税務デイリーニュース
税務に関する最新のニュースを毎日お届けします。
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2026/01/08
「経営者保証改革プログラム」に関するアンケート調査結果の公表
金融庁は、12月19日、「経営者保証改革プログラム」に関するアンケート調査結果を公表した。金融庁は、経営者保証に依存しない融資の促進に向けて、令和4年12月に「経営者保証改革プログラム」を策定・公表しているが、この度、各金融機関の取組状況等を確認するため、アンケート調査を実施し、その結果をとりまとめ公表した。この調査は、2025年6月19日から9月19日にかけて、全502の金融機関に対してアンケート調査を実施し、アンケート調査の結果等を踏まえて金融機関の取組状況を分析したものとなっている。分析結果は、金融機関における態勢整備、「経営者保証に依存しない融資」のメリットとデメリット、「経営者保証に依存しない融資」の取組の進捗等にまとめられており、金融庁では、この分析結果をふまえ、金融機関が顧客企業との接触を通じて、経営者保証改革プログラム及び監督指針を踏まえた説明・記録の対象となっていない顧客企業に対しても、保証契約の必要性や今後の改善可能性について説明することは十分に可能と考えられ、各金融機関のリソースや顧客企業との関係性に応じて係る取組を進めていくことが期待されるとしている。金融機関における態勢整備「経営者保証改革プログラム」の策定・公表から3年が経過し、無保証融資や説明・記録の取組のみならず、その着実な実施に必要な態勢整備についても、多くの金融機関で着実に実施されており、金融庁では、態勢整備が未だ十分でない金融機関に対しても、引き続き、個別ヒアリング等を通じて取組強化を促していくとしている。アンケート調査によれば、保証契約の必要性等を記録する態勢では、特段記録について特定の運用を定めていないと回答した金融機関は1.4%にとどまっており、保証人等への説明プロセスについては、説明については特段の定めはなく、営業担当者の運用に任せていると回答した金融機関は11.5%、説明・記録に係る内部モニタリングでは、11.7%の金融機関が特段モニタリングは行っていないと回答しており、大半の金融機関では、態勢の整備が行われていることがわかる。「経営者保証に依存しない融資」のメリットとデメリット保証の必要性についての真摯な検討の促進や安易な保証徴求の減少をはじめ、9割以上の金融機関が、「経営者保証に依存しない融資」の促進を通じてポジティブな効果があったものと評価しており、経営者保証解除によるデメリットは、4割の金融機関が「なし」と回答している。「経営者保証に依存しない融資」の取組の進捗「経営者保証改革プログラム」をはじめとする取組を進めてきた結果、新規融資件数に占める「経営者保証に依存しない融資」の割合は2024年度に5割を超過している。保証の必要性等の説明・記録の取組の進捗従来の監督指針の改正により、2023年4月以降の新規融資に係る個別の保証契約及び既存の根保証契約については、その必要性や解除の可能性等に係る説明・記録を求めており、2025年度上期の新規融資件数に占める「経営者保証に依存しない融資」件数と「有保証融資のうち適切な説明を行い記録した融資」件数との合計の割合は、99.8%に達している。(参考)「経営者保証改革プログラム」に関するアンケート調査の結果についてhttps://www.fsa.go.jp/news/r7/ginkou/20251219-2/20251219-2.html
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2026/01/07
知的財産活用事例集「知恵を『稼ぐ力』に~100社の舞台裏~」累計100社の事例を公開
東京商工会議所・日本商工会議所は、12月19日、知的財産活用事例集「知恵を『稼ぐ力』に~100社の舞台裏~」について、10社の新たな取り組み事例をHPに公開した。10社の取組事例の追加公開により、事例公開数は累計100社となった。物価高や価格転嫁難に伴う企業収益の圧迫、人手不足等が深刻化する中、中小企業が賃上げや新たな成長に向けた投資に挑戦するには、取引適正化・価格転嫁の推進とともに、付加価値を生み出すイノベーションの源泉である知的財産を活用した経営(知財経営)を通じた「稼ぐ力」の向上が不可欠となっている。この事例集では、中小企業の経営者等が「知財の活用=稼ぐ力」であることを認識し、自らも知財経営を進める契機とすることを目的に、「知財経営」を実践する全国の中小企業等の事例を取材し、知的財産権の取得に至ったきっかけや、取得までの過程、これから知財活用に取り組む企業に向けたメッセージなどを紹介している。東京商工会議所・日本商工会議所では、今後は2026年2月17日に事例集(デジタルブック)の発行を予定しており、同日には、知的財産活用事例集発行記念シンポジウム「中小企業の知恵を『稼ぐ力』に」を東京商工会議所渋沢ホールで開催することを予定している。また、この事業の公式Xのアカウント(アカウント名:100社取材の舞台裏、@chizaibackstage)では、取材時のインタビューの様子の動画・写真等を順次公開していく予定としている。事例を公表している企業のうち7割は、製造業であるが、建設業、サービス業、小売業、卸売業、情報通信業等の業種についても公開されている。また、製造業その他で従業員数20人以下、商業・サービス業で従業員数5人以下の小規模事業者の事例についても44社の事例が公開されている。取得している知的財産権では、商標が最も多く95件、特許権が77件、意匠が37件となっている。事例の公表内容は、公表企業の事業内容、取得している知的財産権の種類と内容、知的財産権取得の苦心点、知的財産権取得を目指す経営者へのメッセージ、知的財産権活用のポイントとなっており、どのように知的財産権を経営に活かせばよいか参考となる内容となっている。公表数は多くはないが、サービス業やその他の業種(未来ギフト実行委員会、(一社)宮古観光文化交流協会、松田果樹園、防府商工会議所、みなみ信州農業協同組合)では、商標の取得を効果的に経営に結び付けており、商標や意匠は、小規模事業者でも活用が図られている(商標取得小規模事業者45%、意匠取得小規模事業者51%)。(参考)知的財産活用事例集「知恵を『稼ぐ力』に~100社の舞台裏~」累計100社の事例を公開しました!https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1208258
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2026/01/06
「ふるさと納税」制度の廃止を含めた抜本的な見直しに関する共同要請
東京都は、12月4日、特別区長会、東京都市長会及び東京都町村会と連携し、国に対して「ふるさと納税」制度の廃止を含めた抜本的な見直しに関する共同要請を行った。この共同要請では、現在の制度が、ふるさと納税の当初の創設目的から大きく逸脱し、下記のような状況になっているとしている。・返礼品目的のいわば官製通販となっている。現状、自治体の多くは、過熱する一方の返礼品競争に巻き込まれ、地域のあり方を改めて考える暇もなく、より多くの寄附を集めるパイの奪い合いに注力せざるを得ない状況となっている。・自治体間での寄附受入額の格差と仲介サイト委託料などの多額の経費を要している。人気のある地場産品の有無など競争力の違いから、自治体間での寄附受入額の格差が顕著となっているほか、寄附先の自治体において、仲介サイト委託料など多額の経費が生じており、令和6年度の寄附受入額1兆2,728億円に対し、自治体が活用できる額は、6,826億円程度と、寄附受入額の5割程度にとどまっている。・地方交付税全体の財源を圧迫している。どの地域に住む国民にも一定の行政サービスが提供できるよう財源保障するための地方交付税を用いた減収額の一部補塡は、地方交付税全体の財源を圧迫しており、ふるさと納税制度は、我が国全体の行政サービスとして使われるべき財源を縮小させる制度に他ならず、制度の意義や目的から大きくかけ離れたものとなっている。上記の状況を踏まえ、下記事項の見直しを求めている。1.住民税控除額のうち、特例分の上限を所得割の「2割」から以前の「1割」に戻すとともに、控除額に定額の上限を設けること。2.募集に要する費用の上限を寄附金の額の合計額の「100分の50」から縮小を図ること。特に返礼品経費の上限については、「1000分の30」から更なる縮小を図ること。3.「手続きの簡素化」という名目で、一方的に所得税控除分を地方自治体に肩代わりさせているワンストップ特例制度について、既にマイナポータル連携による確定申告が開始されている現状を踏まえ、速やかに廃止すること。廃止までの間の地方自治体の税収減分については、全ての地方自治体に財源を措置すること。東京都では、この要請にあわせて、「「ふるさと納税」についてもう一度考えてみませんか?」というウェブサイトを更新し、「ふるさと納税」により東京都民の税金が流出していること(令和7(2025)年度の減収額は2,161億円(都民税862億円、区市町村民税1,299億円)、これまでの累計は1兆1,593億円)や「ふるさと納税」の問題点についても記載をしている。(参考)「ふるさと納税」制度の廃止を含めた抜本的な見直しに関する共同要請についてhttps://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2025/12/2025120503
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2026/01/05
「地方税制のあり方に関する検討会報告書」の公表
総務省は、令和7年11月21日「地方税制のあり方に関する検討会報告書」を公表した。この報告書では、道府県民税利子割の課税団体とあるべき税収帰属地との乖離が生じている状況に対応するための方策についての検討と地方公共団体間の税収の偏在や財政力格差に係る原因・課題の分析等が行われている。報告書のうち、地方公共団体間の税収の偏在や財政力格差に係る原因・課題の分析についての概要は下記のとおりである。1.地方公共団体の税財政や行政サービスの現状⑴地方税収の現状・全国の税収に占める東京都の税収(都及び市区町村の合計)のシェアは17.6%となっている。⑵地方財政の現状・地方税収の増加に伴い、不交付団体は財源超過額が増加しているが、交付団体は地方税収が増加しても、一般財源の増加は限定的となっている一方で、東京都の財源超過額は、4年連続で増加しており、令和7年度は約2兆円で過去最高となっている。⑶地方公共団体の行政サービスの現状・東京都は近年、所得制限を設けない住民への直接的な給付サービスなど様々な行政サービスを実施している。2.人口動態及び経済社会構造の変化⑴人口動態・我が国の総人口が減少を続ける一方、東京都の人口は増加し、総人口に占めるシェアが上昇し続ける見込みであり、令和6年は、10代と20代を合わせて約10万人の転入超過となっており、若年層が進学や就職を契機に東京都に転入する傾向にある。⑵法人の事業活動・組織形態の変化(法人の事業活動・組織形態の変化)・大法人の本社や、本社を支援する産業(情報通信業、金融業など)の東京都へ集積している。(地方法人課税)・一の都道府県のみに納税する法人(非分割法人)のうち、東京都のみに納税する法人の税収シェアが大幅に増加し、また、複数の都道府県に納税する法人(分割法人)においても、支店の統廃合や東京本社の従業者数の増加により、東京都に分割される税収が増加している。⑶地価の動向と都市開発の進展(地価の動向と都市開発の進展)・海外からの投資やインバウンドの影響、再開発事業の進捗、限られた土地資源の中での土地利用者の需要の競合等により特別区の地価が上昇している。(土地に係る固定資産税)・東京都や特別区が提供する行政サービス以外の要因によっても地価が上昇し、東京都が課税する特別区の税収シェアが拡大している。3.東京一極集中がもたらす課題と税収の偏在是正の必要性⑴東京一極集中がもたらす課題①経済活動の東京一極集中の進展・経済社会構造の変化が今後も進行すれば、東京都への税源の偏在が一段と拡大し、他の道府県と比べ東京都の地方税収が大きく増加すると考えられる。②行政サービスの地域間格差の拡大・地方公共団体が行う独自施策等に充てられる財源の各都道府県の人口一人当たりの額が東京都(28.1万円)は他道府県の平均(7.8万円)の約3.6倍となっている。⑵税収の偏在是正の必要性・東京都の財源超過額は既に過去最高となっており、現状の地方公共団体間の財政力格差を放置すれば、財政力格差が拡大する蓋然性が高く、地方公共団体間の財政力格差の是正を図るべく、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系を構築するための具体的な方策を講じるべき、としている。(参考)「地方税制のあり方に関する検討会報告書」の公表https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zeimu02_02000439.html
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2025/12/26
国税庁 「令和6事務年度における所得税及び消費税調査等の状況」を公表
国税庁は12月11日、「令和6事務年度における所得税及び消費税調査等の状況」を公表した。令和6事務年度においては、選定にAIを活用するなど、効率的かつ的確に調査等を行った結果、「調査等」による追徴税額の総額は1,431億円となり、過去最高となっている。「実地調査」と「簡易な接触」を合わせた「調査等」の合計件数は、73万6千件(前事務年度60万5千件)、うち申告漏れ等の非違があった件数は36万9千件(同31万1千件)、申告漏れ所得金額は9,317億円(同9,964億円)、追徴税額は1,431億円(同1,398億円)となっている。所得税のうち譲渡所得に係る調査等の件数は、1万6千件(同1万7千件)、うち申告漏れ等の非違があった件数は1万3千件(同1万3千件)、申告漏れ所得金額は1,541億円(同1,460億円)となっている。消費税(個人事業者)の調査等については、簡易な接触を活用して幅広く対応した結果、「調査等」の件数は前年から1.5倍に増加し、18万5千件(同12万件)、うち申告漏れ等の非違があった件数は10万1千件(同7万8千件)、追徴税額421億円(同423億円)となっている。また、主要な取組として、富裕層に対する調査、海外投資等を行っている個人に対する調査、インターネット取引を行っている個人に対する調査、無申告者に対する調査、消費税の還付申告者に対する調査、所得税の不正還付申告書の調査の6点を挙げている。富裕層に対する調査の1件当たりの追徴税額は855万円となっており、所得税の実地調査(特別・一般)全体の299万円に比べ2.9倍となっている。海外投資等を行っている個人に対する調査については、1件当たりの追徴税額は866万円となっており、所得税の実地調査全体に比べ2.9倍となっている。インターネット取引を行っている個人に対する調査について、暗号資産等取引を行っている個人に対する調査における1件当たりの追徴税額は745万円、所得税の実地調査全体に比べ2.5倍となっている。(参考)「令和6事務年度における所得税及び消費税調査等の状況」https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/shotoku_shohi/index.htm
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2025/12/25
特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律に基づく指導等について
公正取引委員会は、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)の違反被疑事実に関する情報収集を積極的に行っている。その一環として、令和6年度において、問題事例の多い業種に係る発注事業者3万名を対象に「フリーランスとの取引に関する調査」を実施したほか、同法の規定に違反する事実があるとして同委員会に申出がされたことにより得られた情報などを踏まえ、フリーランスとの取引が多い業種である放送業及び広告業の事業者について集中的に調査を行った。その結果、令和7年10月までの間に128名の事業者に対して、契約書や発注書の記載、発注方法、支払期日の定め方等のほか、報酬の額の決め方、給付内容の変更、やり直しに係る費用負担等の禁止行為についての是正を求める指導を行い、指導内容について12月10日に公表した。指導の対象となった事例として、取引条件の明示義務(第3条)については、「業務委託をする際に取引条件を明示していなかった」、「一定期間共通の取引条件(共通事項)との関連性を個々の発注時に明示していなかった」、「譲り受ける知的財産権の譲渡・許諾の範囲を明示していなかった」などがある。次に期日における報酬支払義務(第4条)については、「請求書を提出した日を基準に支払期日を設定していた」、「自社の事務処理遅れを理由に、支払期日より後に報酬を支払っていた」、「受入検査に合格した日を基準に支払期日を設定していた」などがある。発注事業者の禁止行為(第5条)については、「自社の予算や規定を基準にして報酬の額を一方的に決定した」、「コスト上昇を理由とした報酬引き上げ要請に対し、理由を記録に残る方法で回答することなく従来どおりの報酬の額に据え置いた」などがある。また、同法施行後、同法第5条(買いたたきの禁止、報酬の減額の禁止など)に係る相談対応や指導等を行ってきたところ、法運用の透明性及び事業者の予見可能性を確保するため、これまでの運用を踏まえ、同法第5条の各規定に関する留意点として、「イベント中止に伴う直前キャンセルの場合」、「報酬を特定受託事業者の銀行口座に振り込む場合」、「単価を引き下げる単価改定を行い新単価を適用する場合」を取りまとめている。(参考)「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律に基づく指導等について」https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2025/dec/251210_fl_shido.html
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2025/12/24
日銀 地域経済報告「地域企業の設備投資の動向と最近の変化」を公表
日本銀行は12月9日、地域経済報告(さくらレポート)「地域企業の設備投資の動向と最近の変化」を公表した。設備投資は企業収益が高水準を維持するもとで緩やかな増加傾向にあり、輸出ウェイトが高い企業を中心に各国の通商政策により企業収益が相応に下押しされており、企業の設備投資スタンスに影響を及ぼす展開も想定される。同行では地域企業に対して、最近の設備投資の動向などについてヒアリング調査を実施し、結果は以下のとおりである。地域企業の最近の設備投資の動向として、多くの地域企業で、様々な下押しのリスク・制約がありつつも、先行き経営環境が変化し続けることを見据え、中長期的な視点に立って、設備投資を着実に進めている姿が確認され、具体的な投資内容としては、「能力増強・研究開発投資」、「高付加価値化投資」、「ソフトウェア・省力化投資」が多かった。一方、設備投資を下押しするリスク・制約を指摘する声として、「各国の通商政策の影響による不確実性や企業収益の悪化」、「店舗・設備の稼働人材などの不足」などがある。設備投資を巡る最近の特徴的な変化点としては、次の3点が挙げられている。第1に、労働力の不足が量・質の両面で深刻化するもとでも、事業を発展させていくために、AI等のデジタル技術の活用を含めた省人化投資が拡大している。その背景として、人手不足の解消が中長期的にも見込みにくいとの見方が広がっていることなどがある。第2に、事業活動に要する様々なコストが上昇し続けるもとでも、一定の収益を確保できることを目指した投資が拡大している。効率性・収益性を改善させる合理化投資や生産性向上投資などもみられた。その背景として、事業コストが先行きも広範かつ持続的に上昇するとの見方が広がっていることなどがある。第3に、投資の実行可否を決める判断にも変化がうかがわれる。建設費など投資費用の上昇が先行きも続くことを見越し、投資判断を前傾化する動きや、投資費用等が上昇しても、差別化・高付加価値化などを通じた値上げによる将来の収益確保や需要拡大を見据えて、投資判断を積極化する動きがみられた。こうした動きは、長年続いた賃金・物価が上がりにくいことを前提とした慣行や考え方が変化し、前向きな企業の投資行動が増えていることを示唆している。(参考)「地域経済報告(さくらレポート)地域企業の設備投資の動向と最近の変化」https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/rerb251209.htm
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2025/12/23
経団連 「持続的な成長に向けたコーポレートガバナンスのあり方」を公表
経団連(一般社団法人日本経済団体連合会)は、12月8日に意見書「持続的な成長に向けたコーポレートガバナンスのあり方」を公表した。コーポレートガバナンス(企業統治)とは、企業経営を管理監督する仕組みのことであり、不正や独善を防ぎ、透明で公正な経営を通じて企業価値を向上させることを目的としている。わが国でも政府が「「日本再興戦略」改訂2014」で成長戦略のひとつとしてコーポレートガバナンスの強化を位置付け、2015年6月に上場企業の企業統治におけるガイドラインとすべき原則・指針「コーポレートガバナンス・コード」(以下「ガバナンス・コード」)の適用が開始された。意見書ではガバナンス・コードの制定から10年を経て、「持続的な成長と中長期的な企業価値の向上」を実現するコーポレートガバナンスの本質を踏まえ、企業と株主・投資家のそれぞれにおける課題・果たすべき役割について、経団連の考え方を示し、経営者のマインドセット(物事の捉え方、判断基準)の変革を促すとともに、政府への提言を行っている。コーポレートガバナンス改革を踏まえた今後の課題及び提言は以下のとおりである。1企業(事業会社)の課題企業は短期的な経営指標の改善、株主への還元拡大や目先の資本効率など目先に捉われており、研究開発、設備投資、新規事業など中長期的な価値創造への投資が伸び悩んでいる。経営者は、自社のパーパス(目的)と長期的な成長を経済的価値・社会的価値の両面から価値創造ストーリーとして明示し、積極的に成長への投資に取り組むべきである。また、ガバナンス・コードは企業の創意工夫による自律的経営を支える枠組みであり、企業行動の制限や特定の政策目的の実現手段として用いるべきでないとしている。2株主・投資家の課題企業と株主・投資家が「共創者」としての役割を果たすことが重要であり、株主・投資家が取り組むべきことについて主体別に分け、アセットオーナー・アセットマネージャーは中長期の企業価値向上のための対話(短期的な株価変動に左右されない対話等)などの定着、議決権行使助言会社は実質的な企業理解に基づく助言などの実施、ESG評価機関・データ提供機関は分析結果等の透明性や説明責任の明確化などを検討すべきである。3株主総会や開示、株主権等の課題企業と株主・投資家の関係が多様化し、株主総会の運営、開示内容・手法、株主権限などについて抜本的な見直しが必要となる段階にある。特に、近年、株主提案の件数が著しく増加し、対応する企業の負担も増大しており、企業の規模等を問わず議決権を300個有していれば株主提案権を有するという現行制度は廃止すべきである。わが国のコーポレートガバナンス改革は途上にあり、実質的な経営改善へと結びつけていくための環境整備が今後の課題である。改革の目的は、健全で持続的な経済成長を支える企業行動を定着させることである。そのため、制度横断的な見直し、企業負担の軽減、規則の見直しなど企業が自律的かつ柔軟に成長を果たせるような制度設計が必要であり、企業・投資家・制度がそれぞれの役割を果たし、着実に前進を続けていくことが期待されていると意見書は締めくくっている。(参考)持続的な成長に向けたコーポレートガバナンスのあり方https://www.keidanren.or.jp/policy/2025/083.html
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2025/12/22
売り手も買い手もスッキリ楽々!!「デジタルインボイス」
国税庁は12月4日、同庁ホームページの新着情報に「売り手も買い手もスッキリ楽々‼「デジタルインボイス」」(チラシ)を掲載した。デジタルインボイスとは、「Peppol(ペポル)」という国際規格に準拠し、標準化された電子インボイスのことを指し、電子帳簿保存法の「電子取引」に該当する。このPeppol(ペポル)は、「PanEuropeanPublicProcurementOnline」の略で、ヨーロッパやオーストラリアなど世界約40か国以上で採用されている電子文書の「文書の仕様」、「運用ルール」、「ネットワーク」に関する標準規格である。我が国ではインボイス制度を導入するにあたり、このPeppolをベースとした、デジタルインボイスの標準仕様「JPPINT」を策定しており、デジタル庁が管理している。Peppolの規格に対応したデジタルインボイスを使用することで、これまで紙で行っていた際の請求書の確認・入力や保管等の手間が減少するだけでなく、売り手と買い手で会計システムが異なっている場合でも、このデジタルインボイスにより会計データを自動処理することができるため、作業時間の短縮やヒューマンエラーの防止につながることになる。デジタルインボイスにおける売り手と買い手との間における事務処理のイメージは、以下のとおりである。1売り手から買い手に対してデジタルインボイス(Peppol)を送信する。2買い手は、デジタルインボイスの請求データに基づき、支払処理を実施する。3支払処理後、全銀EDIシステム(ZEDIと呼ばれる全国銀行資金決済ネットワークが提供するデータ連携システム)を通じて買い手から売り手に請求データが含まれたデジタルインボイスの支払データとして送信される。4売り手は、支払データを入金データとして受け取り、入金データに含まれている請求データと買い手に送信した請求データの突合を行うことで自動消込が行われる。このようにやりとりが全てデータとなるため、紙の請求書で必要な様々な処理(印刷、封入など)が不要となり、売り手と買い手双方の経理業務の自動化・効率化につながることになる。デジタルインボイスを導入するには、次の3つのステップを行うことになる。1デジタルインボイスに対応した会計ソフトを確認し、導入を行う。2デジタル庁に認定を受けたPeppolサービスプロバイダーから「PeppolID」を取得する。3取引先のPeppolIDの収集を行い、取引先への送信方法の変更について案内等を行った上で取引を開始する。現在、30社以上の会計ソフト等がデジタルインボイスに対応しており、既に導入済みの企業もあり、今後、ますます普及していくことが見込まれている。なお、デジタルインボイスに対応した会計ソフトを導入するにあたっては、IT導入補助金も利用できることから、導入を検討している企業は、補助金の利用も検討するとよいだろう。(参考1)売り手も買い手もスッキリ楽々‼「デジタルインボイス」(国税庁)https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/jigyousyadx/pdf/03.pdf(参考2)「事業者のデジタル化促進」(国税庁)https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/jigyousyadx.htm(参考3)「IT導入補助金」ホームページhttps://it-shien.smrj.go.jp/
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2025/12/19
「第4回 経済社会のデジタル化への対応と納税環境整備に関する専門家会合」
政府税制調査会は11月13日、第4回経済社会のデジタル化への対応と納税環境整備に関する専門家会合を開催した。議題については以下の3点となっている。1点目、「事業者のデジタル化と記帳水準の向上」については、これまでの議論における主な意見として、「記帳水準の向上は、事業者の適正申告の確保に向けた中長期的な課題であるが早急かつ着実に取組を進める必要がある」、「記帳等のデジタル化を進めるに当たっては、仕事が効率化する、生産性が向上するということが前面にあるべき。その上で、納税環境整備としてもこれに資するという順番が大切である」などが挙げられている。次に「税務執行に関する諸課題」については、国税犯則調査(査察調査)と徴収手続の二項目となっている。国税犯則調査は、刑事手続のデジタル化への対応として、各種犯則調査を所管する省庁等については、刑事手続のデジタル化実現のための法整備の状況を踏まえて、可及的速やかに法令整備を実現することとし、IT基盤の整備については、刑事手続のデジタル化との一体性に配慮し、2027年度中の一部省庁でのデジタル化試行を念頭にデジタル庁とも連携して対応を行っていくとの具体的な目標を挙げている。徴収手続は、滞納残高の推移、国税庁における滞納の未然防止に向けた取組、公売の実施状況が挙げられており、財産の差押えに関する課題として、滞納者が自己管理する暗号資産に関する具体的な事例と課題が示されている。3点目、「財産評価を巡る諸問題」については、現状として、相続税においては不動産や株式などの評価額を圧縮する租税回避等(スキーム)が広く利用され、近年ではスキームの態様が多様化している。スキームに対しては、これまで評価通達6項(この通達の定めにより難い場合の評価)に基づく課税処分を行うことなどにより個別に対応しているが、問題点として、近年、評価通達6項による評価に係る訴訟等が増加傾向にあり、こうした個別の対応について、納税者の予見可能性といった観点からの批判等があり、評価方法の明確化等が要請されている情勢などを挙げている。(参考)「第4回経済社会のデジタル化への対応と納税環境整備に関する専門家会合」https://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/digital-noukan/2025/7digital-noukan4kai.html
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