税務デイリーニュース
税務に関する最新のニュースを毎日お届けします。
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2025/03/18
「企業取引研究会報告書」に対する意見募集の結果
公正取引委員会、中小企業庁は、2月21日「企業取引研究会報告書」に対する意見募集の結果を公表した。この報告書では、デフレ型の商慣習からの脱却の必要性とデフレ型の商慣習からの脱却に向けてについて検討が行われており、デフレ型の商慣習からの脱却に向けてでは、1下請法の見直し(下請法の改正についての事項)、2独占禁止法(優越的地位の濫用)・下請法の運用・執行の見直しについて検討が行われた。1下請法の見直し(下請法の改正についての事項)、2独占禁止法(優越的地位の濫用)・下請法の運用・執行の見直しでは、適切な価格転嫁の環境整備に関する論点(買いたたき規制の在り方)、下請代金等の支払条件に関する論点、物流に関する商慣習の問題に関する論点を共通して検討し、下請法の適用基準に関する論点(下請法逃れへの対応)、知的財産・ノウハウの取引適正化に関する論点についても検討が行われた。報告書では解決の方向性として、適切な価格転嫁の環境整備に関する論点(買いたたき規制の在り方)では、・実効的な価格交渉が確保されるような取引環境を整備する観点から、例えば、下請事業者からの価格協議の申出に応じなかったり、親事業者が必要な説明を行わなかったりするなど、一方的に下請代金を決定して、下請事業者の利益を不当に害する行為を規制する必要がある。・サプライチェーン全体での円滑な価格転嫁を実現するため、上記の観点を優越的地位の濫用の考え方にも当てはめ、優越ガイドライン等で想定事例や考え方を示すことを検討する必要がある。下請代金等の支払条件に関する論点では、・紙の有価証券である手形については、下請法の代金の支払手段として使用することを認めない。・その他金銭以外の支払手段(電子記録債権、ファクタリング等)については、支払期日までに下請代金の満額の現金と引き換えることが困難であるものは認めない。・振込手数料を下請事業者に負担させる行為は、合意の有無にかかわらず、下請法上の違反に当たることとし、その旨、解釈を変更して、運用基準において明示する。・サプライチェーン全体で手形の廃止や支払サイトの短縮化を実施していくため、不当に長く支払サイトを設定するような行為について、優越的地位の濫用に係る考え方を整理し、優越ガイドライン等で想定事例や考え方を示すことを検討する必要がある。物流に関する商慣習の問題に関する論点では、・発荷主が運送事業者に対して物品の運送を委託する取引の類型を新たに下請法の対象取引とする。とされた。報告書に対する意見は、全体で209件の意見が寄せられ、適切な価格転嫁の環境整備に関する論点(買いたたき規制の在り方)には29件、下請代金等の支払条件に関する論点には15件、物流に関する商慣習の問題に関する論点には20件の意見が寄せられた。最も多く寄せられた意見は、知的財産・ノウハウの取引適正化に関する論点で、54件の意見が寄せられ、下請法の適用基準に関する論点(下請法逃れへの対応)にも28件の意見が寄せられた。(参考)(令和7年2月21日)「企業取引研究会報告書」に対する意見募集の結果についてhttps://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2025/feb/250221_kigyotorihiki_iken.html
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2025/03/17
マイナンバーカードのパスワードはコンビニ等で初期化できます
国税庁は、2月26日「マイナンバーカードのパスワードはコンビニ等で初期化できます」を公表した。スマートフォンによる所得税確定申告が増えてきているが、マイナポータルにログインしてe-Taxを利用する場合に必要となる利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)(マイナポータルにログインする際に利用する)、および券面事項入力補助用のパスワード(数字4桁)は3回連続で誤入力した場合パスワードにはロックがかかる。また、e-Taxを利用する場合に必要となる署名用電子証明書のパスワード(英大文字含む6~16桁)は5回連続で誤入力した場合、パスワードにロックがかかることになる。利用者証明用電子証明書パスワードまたは署名用電子証明書パスワードのどちらかがパスワードロックされた場合は、JPKI暗証番号リセットアプリとコンビニ等のキオスク端末を利用して初期化することができる。アプリとコンビニ等のキオスク端末を利用して初期化することができるのは、一方のパスワードが有効であることが必要となるので注意が必要である。例えば、利用者証明用電子証明書のパスワードのロック解除を行う場合は、有効な署名用電子証明書のパスワードが必要となる。利用者証明用電子証明書パスワード、署名用電子証明書パスワードの両方ともロックされてしまった場合には、住民票がある市区町村の窓口でパスワードのロック解除の手続きが必要となり、その際には、顔写真付き公的証明書による本人確認が必要となる。詳細な手続きについては、住民票がある市区町村に問い合わせることが必要となる。(※1)JPKI暗証番号リセットアプリは利用するスマートフォンによってAndroid用、iPhone用が用意されているため、事前にそれぞれにアプリをダウンロード、インストールする必要があり、また、対応機種によっては動作しないことがあるため、事前に確認が必要である。JPKI暗証番号リセットアプリを利用してコンビニ等のキオスク端末を使う操作方法については、公的個人認証サービスポータルサイトに詳細な説明があるため、利用規約も含めて事前に確認しておくとよい。(※2)(参考)マイナンバーカードのパスワードはコンビニ等で初期化できますhttps://www.e-tax.nta.go.jp/topics/2025/topics_20250226.htm(※1)https://faq.myna.go.jp/faq/show/2356?site_domain=default(※2)https://www.jpki.go.jp/jpkiidreset/howto/index.html
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2025/03/14
グリーン志向の消費行動に関するワーキングチーム報告書
消費者庁は、2月20日「グリーン志向の消費行動に関するワーキングチーム報告書」を公表した。気候変動などの地球環境問題を始めとする社会課題に対する関心が一定程度高まってはいるが、人や社会、環境に配慮した消費行動を実践しているという消費者はいまだ一部にとどまっている。消費者庁では、脱炭素社会・循環経済の実現といった社会課題の解決に向けて推進すべき取組として、国民のライフスタイルの転換を促進することなどが盛り込まれた「経済財政運営と改革の基本方針2024」(令和6年6月21日閣議決定)を踏まえて、消費者が自身の消費生活において、グリーン志向の消費行動(環境に配慮された商品・サービスを理解し、意識的に選好するなどの行動)を積極的に実践するよう促していくため、現状どのような課題が存在するのかについて分析を行い、消費者の行動変容を促していくための具体的な取組の方向性を明らかにすることを目的に、「グリーン志向の消費行動に関するワーキングチーム」を開催し、(1)消費者による環境に配慮した消費行動の現状と課題の分析、(2)グリーン志向の消費行動を促すための取組の方向性・具体的な方策について検討を行い、報告書を公表した。この報告書では、(1)消費者の環境意識や行動の現状とその背景、(2)消費者の行動変容を起こすために必要な視点について検討が行われ、幅広い主体(行政、事業者、団体、メディア等)の連携による、個別の企業や商品・サービスという枠を超えた情報発信(消費者の適切な危機感・問題意識の醸成)、認証ラベル・マークに関する情報の整理・提供等を通じて、一部の意欲的な消賈者が率先して実践する取組から全ての消費者が各々の日常で実践していくものとすることが望ましいとしている。(1)消費者の環境意識や行動の現状とその背景では、・消費者の環境意識・行動の現状・危機感の欠如と自分事としての認識の不足・具体的な行動の選択肢についての認知不足・環境配慮を商品・サービスの価値として伝えることの難しさが分析され、(2)消費者の行動変容を起こすために必要な視点では、・適切な危機感・問題意識の共有を通じた自分事化・社会的・経済的・心理的インセンティブの設計による後押し①消費者の関心を刺激する働き掛け②貢献度の見える化③消費者が選択しやすい売場環境や動線づくり④認証ラベル・マークの活用⑤心理的インセンティブによる習慣化が検討され、消費者の欲望を刺激する働きかけや工夫の必要性、自身の行動の貢献度や結果につながるプロセスを分かりやすく見える化することや簡単・快適にグリーン志向の消費行動を実践できる売場環境や動線づくりの活用等や取組の深化が期待されている。(参考)グリーン志向の消費行動に関するワーキングチームhttps://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/meeting_materials/review_meeting_009/
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2025/03/13
令和5年度「租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書」
財務省はこのほど、令和5年度の「租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書」を国会に提出した。同報告書は、納税者から令和6年11月末日までに提出され、税務署等において処理を終了した令和5年4月1日から令和6年3月31日までの間に終了した事業年度に係る適用額明細書記載内容を集計・整理したものである。適用額明細書の提出があった法人数は、148万3,298法人で、前年度より2万1,142法人の増加となり、適用件数は法人税関係特別措置78項目について延べ241万8,094件で、前年度より6万9,275件増えている。なお、適用法人数は、適用額明細書の提出があった法人の数を表し、適用件数は、適用額明細書に記載されている「租税特別措置法の条項」欄の数を合計した数を表している。措置ごとの適用概況をみると、中小企業者等の所得金額のうち年800万円以下の金額に対する法人税の軽減税率を15%(本則:19%)とする「中小企業者等の法人税率の特例」が最も多く使われ、適用件数108万279件(前年度106万8,172件)で、適用額は4兆5,281億円(前年度4兆4,020億円)となっていた。適用件数が多かった租税特別措置は以下のとおり(カッコ内は前年度)となっている。「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」適用件数65万7,884件(65万3,858件)適用額3,728億円(3,636億円)「特定の基金に対する負担金等の損金算入の特例」適用件数28万6,373件(27万5,691件)適用額2,998億円(2,937億円)「給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除」適用件数25万4,483件(21万5,294件)適用額7,278億円(5,150億円)「中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除」適用件数3万1,180件(2万9,254件)適用額211億円(189億円)「認定特定非営利活動法人等に対する寄附金の損金算入の特例」適用件数2万2,780件(2万2,302件)適用額89億円(139億円)「中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却」適用件数2万853件(2万1,339件)適用額1,914億円(1,814億円)「試験研究を行った場合の法人税額の特別控除」適用件数1万7,845件(1万6,402件)適用額9,479億円(7,636億円)「中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却」適用件数1万3,609件(1万4,973件)適用額4,810億円(5,005億円)(参考)租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書https://www.mof.go.jp/tax_policy/reference/stm_report/fy2024/gaiyou.pdf
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2025/03/12
100億円宣言を開始
中小企業庁及び独立行政法人中小企業基盤整備機構は、売上高100億円という高い目標を目指し、それに向けて挑戦を行う企業・経営者を応援するプロジェクトの第一弾として、「100億宣言」を新たに開始する。「100億宣言」とは、中小企業が飛躍的成長を遂げるために、自ら「売上高100億円」という経営者にとって野心的な目標を目指し、実現に向けた取組を行っていくことを宣言するもので、宣言できる企業は、売上高10億円~100億円未満の中小企業であり、申請受付開始は5月頃を予定している。中小企業庁のWebサイトにおいては、「100億宣言に込めた想い」として、・現在、我が国経済は、長きにわたったコストカット型経済から脱却し、デフレに後戻りせず、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」に移行できるかどうか、まさに正念場であり、そして、その鍵は日本の雇用の7割、付加価値の5割以上を占める中小企業・小規模事業者の役割、何より経営者が日頃から取り組んでいる挑戦と創意工夫にあり、政府としてもこれを全力で応援していく・特に地域経済においては、地域に良質な雇用を生み出すためには、国内外の需要の開拓や積極的な投資を通じて、「稼ぐ力」を大きく伸ばす企業の存在が欠かせず、構造的な底上げに加えて、良質な雇用や域内仕入れなど地域経済にインパクトをもたらす一定規模の企業を創出していくことが重要であり、「売上高100億円」を実現し、多くの付加価値を生み出すことが一つの方策であると考えることなどが掲載されている。「宣言」には、企業概要、企業理念・経営者の意気込み、売上高100億円実現の目標と課題、売上高100億円に向けた具体的措置(取組)などを盛り込むことにより、売上高100億円を実現するための企業の強いコミットメントと具体的な実現可能性を明らかにし、我が国及び地域の経済を支える中小企業の加速的な成長に向けた機運の醸成を図るものとしている。また、「100億宣言」を行うメリットについては、宣言取得による補助金等の活用(※1)、経営者ネットワーク(※2)への参加などが挙げられている。(参考)100億円宣言(中小企業庁)https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/100oku/index.html(参考)100億円宣言開始を開始します(経済産業省)https://www.meti.go.jp/press/2024/02/20250221002/20250221002.html(※1)https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/seicho_kasokuka.pdf(※2)https://www.meti.go.jp/press/2024/02/20250221002/20250221002-a.pdf
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2025/03/11
協力的手法を通じた自発的な適正申告の推進について
国税庁では、税務調査以外にも様々な取組を実施し、納税者の税務コンプライアンスの維持・向上を図っており、自発的な適正申告が期待できる大企業(調査課所管法人)に対しては、協力的手法(税務に関するコーポレートガバナンス(税務CG)の充実に向けた取組・申告書の自主点検と税務上の自主監査のための確認表の活用)を通じて、税務コンプライアンスの維持・向上を促している。協力的手法とは、大企業との協働関係を築いた上で、自発的な税務コンプライアンスの維持・向上を促すものであり、税務CGとは、税務について経営責任者等が自ら適正申告の確保に積極的に関与し、必要な内部体制を整備することをいい、充実が期待される企業として上場企業や内部統制システムの整備が義務付けられている企業を挙げている。今回、同庁では、令和5事務年度の取組状況等を取りまとめ2月21日に公表した。調査部特官所掌法人の税務調査において、110法人の税務CGの状況の確認・判定を行った結果、評価結果は、良好(30法人)、おおむね良好(73法人)、改善が必要(7法人)であり、構成比は直近2事務年度と同様の傾向であったが「良好」の割合が高く、「改善が必要」の割合は低くなっている。各確認項目別では、経営責任者等の関与・指導について、「良好」の割合は約9割と直近2事務年度(約7.5割)と比べて高くなっており、税務CG充実の重要性を理解し、経営責任者等の積極的な関与や社内外への情報発信等を行っている法人が多く見受けられた。税務に関する内部牽制の体制については、「良好」の割合は約2.5割と直近2事務年度(約2割)と比べて高くなっているが、運用面では更なる徹底や見直しが必要な法人が一定数見受けられた。税務調査での指摘事項等に係る再発防止策については、「良好」の割合は約3割と前事務年度(約2割)と比べて高く、「改善が必要」は横ばいとなっている。再発防止策を策定していない、あるいは再発防止策を講じているものの、十分に機能しているとまでは言い難い法人が一定数見受けられた。税務調査への的確な対応及び帳簿書類等の保存状況については、「良好」の割合について、前者は約6割と前事務年度(約5割)と比べて高く、後者は約7割と前事務年度と同様になっている。いずれの項目も自発的な適正申告に向けた体制・環境等構築の観点から重要な要素と考えられ、一層の充実が期待されるとしている。なお、同庁では税務CGの充実に向けた取組をより一層促進させる観点から、税務調査で指摘した誤りについて、同様の誤りが生じないようにするため、再発防止策の策定・運用を促す取組(再発防止促進プログラム)を実施している。(参考)協力的手法を通じた自発的な適正申告の推進https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/shinkoku/hojin/sanko/0025002-034_01.htm
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2025/03/10
金融商品取引契約に係る顧客交付書面のデジタル化
令和7年2月20日、金融庁は「金融商品取引契約に係る顧客交付書面のデジタル化について」公表した。これまで、顧客が証券会社等との間で、株式や投資信託の売買などに関する金融商品取引契約を締結する場合には、証券会社等から、契約締結前、契約締結時、株式等の保有時等それぞれの場面に応じて、「上場有価証券等書面」や「取引残高報告書」などの書面による情報提供が行われることが原則となっていた。近年、社会的にデジタルツールの活用が進んでいくなか、金融商品取引契約に係る情報の提供についても、顧客のデジタル・リテラシーを主体的に判断したうえで、デジタルツールを効果的に活用して、充実した内容を分かりやすく顧客に対して提供できるようにすることが重要であると考えられるため、金融庁では関係法令の改正を行い、金融商品取引契約に係る情報提供の媒体について、証券会社等が顧客のデジタル・リテラシーに応じて「書面」又は「デジタル」によることを選択できるよう、規定の整備・法改正を行った。この制度は、令和7年4月1日から施行されることとなるが、これまで「書面」による情報提供を受けていた顧客が、引き続き「書面」での交付を希望する場合には、その旨を証券会社等に請求すれば、これまでどおり書面での情報提供を受けることができる。日本証券業協会では、「証券業界における顧客交付書面のデジタル原則化に係る顧客周知について」(※1)や「書面交付のデジタル化対応に係る自主規制規則等の一部改正案に関するパブリックコメントの募集について」(※2)でデジタル原則を選択しようとする証券会社による顧客への伝達・告知について説明しており、本年5月を目途に自主規則の取りまとめと施行を予定している。なお、証券会社等によっては、「デジタル」での情報提供に対応していないケースもあるため、情報提供に係る具体的な取り扱いについては、取引のある証券会社等からの案内を十分に確認することが必要となる。(参考)金融商品取引契約に係る顧客交付書面のデジタル化についてhttps://www.fsa.go.jp/policy/shodeji/index.html証券業界における顧客交付書面のデジタル原則化に係る顧客周知について(※1)https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/market-system/siryou/20230915/03.pdf書面交付のデジタル化対応に係る自主規制規則等の一部改正案に関するパブリックコメントの募集について(※2)https://www.jsda.or.jp/about/public/bosyu/files/250114_kinsyouhoukaisei_sankou.pdf
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2025/03/07
中小企業の実態判明 サイバー攻撃の7割は取引先へも影響
経済産業省は、2月19日、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)を通じて実施した中小企業等におけるサイバーセキュリティ対策に関する実態調査の結果を公表した。調査の結果、中小企業の約7割が組織的なセキュリティ体制が整備されていないという実態や、過去3年間にサイバー攻撃の被害に遭った中小企業のうち約7割が取引先にも影響が及んだ、いわゆる「サイバードミノ」(サイバー攻撃により、被害が連鎖して取引先やその先まで企業の業務が停止するような事態のこと)が起きているという実態が明らかになった。また、一方で、普段からセキュリティ対策投資を行っている中小企業の約5割が、取引先との取引につながったと実感しているという実態も判明した。「令和6年度中小企業実態調査」の結果概要は、下記のとおりである。・約7割の企業が組織的なセキュリティ体制が整備されていない・過去3期における情報セキュリティ対策投資を行っていない企業は約6割・情報セキュリティ関連製品やサービスの導入状況は微増・過去3期内でサイバーインシデントが発生した企業における被害額の平均は73万円(うち9.4%は100万円以上)、復旧までに要した期間の平均は5.8日(うち2.1%は50日以上)・不正アクセスされた企業の48.0%が脆弱性を突かれ、他社経由での侵入も19.8%・サイバーインシデントにより取引先に影響があった企業は約7割・セキュリティ対策投資を行っている企業の約5割が、取引につながった・サイバーセキュリティお助け隊サービスの導入企業の5割以上が、セキュリティ対策の導入が容易と回答し、また3割以上の企業が費用対効果を実感している経済産業省では、サイバーセキュリティ対策の必要性を理解しつつも「何をしたらよいか分からない」「セキュリティにコストをかけられない」中小企業等向けに、安価で効果的なサイバーセキュリティ対策を提供する「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を案内するリーフレットを作成、公表し(※1)、また、経済産業省「サイバーセキュリティ政策」のトップページで(※2)、以下の属性の方向けの入口を設置して各種支援策の紹介をしているため参考にするとよい。・サイバーセキュリティ対策をはじめたい・支援策を知りたい方(中小企業等の方)・サイバーセキュリティ対策を強化したい方(大企業等の方)・サイバー攻撃事案(インシデント)に対処したい方・サイバーセキュリティの製品・サービスを提供する企業の方(参考)中小企業の実態判明サイバー攻撃の7割は取引先へも影響https://www.meti.go.jp/press/2024/02/20250219001/20250219001.html「サイバーセキュリティお助け隊サービス」(※1)https://www.meti.go.jp/press/2024/02/20250219001/20250219001-1.pdfサイバーセキュリティ政策(※2)https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/index.html
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2025/03/06
eLTAXダイレクト納付方法の変更(二段階認証対応)
令和7年1月22日、eLTAX地方税ポータルシステムのホームページで「PCdeskのバージョンアップに伴うダイレクト納付等の操作方法の変更について(事前案内)」が公表された。このバージョンアップは、令和7年3月24日に実施が予定されているものであるが、バージョンアップに伴い、ダイレクト納付等の操作方法に影響があるため(特にワンタイムパスワードの新規採用について)、事前にお知らせをするとのことである。バージョンアップの内容と対応については、以下のとおりである。<バージョンアップ内容>対象システム:PCdesk(DL版・WEB版)1.期日指定ダイレクト納付のキャンセルを可能とする対応ダイレクト納付期日指定後に、別チャネルでの納付が確認できた場合、指定した期日の前日までであれば、PCdesk上で期日指定キャンセルができるよう変更が行われる。2.ダイレクト納付の二段階認証対応セキュリティ強化のため、ダイレクト納付時に、ワンタイムパスワードによる二段階認証を行うよう変更が行われる。バージョンアップ後のダイレクト納付は、以下の手順となる。①納付方法選択画面にてダイレクト方式を選択②「今すぐ納付を行う」または「納付日を指定して納付を行う」を選択③ワンタイムパスワードの通知先メールアドレスを選択※利用者IDに紐付けて登録済みのメールアドレス(最大3件)から選択します。※税理士等が代理人として操作(代理行為)している場合は、代理人の利用者IDに登録済みのメールアドレスから選択します。④③で選択したアドレス宛てに送信されるワンタイムパスワードを確認⑤PCdeskに表示されるワンタイムパスワード入力画面に入力⑥納付手続き完了3.メールアドレスの変更または追加時の二段階認証対応セキュリティ強化のため、利用者IDに登録しているメールアドレスの変更・追加時に、ワンタイムパスワードによる二段階認証を行うよう変更が行われる。バージョンアップ後のメールアドレスの変更・追加は、以下の手順となります。(変更の場合)①利用者情報照会・変更画面にて「e-Mail」欄に入力されているアドレスを変更し、画面右下の「次へ」を押下②送信確認画面の内容を確認し、画面右下の「次へ」を押下③①で入力したアドレス宛てに送信されるワンタイムパスワードを確認④PCdeskに表示されるワンタイムパスワード入力画面に入力⑤変更手続き完了※変更手続きの完了を通知するメールは、利用者IDに紐付けて登録されている全てのアドレス宛てに送信される。(追加の場合)①利用者情報照会・変更画面にて空欄の「e-Mail」欄にアドレスを追加し、画面右下の「次へ」を押下②送信確認画面の内容を確認し、画面右下の「次へ」を押下③①で追加したアドレス宛てに送信されるワンタイムパスワードを確認④PCdeskに表示されるワンタイムパスワード入力画面に入力⑤追加手続き完了※追加手続きの完了を通知するメールは、利用者IDに紐付けて登録されている全てのアドレス宛てに送信される。<マニュアル等の改訂>上記の操作方法変更に伴って「PCdeskマニュアル」も後日改訂が予定されている。(参考)PCdeskのバージョンアップに伴うダイレクト納付等の操作方法の変更について(事前案内)https://www.eltax.lta.go.jp/news/12162
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2025/03/05
中小企業の雇用・賃金に関する調査
㈱日本政策金融公庫は2月17日、「中小企業の雇用・賃金に関する調査」の結果を公表した。この調査は、2024年12月中旬に取引先13,823社に対して実施され、有効回答数4,976社(回答率36.0%)を取りまとめたものである。従業員の過不足感について、正社員が「不足」と回答した企業割合は57.7%、「適正」は36.4%、「過剰」は5.9%となっている。「不足」の割合は、前回調査である2023年実績(58.8%)から1.1ポイント低下した。業種別にみると、運送業(除水運)75.5%、建設業73.7%、宿泊・飲食サービス業71.8%などで「不足」の割合が高い。人手不足の影響については、「売上機会を逸失」と回答した企業割合が41.7%で最も高く、次いで「残業代、外注費等のコストが増加し、利益が減少」が22.0%となっている。人手不足への対応については、「従業員の多能工化」と回答した企業割合が44.5%で最も高く、次いで「業務の一部を外注化」が33.8%、「残業を増加」が27.1%となっている。従業員数の増減について、正社員数を前年から「増加」と回答した企業割合は23.6%、「変わらない」は51.8%、「減少」は24.7%となっている。「増加」の割合は、前回調査(25.3%)から1.7ポイント低下した。2025年の見通しでは、「増加」と回答した企業割合は32.9%である。業種別にみると、情報通信業33.6%、宿泊・飲食サービス業29.7%、運送業(除水運)28.3%などで「増加」の割合が高い。従業員の増加理由については、正社員では「将来への人手不足の備え」と回答した企業割合が56.9%で最も高く、次いで「受注・販売が増加」が38.5%、「受注・販売が増加見込み」が35.5%となっている。賃金の状況について、正社員の給与水準を前年から「上昇」と回答した企業割合は75.2%、「ほとんど変わらない」は24.3%、「低下」は0.5%となっている。「上昇」の割合は、前回調査(68.0%)から7.2ポイント上昇した。2025年の見通しでは、「上昇」と回答した企業割合は68.1%である。業種別にみると、製造業81.5%、宿泊・飲食サービス業81.0%、小売業77.6%などで「上昇」の割合が高い。正社員の給与水準上昇の背景については、「最低賃金の動向」と回答した企業割合が24.9%で最も高く、次いで「物価の上昇」の24.8%、「自社の業績が改善」17.3%となっている。(参考)中小企業の雇用・賃金に関する調査https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/tokubetu_250217.pdf
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