算入すべき費用の債務確定の判定》、37-6《その年分の必要経費に算入する租税》個別通達「消費税法等の施行に伴う所得税の取扱いについて」の7《消費税等の必要経費算入の時期》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/05/25
登記官が間違えるときもある。地目変更され、近隣に類似する土地がない土地の登録免許税の課税標準は、固定資産税評価基準により算出するとした事例(一部取消し)
【裁決のポイント】所有権移転等の登記申請書には、課税標準と登録免許税の額を記載する。課税標準は、固定資産台帳の登録価格で、市町村から届く固定資産課税明細書に「価格」又は「評価額」と表記されている(1,000円未満の端数切捨)。「固定資産税課税標準額」ではない。登録価格がない場合は、当該不動産に類似し、かつ、登録価格がある不動産の金額を基礎とした登記官認定額が課税標準となる。審査請求人が令和5年12月に購入した本件土地は、同年11月に地目が田から雑種地に変更されていたが、審査請求人はその年の1月1日現在の登録価格を課税標準として登録免許税を計算し納付した。登記官は地目変更があったことから、本件土地に隣接する雑種地を認定土地として選び、登記官認定額に基づく登録免許税との差額の納付を求め、審査請求人は応じた。しかし、登記官認定額が本件土地の令和6年度の登録価格より高かったため、審査請求人は、認定土地は本件土地とは接道状況が大きく異なる、近隣のf町土地を選択するのが合理的であると、税務署に還付通知をすべき旨の請求をするが、認められなかった。国税不服審判所は、認定土地は接道状況等が大きく異なり適切でない、f町土地には類似性が認められないと判断し、固定資産評価基準によって本件土地の価額を求め、登録免許税の過誤納が認められるとして処分の一部を取消した事例である。(登録免許税の還付通知をすべき理由がない旨の通知処分・一部取消し・令和7年2月18日裁決)【主な争点】本件登記官認定額は、登録免許税の課税標準たる本件各土地の価額として過大か。【裁決の要旨】登録免許税法施行令附則第3項は、台帳登録価格のない不動産についても、飽くまで台帳登録価格に依拠してその価額を算出することにより、台帳登録価格のある場合とない場合とで、課税の公平や価額の均衡を図ることにあると解するのが相当である。なお、類似不動産が存在しない場合又は類似不動産が把握できない場合には、他の合理的な方法により求めた登記の時の価額を課税標準たる不動産の価額(時価)とするものと解するのが相当と認められるが、台帳登録価格のない不動産について、固定資産評価基準(地方税法第388条第1項)によってその価額を算出し、その算出した価額が時価を表さないといえるような特段の事情がない限り、当該価額をもって登録免許税の課税標準たる不動産の価額と解するのも、登録免許税の課税標準たる不動産の価額を台帳登録価格に基づいて求めることとしている理由にかなうものとして相当であると認められる。本件土地と本件認定土地は市街化調整区域内において隣接し、地目が一致しているが、本件土地に面する水路には路線価の付設がないことからすると、接道の状況及びその面する街路に係る路線価の付設の状況において大きく異なっている。本件登記官認定額は、本件土地の価額を合理的な方法により算定しているものとは認められない。f町土地は、土地の地積、形状等及び固定資産評価に適用される路線価において本件土地との類似性は認められないから、本件土地の類似不動産であるとはいえない。そして、本件土地の価額を固定資産評価基準によってその価額を算出することに、本件土地の時価を表さないといえるような特段の事情があるものとは認められない。したがって、本件土地の価額は○○○○円とするのが相当であり、過誤納に係る部分は違法であるから、当該部分を取り消すべきである。【参照条文】登録免許税法第10条《不動産等の価額》、第31条《過誤納金の還付等》登録免許税法附則第7条《不動産登記に係る不動産価額の特例》登録免許税法施行令附則本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/05/18
概算払された国庫補助金は返還不要が確定済!国庫補助金の額が確定した日でなく、実際に概算払の交付を受けた日の属する事業年度で収益計上すると判断された事例(一部取消し)
【裁決のポイント】国庫補助金等は、その収入すべき権利が確定した日の属する年度の益金の額に算入する。原則として、国庫補助金等の交付決定がされた日の属する事業年度である。しかし、書類審査や現地調査等を経て、補助事業完了後に交付すべき補助金の額が確定される場合には、原則として、補助金の額が確定した旨の通知があった日の属する事業年度となる。審査請求人は、固定資産の取得のために国庫補助金を申請し、交付が決定され(令和2年3月期)、概算払があり(令和3年3月期)、補助事業完了後に補助金の額が確定、交付済との差額が支給された(令和4年3月期)。審査請求人は、取得した固定資産について圧縮損を損金算入するための別表十三(一)を添付したが、一つの勘定科目で補助金の額(貸方)と圧縮損の額(借方)を同額で計上したため、残高0となって、損益計算書には補助金の額も圧縮損の額も記載されていなかった。税務署は、概算払の補助金について、補助金の額が確定した令和4年3月期の益金に算入すべきとして更正処分等を行った。国税不服審判所は、審査請求人の経理処理では補助金が益金の額に算入されていない、概算払された補助金は、払い過ぎの返金が求められないものであるから、実際に交付を受けたときに収入すべき権利が確定しているとして、処分の一部を取消した事例である。(令和3年3月期、令和4年3月期の各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、他・一部取消し、他・令和6年3月15日裁決(非公開))【主な争点】本件補助金の額は事業年度の益金の額に算入されていたか。【裁決の要旨】審査請求人は、国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入の規定の適用を受ける意思であったことは見て取れるものの、審査請求人の主張によっても、本件補助金の額は益金の額に算入されていないこととなる。ある収益をどの事業年度に計上すべきかは、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従うべきであり、これによれば、収益は、その実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定したときの属する年度の益金の額に算入すべきものと解するのが相当である(最高裁平成5年11月25日判決)。本件補助金の概算払については、補助事業が実際に完了した部分に応じて交付されるものであり、原則として、払い過ぎにより返還を求めることはないこと、提出された概算払請求書等につき、補助事業終了後に本件補助金を交付する場合と同様に書類の審査等を行い、不備がなければ概算払をすることとされていることからすれば、本各補助金が概算払により交付された場合は、当該交付を受けたときに、本件補助金の収入すべき権利が確定したと解するのが相当である。したがって、概算払により交付を受けた本件補助金の額については、実際に交付を受けた日の属する令和3年3月期に収益計上し、益金の額に算入されるべきであり、令和4年3月期の益金の額に算入されるとした原処分には誤りがある。【参照条文】法人税法第2条《定義》、第22条(第二款各事業年度の所得の金額の計算の通則)、第42条《国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入》法人税法施行令第80条《国庫補助金等で取得した固定資産等についての圧縮記帳に代わる経理方法》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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