税金ワンポイント
税務に関するニュースの中でも、注目度の高いトピックスを取り上げ紹介していく税金ワンポイント。主要な改正情報はもちろん、税務上、判断に迷いやすい税金実務のポイントを毎週お届けします。速報性の高い、タイムリーな情報を皆様の実務にお役立てください。
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2026/01/19
AI選定は税務調査をどこまで変えたのか
国税庁は令和6(事務)年度の税務調査の状況について、所得税、消費税、法人税、相続税など、各税目別に複数の資料を公表した。これらを通覧すると、近年の税務調査において、「AI選定」と呼ばれる新たな手法が導入され、調査の在り方そのものが転換期を迎えていることがうかがえる。従来、税務調査の対象者選定は、不正パターンに基づくロジック抽出や職員の経験と勘、資料情報の有無などに大きく依存していた。しかし、ここ1年ほどでAIを活用した予測モデルによる選定が本格的に導入され、調査の精度と効率性の向上が図られている。この手法の特徴は、納税者情報が個別管理から一元管理へと移行し、画一的な分析から多角的な分析が可能となった点にある。AIは予測分析を通じて、納税者の行動パターンや取引傾向を把握し、申告内容と各種データとの不整合を検知することが可能になったと考えられる。その結果として、公表された調査事績を見ると、非違件数や追徴税額、無申告者への接触事績が顕著に増加している点が目を引く。また、「簡易な接触」と呼ばれる調査手法の増加も注目される。これは、誤りの可能性が高いポイントに限定して文書や面談等で是正を促すものであり、調査件数・是正件数ともに大きな伸びを示している。不整合の検知や広範な接触が可能となった点はAI選定の影響を強く感じさせる動きといえよう。もっとも、調査の現場において、現金取引業種、好況業種を重点的に調査するという従来の傾向が大きく変わったわけではない。最終的にどの納税者を調査するかは、引き続き調査官の判断に委ねられているとみられる。ただし、一般調査においては、調査手法そのものが変化しており、一定期間をかけて申告内容を網羅的に調査するのではなく、AIが指摘したポイントに焦点を絞った調査が増えているとされる。これにより効率的な調査が可能となる一方で、AIがリスクとして認識しない部分については、深度ある調査が行われず、結果的に見過ごされる可能性も否定できない。さらに、令和8年度税制改正大綱では、個人事業者の青色申告特別控除の見直しが明らかとなった。電子帳簿保存法に基づく適正な記帳・保存を要件として、65万円控除額を75万円に引き上げる一方、申告書等を書面(紙)で提出した場合の控除額を10万円とする内容である。これは、デジタルによる記帳・保存・申告を前提とする制度設計が進んでいることを示しており、蓄積されたデータが今後ますますAI選定に活用されていくことを示唆している。このような変容を踏まえると、税理士や経理担当者は、日常的な記帳の正確性や電子データの整備に加え、申告内容と各種法定調書等との一貫性を従来以上に意識する必要がある。同族間取引、法人と個人の資金移動、個人の蓄財と相続税との関係などについても、AIによる異常値判定を念頭に置いた適正な運用を行うことが、今後の税務リスク管理において重要な意味を持つことになろう。(参考)令和6事務年度法人税等の調査事績の概要https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/hojin_chosa/index.htm令和6事務年度における所得税及び消費税調査等の状況https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/shotoku_shohi/index.htm令和6年分相続税の申告事績の概要https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/sozoku_shinkoku/index.htm提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/01/19
基礎控除をめぐる制度設計
所得税における基礎控除(注1)は、すべての納税者に共通して適用される人的控除として、税制における公平性や生活保障の観点から重視されてきた制度である。令和7年度の税制改正では、この基礎控除を10万円引上げるとともに、低・中所得者層に対しては上乗せ特例を新設し、一方で高所得者層に対しては従前どおり段階的に控除を逓減させ、合計所得金額が2,500万円を超える場合には控除額をゼロとする制度が維持された。この制度設計は、低・中所得者層の税負担を軽減するとともに、所得再分配機能を強化することを目的としたものである。もっとも、所得が高いという理由のみで基礎控除の適用が排除されることは憲法に違反するのではないかという問題提起もなされている。これに関して、東京地方裁判所は合計所得金額が2,400万円を超える者についての控除額の逓減および2,500万円超の者における控除額の消滅が、憲法25条1項(生存権)および14条1項(法の下の平等)に違反するかどうかを争点とする訴訟において、これを棄却する判決を下した(令和7年12月4日判決)。判決では、基礎控除の具体的な水準や適用対象者をどのように定めるかは立法政策に属するものであり、立法府にはその判断について広範な裁量が認められるとした。その上で、所得再分配機能を高めることを目的とした本制度は、定額控除方式よりも高い再分配効果を持ち、垂直的公平に資する仕組みであるとして、その制度設計が著しく不合理であるとはいえないと結論付けた。確かに、基礎控除は本来的にはすべての納税者に一律に適用されるべきという考えは根強いが、しかし一方で、税制には担税力に応じた公平な負担を実現するという役割があり、この2つの要請の均衡の中で制度設計がなされる必要がある。特に高所得者層においては、他の所得控除や配偶者控除等などの制度も併せて考慮されるべきであり、基礎控除のみを切り出して憲法上の問題とするには慎重な検討が求められる。令和7年12月26日に閣議決定された令和8年度税制改正大綱(注2)においては、消費者物価指数の上昇を踏まえ、合計所得金額が2,350万円以下の個人については基礎控除額を58万円から62万円に引き上げる方針が打ち出されている。基礎控除という一見平易な制度は、税負担の公平、生活保障、そして所得再分配という複数の政策目標の交点に位置しており、その設計は常に経済情勢や社会的要請とのバランスの中で検討され続けている。今後も、基礎控除を含む人的控除制度のあり方については、立法・行政・司法の各分野において継続的な見直しと丁寧な対話が求められるであろう。<注釈>https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htmhttps://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/20251226taikou.pdf提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/01/05
租税特別措置の適用と「適用額明細書」
法人税における租税特別措置の適用可否は、実体要件を満たしているか否かのみで判断されるものではない。確定申告書に「適用額明細書」を期限内に正確に添付しているかどうかが、実務上では重視される。税務ソフトを利用している場合であっても、この点を軽視すれば、本来受けられたはずの税制上の恩恵を失うリスクがある。平成22年度税制改正により制定された「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律」(いわゆる租特透明化法)は、法人税関係の特別措置について、その内容及び適用額を「適用額明細書」によって明らかにすることを義務付けた。法人税額または所得金額を減少させる効果を有する特別措置の適用を受ける場合には、当該明細書を確定申告書に添付し、申告期限までに提出しなければならない。これを欠いた場合、あるいは虚偽の記載がある場合には、原則として当該租税特別措置の適用は認められない。実務上問題となりやすいのが、税務ソフトを利用しているケースである。多くの税務ソフトでは、別表の入力内容に応じて適用額明細書が自動生成されるため、「作成している」という意識を持ちにくい。しかし、前提となる別表の入力漏れや設定誤りがあれば、明細書自体が作成されない、あるいは内容が不完全なまま作成されることになる。その結果、形式要件を欠くものとして、税務調査等で租税特別措置の否認を受ける可能性がある。特に注意を要するのが、法人税額の特別控除制度等における「当初申告要件」である。これは、特別措置を受けるために、控除額の計算の基礎となる事項を記載した別表その他の書類を、確定申告書の提出期限までに提出することを求める要件である。当初申告要件を満たさない場合、後日、更正の請求を行っても、当該特別措置を受けることはできない。e-Taxに対応していない別表や明細書等が存在する場合には、適用額明細書も提出もれが生じやすいため、特に注意を要する。さらに、令和4年度から導入されたグループ通算制度においては、各通算法人が個別に法人税申告を行うため、適用額明細書も法人ごとに添付する必要がある。親会社側で一括管理しているつもりでも、子法人単位での添付漏れがあれば、その法人については特別措置が否認される可能性がある点に留意すべきである。このように、租特透明化法は、「特別措置の適用を受ける以上は適正に手続せよ」ということを明確に求めている。税務ソフトの自動処理に過度に依存することなく、申告期限前に、適用している租税特別措置と対応する適用額明細書が正しく作成・添付されているかを、必ず人の目で確認することが、実務上不可欠である。(参考)国税庁HP「適用額明細書の記載の手引」(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/tekiyougaku/r05.htm)国税庁「いわゆる当初申告要件及び適用額の制限の改正について」(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/120229/pdf/01.pdf)提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2025/12/22
居住者か非居住者かの税務判断
所得税における「居住者」か「非居住者」かの区分は、課税範囲に直結する極めて重要な判断項目である。「居住者」に該当すれば、その者の全世界所得が課税対象となり、非居住者に該当すれば、国内源泉所得にのみ課税される。この判定は、所得税法2条1項3号に基づいて行われる。同号では、「居住者」とは「国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人」と定義されている。この「住所」とは、単なる住民票や海外転出届の提出といった形式的な事実を意味するのではなく、その者の生活の本拠、すなわち生活中心が日本にあるか否かを実質的に判断するものである。よって、住民票が日本から抹消されていたとしても、生活実態から居住者と認定される可能性は否定できない。近年のグローバル化の進展により、海外と日本を往来しながら仕事や生活を営む者が増加している。これにより、「生活の本拠」がどこにあるかの判断が複雑化しており、単純に滞在日数の多寡によって判断することができないケースが増えている。例えば、納税者自身が海外に長期滞在していたとしても、日本に家族が居住し定期的に帰国している場合や、日本法人の経営に深く関与しているような場合には、日本を生活の本拠と評価され得る。このような点をめぐって争われた判例として、東京地裁令和5年4月12日判決(税務訴訟資料第273号順号13841)(注1)がある。この事案では、住所をシンガポールに移していた納税者に対して、国税当局は国内滞在日数、住居の使用実態、職務内容等から「居住者」と認定し課税処分を行った。これに対し裁判所は、平成25年分及び26年分については「居住者」と認定した一方、平成27年分は「非居住者」であると判断した。注目すべきは、判定を年単位で分けた点である。この判決は、居住者・非居住者の判定が、単一の形式や基準に基づいて容易に判断できる性質のものではなく、個々の実態に即した検証が求められることを示している。所得税法2条1項3号の条文自体は一見シンプルであるが、実務上は滞在実績、生活拠点、家族構成、職務関与の実態など、さまざまな要素を総合的に評価する必要がある。海外との往来が常態化している納税者においては、年ごとの状況を的確に整理し、課税当局に対して生活実態を説明し得る証拠を備えておくことが極めて重要である。<注釈>https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/soshoshiryo/kazei/2023/pdf/13841.pdf提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2025/12/15
非居住者の令和7年度税制改正対応
令和9年1月提出分から、法定調書の電子提出義務の対象が拡大される。現行では、前々年に調書を100枚以上提出した場合は、調書の電子提出が義務づけられているが、この基準が新制度では「30枚以上」に引き下げられる予定である(注1)。なお、令和8年1月提出分は現行ルールが適用される。この見直しは、税務手続のデジタル化を推進するものであり、対象となる事業者には早めの対応が求められる。電子提出の手段としては、e-Tax、光ディスク、または国税庁が認定したクラウドサービスが利用可能であり、紙提出は原則認められない。「30枚以上」の判定は、法定調書の種類ごとに判定されるため、給与所得の源泉徴収票や報酬等の支払調書ごとに、前々年の提出実績を確認する必要がある点に注意が必要である。国税庁によれば、法定調書の電子提出率は76.6%に上る(注2)。e-Taxソフト(WEB版)はインストール不要で、主要な調書の作成・送信がブラウザ上で行うことができる。Excelで管理している事業者は、国税庁の「CSVファイル等作成・分割ツール」の活用を選択肢に入れたい。光ディスク等で提出も可能ではあるが、e-Taxソフト(WEB版)では、CSVファイルを読み込んで電子署名を付与するだけで提出できる。ただし、CSV形式では、コンマ位置のズレなどにより、読み込み時にエラーが発生しやすく、実務ではベンダー製の調書作成ソフトや給与計算ソフトを利用するケースが主流である。これらのソフトでは、フォーマット整合やエラーチェックが自動で行われるため、安定した提出が可能である。また、源泉徴収票の提出手段として、eLTAX活用も挙げられる。eLTAXで市区町村への給与支払報告書を作成しながら、税務署への源泉徴収票提出も一括処理が可能な仕組みがある(注3)。義務化まで残された期間は約1年であるが、該当する事業者は、提出方法の確認やソフトウエアの見直し、体制整備など、早目の対応が求められる。<注釈>https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hotei/hikari_gimu.pdfhttps://www.nta.go.jp/publication/pamph/hotei/teishutsu_tirashi.pdfhttps://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/eltax.htm提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2025/12/08
地震保険料控除の要点
地震保険料控除とは、地震保険に加入している場合に支払った保険料の一定額を、所得税および個人住民税の所得から控除できる制度である(注1)。平成19年分から従前の損害保険料控除が廃止され、新たに地震保険料控除が設けられた。地震リスクへの自助努力を税制で後押しする趣旨であり、制度開始以降も各地で大規模地震が発生していることを踏まえ、その役割は大きい。地震保険料控除の対象となる契約は、納税者本人または納税者と生計を一にする配偶者その他の親族が所有する自宅や生活用動産(家財)を補償対象とする地震保険契約である。対象は「常時居住の用に供する」家屋および生活用動産に限定され、別荘などは原則として対象外である。店舗併用住宅など居住用と事業用が混在する場合は、居住用部分のみが控除対象となる。保険証券等に区分表示がないときは、所得税基本通達77-5の算式により居住用相当額を按分する。家屋全体の約90%以上を居住用に供する場合は77-6により全額を居住用分として差し支えない(注2)。所得税の地震保険料控除額は、当年中に支払った地震保険料の全額(上限5万円)である。旧長期損害保険料については段階計算により最大1万5千円を控除でき、両者がある場合は合算して上限5万円までの控除となる。個人住民税では、支払った地震保険料の1/2(上限2万5千円)とされ、旧長期損害保険料がある場合は合算して上限2万5千円までの控除となる。複数年の地震保険料を一括払いした場合は、その年分に相当する額が控除対象となる。例えば、5年分の保険料10万円を一括払いした場合、各年の控除対象保険料は2万円となる。年末調整で控除を受けるには、「給与所得者の保険料控除申告書」に保険料控除証明書を添付または提示する。保険会社等から電子データ(XML形式)で控除証明書等を受領した場合は、年末調整控除申告書作成用ソフトウエアや勤務先指定のソフトウエアを使用して電磁的に提出することができ、必要に応じて、「QRコード付証明書等作成システム」で書面を出力して提出することも可能である(注3)。確定申告においては、マイナポータル連携を利用すれば、対応する発行主体の電子的控除証明書データを一括取得し、申告書の該当欄に自動入力させることができる(注4)。発行主体が連携対象であること、事前設定が必要であることを確認のうえ活用したい。<注釈>https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1145.htmhttps://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/16/04.htmhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/koujyo.htmhttps://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/mynumberinfo/mynapo.htm提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2025/12/01
国外居住親族に係る扶養控除等の適用について
国外居住親族に係る扶養控除をめぐっては、会計検査院が平成25年度決算検査報告において、国内扶養親族とは異なり、要件充足の確認が十分でないまま多数の国外扶養親族について扶養控除等が適用されている事例があると指摘した。この点を踏まえ、平成27年度税制改正では、公平性と制度の実効性を確保する趣旨から、国外居住親族に関する扶養控除等の適用を受ける際には、確定申告や年末調整において、親族関係書類および送金関係書類を添付または提示することが義務付けられた。現行制度では、給与等の支払を受ける居住者が源泉徴収や年末調整に際し、国外居住の親族について扶養控除等を受ける場合、当該親族の氏名、生年月日および続柄を証する親族関係書類に加え、その年中に生活費または教育費として支払をした事実を明らかにする送金関係書類を提出しなければならない。これらの書類は各人別に用意する必要があり、複数名分の費用をまとめて送金している場合や第三者経由で資金が渡っている場合には、控除要件を満たさない取扱いがなされている。しかし、実務では、海外の経済制裁や金融制度の制約により、正規の国際送金が困難な国も存在する。その典型例として、イランに居住する親族を扶養していた納税者の事例が挙げられる。イランでは経済制裁の影響により、国送法金融機関を通じた国際送金が事実上不可能とされ、日本に居住する親族や友人が帰国時に現金を持ち帰り、それを現地で配分したり、イラン国内の銀行口座から親族に送金したりする方法が採られる場合がある。しかし、このような方法では、国送法金融機関を通じた送金関係書類が得られないことから、税務署が当該書類の提出または提示が無いことを理由に扶養控除等を否認した事例が存在する。この事例では、納税者が課税処分の取消しを求めて提訴し、東京地方裁判所は「送金関係書類以外で代替的に立証することは法令に照らして認められない」と判断したとされる。送金が困難である事情が存在しても、法令が要求する書類による立証を緩和する根拠はなく、書類の提出がなければ扶養控除は適用されないという制度趣旨が明確に示されたものといえる。本件は現在、東京高等裁判所で審理が続けられているが、現行制度の厳格な運用を改めて確認する事例として注目される。国外居住親族が関係する場合、送金関係書類の有無は実務上の最重要ポイントである。事業者には、年末調整において関係書類の確認を確実に行い、制度の趣旨を踏まえた適正な対応を行っていただきたい。(参考)国外居住親族に係る扶養控除等の適用についてhttps://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/kokugai/index.htm提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2025/11/17
非居住者の令和7年度税制改正対応
既報のとおり、令和7年度税制改正により、所得税の基礎控除額は現行の48万円から58万円へと引き上げられるとともに、所得水準に応じて最大37万円が加算される新たな仕組みが導入される。また、親族関係等に応じて控除を拡充する「特定親族特別控除」も創設された。これらの制度改正は、居住者を前提とした制度であるため、年の途中で出国し非居住者になる者や日本において申告が必要な非居住者については、その適用に特段の注意が必要である。1年の途中で海外勤務等により非居住者となる場合令和7年11月30日以前に国外転出し、日本国内に住所または居所を有しなくなると、その日以後は非居住者となる。この場合、出国時点では税制改正の施行前であるため、年末調整において改正後の控除額を適用することはできない。したがって、改正後の控除額を適用するためには、次のいずれかの方法により対応する必要がある。出国時までに準確定申告書を提出した場合令和7年12月1日から令和12年12月2日までに更正の請求を行う。上記⑴以外の場合令和7年12月1日以後に準確定申告書等を提出する。なお、納税管理人の選任届出書の提出を行って国内に住所等を有しないこととなった者は、「年の中途で出国をする場合の確定申告」に係る準確定申告を行うことはできない。この場合は、通常の確定申告と同様の方法によることとなる。また、確定申告義務がある者は、国内に住所等を有しなくなる時までに準確定申告書又は納税管理人の選任届出書の提出をする必要があることに留意する。2非居住者の基礎控除額非居住者であっても、日本国内において不動産賃貸等の国内源泉所得を有し、納税管理人を通じて確定申告を行う場合には、基礎控除の適用が認められる。この場合の基礎控除額は改正後の上限額58万円(合計所得金額2,350万円以下の場合)である。所得水準に応じて最大37万円を上乗せする特例については、居住者のみを対象とするため非居住者は適用対象外となる。なお、年の途中で非居住者となった場合には、非居住者となる前の居住者期間を有するため、納税管理人を通じて確定申告を行う場合、合計所得金額に応じて上乗せ特例が適用されることに留意する。(参考)令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&Ahttps://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0025005-051.pdf提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2025/11/17
税理士は税務調査を拒否できるのか
税務調査は、納税者に質問検査権への受忍義務を課すものであり(国税通則法第74条の2)、正当な理由なく拒否することはできない。調査の妨害や拒否は、同法第127条の罰則の対象となる場合もある。では、税理士が代理人として調査を拒否した場合、その行為はどのように評価されるのか。本件の判断を示すものとして、令和元年11月21日東京地裁判決(税務訴訟資料第269-120、順号13343)(注1)および令和2年12月24日東京高裁判決(順号13441)(注2)がある。国税当局が無予告で遊技場を経営する法人の事務センターに臨場した際、税理士は「事前通知がなく違法である」と主張し、調査への協力を拒否した。さらに、国税通則法第74条の10の適用根拠を文書で回答するよう求め、回答がない限り調査に応じないとした。調査官が敷地内に入ろうとすると「職権乱用・不法侵入の可能性がある」として退去を求めるなど帳簿の提示を拒み続けた結果、消費税の仕入税額控除が否認された。国税通則法第74条の10は、事前通知を要しない場合を定めた規定であり、無予告調査は法に基づく正当な手続である。事前通知省略の理由を文書で説明すべき法的義務もなく、事前通知がないことを理由に調査を拒否することは許されない。やむを得ない事情がある場合は日程調整を申し出るなど、冷静な協議による対応が求められる。本件では、調査担当者が繰り返し対応を求めたにもかかわらず、納税者に応じ難い合理的理由はなかったと認定され、帳簿を調査官が閲覧できる状態で保存していなかったとして、消費税法第30条第7項にいう「帳簿等を保存しない場合」に該当すると判断された。帳簿の存在そのものではなく、「提示可能な保存状態」にあるかどうかが問われた。納税者は「税理士の指導に従っただけ」と主張したが、裁判所はこれを退けた。帳簿の保存・提示は、申告納税制度における事業者自身の義務であり、税理士の誤った判断に依存しても免責されないとされた。もし税理士が当初から調査に協力し、納税者にも誠実な対応を促していれば、控除否認という結果は避けられた可能性が高い。本件は、税理士法第1条に定める「納税義務の適正な実現」という使命を改めて問い直すものである。調査への協力は、依頼者の権利を守るための行為であり、拒否は依頼者に深刻な不利益をもたらす。税理士は、法令を的確に理解し、依頼者の利益を長期的視点で守る判断が求められる。<注釈>https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/soshoshiryo/kazei/2019/pdf/13343.pdfhttps://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/soshoshiryo/kazei/2020/pdf/13441.pdf提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2025/11/10
令和7年分年末調整における改正点と実務上の留意事項
令和7年分の年末調整では、基礎控除および給与所得控除の引き上げ、ならびに「特定親族特別控除」の創設が大きな改正点となっている(注1)。これらの改正により、年末調整事務は例年以上に確認作業が増加し、扶養控除等申告書の再提出や新たな申告書の提出が必要となる場合があるため、早期の準備が求められる。また、これらの改正は令和7年12月1日施行であるため、12月1日以降に行う年末調整から適用される点にも注意が必要である。まず、基礎控除は従来の一律48万円から段階的な控除制度に改められ、合計所得金額に応じて58万円から95万円の範囲で適用されることとなった。これに連動して、扶養控除や配偶者控除の所得上限も48万円から58万円に引き上げられている。さらに、給与所得控除の最低保障額も55万円から65万円に引き上げられ、全体として所得控除体系の見直しが図られている。次に、新たに設けられた「特定親族特別控除」であるが、これは学生世代などの若年層を扶養する家庭を支援する目的で設けられたものである。特定親族を有する場合、その特定親族の合計所得金額に応じて最大63万円を控除することができる。特定親族とは、次の3つの要件をすべて満たす者をいう。19歳以上23歳未満であること納税者と生計を一にする親族であること合計所得金額が58万円超123万円以下であること年末調整において、従業員が特定親族特別控除の適用を受ける場合は、「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼給与所得者の特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書(注2)」を勤務先に提出する必要がある。原則として令和7年12月1日以後、最初に給与の支払いを受ける日の前日までに提出することとなっているが、年末調整に間に合わない場合も想定されるため、12月1日以前に提出しても差し支えないとされている(注3)。また、国税庁が公表した新しい源泉徴収簿の様式では、特定親族に関する記載欄が余白欄に追加されている。しかし、使用している給与計算ソフトが改正内容に対応していない場合もあるため、その際には余白欄に控除額を手書きで記載するなどの実務対応が求められる(注4)。改正に伴う注意点としては、扶養親族の所得要件引上げにより、新たに控除対象となるケースが生じ、扶養控除申告書の再提出が必要となる可能性が挙げられる。また、申告書に記載された所得の見積額が実際とは異なっていた場合や、他の所得者との重複控除が判明した場合には、年末調整のやり直しや確定申告での是正が必要となる。そのため、従業員への周知と記載内容の確認を早期に行う体制づくりが必須である。<注釈>https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index.htmhttps://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/2025bun_06.pdfhttps://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0025005-051.pdfhttps://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/2025bun_03.pdf提供:株式会社日本ビジネスプラン
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