税務デイリーニュース
税務に関する最新のニュースを毎日お届けします。
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2025/12/08
国税庁・税関 「STOP!免税品転売」ポスターを掲載
国税庁・税関は、11月11日に「STOP!免税品転売」ポスターを国税庁ホームページに掲載した。このポスターは、輸出物品販売場制度(免税店制度)における不正利用防止の取り組みの一環として「税を考える週間」(毎年11月11日~17日)に合わせ、免税品購入者への周知用として公開された。免税店制度とは、外国人旅行者などの非居住者が、日本国内で購入した物品を国外へ持ち帰る場合、一定の手続きを行うことでその物品にかかる消費税を免除する制度である。これは、国外へ持ち出される物品の取引は実質的に「輸出」と同様という考え方に基づいている。現在、免税店制度は、TAXFREESHOP(輸出物品販売場)とDUTYFREESHOP(デューティーフリーショップ)の2つの形態があり、TAXFREESHOP(輸出物品販売場)は、街中にあるデパートやショッピングモール、一般の小売店などに設置されており、消費税の免税店として外国人旅行者などの非居住者を対象としている。DUTYFREESHOP(デューティーフリーショップ)は主に国際空港の出国手続き後の制限区域内などに設置されており、消費税に加え、関税、酒税、たばこ税なども免除となる免税店で、海外へ出国する全ての旅行者を対象としている。今回の不正利用の対象は、TAXFREESHOP(輸出物品販売場)で、多額・多量の免税購入物品が国外に持ち出されず、国内での横流しなどが疑われる事例が多発しており、出国時に免税購入物品を所持していない外国人旅行者を補足し、即時徴収を行ってもその多くが滞納となるなど看過できない状況となっている。国税・税関では、要件を満たさない不適切な免税販売について厳正に対処することとしており、特に国内での転売についてはその購入者はもとより、免税購入できる者の募集や購入店舗等の指示など、不正な免税購入を差配しているブローカーなどに対しても積極的に対応していくこととしている。今回のポスターには、免税購入した物品を出国前に譲渡又は消費した場合は消費税が徴収されること、免税購入した物品を出国前に譲渡した場合には罰則(1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)があることのほか、課税・徴収もれに関する情報の提供窓口へのQRコードが記載されており、免税店内や免税カウンター付近に掲示するなど活用について案内している。なお、このような不正利用を防ぐため、令和8年11月1日から「リファインド方式」(出国時に免税購入物品の持ち出しを確認した後、免税店から外国人旅行者等に消費税相当額を返金する方式)へ移行することとされているが、国税庁・税関は移行までの間においても、制度の適正運用に向けて取り組むことが重要としている。(参考)STOP!免税品転売https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0025010-064.pdf(参考)輸出物品販売場における免税販売手続きを行う際の留意点https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/0523_04.htm
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2025/12/05
法務省、相続土地国庫帰属制度の運用状況に関する統計を公表
法務省は、11月28日に相続土地国庫帰属制度の運用状況に関する統計を公表した。今回の統計は、令和7年10月31日現在における速報値となっており、今後、運用状況に合わせて順次更新するとしている。相続土地国庫帰属制度とは、所有不明の土地の発生を予防する方策の一つとして創設された制度で、相続又は遺贈(遺言により特定の相続人に財産の一部又は全部を譲ること)により土地の所有権を取得した相続人が、一定の要件を満たした場合に、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする制度であり、令和5年4月27日から開始している。この制度が創設された背景としては、土地利用ニーズの低下等により、土地を相続したものの、土地を手放したいと考える者が増加していることや相続を契機として、望まずに土地を取得した所有者の負担感が増し、管理の不全化を招いていることなどが挙げられている。統計によると申請件数は、総件数が4,556件となっており、地目別には田・畑が1,755件(全体比約38%)、宅地が1,588件(同約35%)、山林が715件(同約16%)、その他が498件(同約11%)と田・畑と宅地で全体の約73%を占めている。国庫への帰属件数は総数が2,145件で種目別では、宅地が784件、農地用697件、森林132件、その他532件となっている。却下件数は74件であり、主な却下の理由(1件につき複数理由あり)をみると「法第3条第1項及び施行規則第3条各号に定める添付書類の提出がなかった。」が35件、「現に通路の用に供されている土地に該当した。」が18件、「境界が明らかでない土地に該当した。」が18件などとなっており、添付書類の提出がなかったことによる却下が最も多かった。不承認件数は74件であり、不承認の主な理由(1件につき複数理由あり)については「土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する土地に該当した。」が35件と最も多く、「国による追加の整備が必要な森林に該当した。」が32件、「災害の危険により、土地や土地周辺の人、財産に被害を生じさせるおそれを防止するための措置が必要な土地に該当した。」が10件などとなっている。取下げ件数は801件となっており、主な理由として「自治体や国の機関による土地の有効活用が決定した。」、「隣接地所有者から土地の引き受けの申出があった。」、「農業委員会の調整等により農地として活用される見込みとなった。」、「審査の途中で却下、不承認相当であることが判明した。」などがあった。相続土地国庫帰属制度を利用するための要件は、非常に厳しく、例えば、建物がある土地、危険な崖がある土地、管理の妨げにある工作物、車両、樹木などがある土地、境界が明らかでない土地などは帰属制度の対象外とされていることや審査のための手数料や負担金も必要であることから、制度を利用したい方は、事前に法務省のホームページで要件・手続きなどを確認することをおすすめする。(参考)相続土地国庫帰属制度の統計https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00579.html(参考)相続土地国庫帰属制度についてhttps://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html
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2025/12/04
国税庁 「税務行政におけるオンラインツールの利用に関するQ&A」を公表
国税庁は、11月10日に「税務行政におけるオンラインツールの利用に関するQ&A」(以下「オンラインQ&A」)を公表した。税務行政におけるオンラインツールの利用とは、国税庁が納税者の利便性向上や税務行政の効率化を図る観点から、税務行政のデジタル・トランスフォーメーションに取り組んでいる中で、デジタル庁が提供する政府共通の業務実施環境であるGSS(ガバメントソリューションサービス)で提供されているオンラインツールを業務に活用する取組である。国税庁はオンラインツールとして、インターネットメール、Web会議システム(MicrosoftTeams)、オンラインストレージサービス(PrimeDrive)を業務で利用することとしている。今回、公表されたオンラインQ&Aは、税務行政におけるオンラインツールの利用について対象となる場面、準備・手続き、各ツールを使用する際の留意事項など、全18問をQ&A形式で取りまとめている。オンラインQ&Aによるとオンラインツールは、関係民間団体や調達の契約事業者との連絡や税務調査、行政指導(書面添付制度に基づく意見聴取、事業者への協力要請及び酒類の免許等関係事務における申請書の補正等を含む)、滞納整理及び査察調査等において、利用することとしている(問1)。利用にあたっては、税務署又は国税局の担当者と利用者双方の合意の下で利用することとしているが、納税者又は税理士がオンラインツールの利用を希望した場合であっても、対面で税務調査を実施する場合がある(問2)。納税者及び税理士の双方がオンラインツールを利用する場合、納税者と税理士の双方が、MicrosoftFormsのフォーマットから利用に関する同意事項の内容に同意し、メールアドレス等を登録する必要がある(問6)。インターネットメールで送信可能なデータ容量は、1送信当たり最大20MBとなっており、exe形式等を除くファイルの添付が可能となっている。PrimeDriveでは、1度にアップロードできるファイルは最大20ファイルで、1ファイルの容量制限は1.9GBとなっており、データ形式に制限はない(問14)。税務調査等において税務署側から納税者等に対して資料を提供する場合、原則として、インターネットメールやPrimeDriveを利用することはない(問15)としており、税務調査や行政指導において、録音・録画、チャット、文字起こし(トランスクリプション)及びホワイトボード機能の利用は禁止となっている(問16)。税務調査等において、税務署等から「日程調整」、「準備いただく資料の連絡や資料の提出依頼」、「税務署等の担当者への連絡依頼」、「MicrosoftTeamsやPrimeDriveのURLの連絡」、「キャッシュレス納付の利用勧奨」などは、インターネットメールで連絡するが、税務調査の事前通知は、現状どおり原則、口頭により行うことになっている(問17)。本年10月から、先行的に金沢国税局及び福岡国税局でオンラインツールの利用を開始しており、その他の国税局及びその管内税務署については、令和8年3月以降、順次利用を開始することとなっている(問9)。(参考)税務行政におけるオンラインツールの利用に関するQ&Ahttps://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/onlinetool/pdf/08.pdf(参考)税務行政におけるオンラインツールの利用についてhttps://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/onlinetool/index.htm
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2025/12/03
通勤手当の非課税限度額の改正について
令和7年11月19日に所得税法施行令の一部を改正する政令が公布され、通勤のため自動車などの交通用具を使用している給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額が引き上げられた。この改正は、令和7年人事院勧告で自動車などの交通用具使用者に対する通勤手当の額が引上げられたことを受けて改正されたものであり、令和7年11月20日に施行となった。今回、改正対象となった自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する1ヶ月当たりの通勤手当の非課税限度額は、通勤距離ごとに次のとおり改正された。通勤距離が片道55㎞以上である場合改正後38,700円改正前31,600円通勤距離が片道45㎞以上55㎞未満である場合改正後32,300円改正前28,000円通勤距離が片道35㎞以上45㎞未満である場合改正後25,900円改正前24,400円通勤距離が片道25㎞以上35㎞未満である場合改正後19,700円改正前18,700円通勤距離が片道15㎞以上25㎞未満である場合改正後13,500円改正前12,900円通勤距離が片道10㎞以上15㎞未満である場合改正後7,300円改正前7,100円改正後の非課税限度額は、令和7年4月1日以後に支払われるべき通勤手当に適用されることから、次の通勤手当について改正後の非課税限度額は適用されない。1令和7年3月31日以前に支払われた通勤手当2令和7年3月31日以前に支払われるべき通勤手当で同年4月1日以後に支払われるもの31又は2の通勤手当の差額として追加支給されるもの年末調整における留意事項としては、令和7年4月1日以後に支払われるべき通勤手当で、令和7年11月19日までに支払われた金額のうち、課税対象となった金額がある場合、遡って税額の再計算を行う必要はなく、年末調整の際に改正後の非課税限度額の適用により過納付となる税額について精算することになる。なお、改正前の非課税限度額の範囲内で通勤手当を支給し、今回の改正を踏まえ、令和7年4月1日に遡って改正後の非課税限度額との差額を通勤手当の追加支給として支払う場合は、通勤手当の全額が非課税の範囲内となるため、年末調整での精算は不要となる。国税庁ホームページでは、「通勤手当の非課税限度額の引上げについて」、「年末調整で精算する際の源泉徴収簿の記載例」、「通勤手当の非課税限度額の引上げに関するQ&A」、「(動画)通勤手当の非課税限度額の引上げについて(YouTube)「国税庁動画チャンネル」(外部サイト)」を掲載し、非課税限度額の内容や年末調整での精算方法などについて詳しく解説しているので参考にするとよい。(参考)通勤手当の非課税限度額の改正についてhttps://www.nta.go.jp/users/gensen/2025tsukin/index.htm
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2025/12/02
国税庁、e-Taxで問い合わせがあった上位70のFAQを公表
国税庁は、10月30日に「e-Tax・作成コーナーヘルプデスクに実際にお問い合わせがあった上位70のFAQ」を公表した。このFAQは、e-Tax・作成コーナーヘルプデスクのオペレーターが実際に回答に利用しているFAQから、特に問い合わせが多かった上位70件を公開しており、確定申告期間中の問い合わせの約7割をカバーしている。FAQでは、上位70件を5項目に分けて画面に表示しており、中央には「特に閲覧が多かったFAQ」として上位10件を掲載している。5項目のうち「概要」ではe-Taxで確定申告を作成するための推奨環境や作成可能な手続き等に関するもの10件、「事前準備」では入力に必要な事前確認・準備等に関するもの17件、「入力・保存」では作成コーナーで各所得や控除額を入力・保存する場合に関するもの22件、「送信・印刷」では申告書の送信方法、印刷方法や送信後の手続きなどに関するもの15件、「エラー」では操作中にエラーが発生した場合に関するもの6件の合計70件が掲載されている。使い方は、パソコン画面から自分が知りたい情報についての問い合わせをクリックすると回答のコメントが表示され、パソコン又はスマートフォンなどの操作方法がPDFの資料として掲載される。例えば、「特に閲覧が多かったFAQ」の1番目「(パソコン)作成コーナーで確定申告を作成したい(トップから申告準備までの流れ)」をクリックすると「「確定申告書等作成コーナー」のトップ画面から申告準備までの流れについては、次の「確定申告書等作成コーナーご利用ガイド」をご確認ください。」の回答コメントと「確定申告書等作成コーナーご利用ガイド(パソコン版)」(PDF資料)が表示される。PDF資料をクリックするとe-Tax操作画面が掲載されており、操作手順がわかりやすく解説されている。パソコン操作時には、PDF資料のe-Tax操作画面を確認し、作業を進めていくことでスムーズにe-Taxによる確定申告を行うことができる。実際の活用に当たっては、まず、自分の知りたい内容が上位10件にあるか確認し、もしなければ、各項目の問い合わせをクリックするとよい。なお、パソコン又はスマートフォンによる操作方法について準備から送信等までの全てを知りたいときは、パソコンの場合は、先ほど説明の「確定申告書等作成コーナーご利用ガイド(パソコン版)」、スマートフォンの場合は、上位10件の3番目「(スマートフォン)作成コーナーで確定申告書を作成したい(トップから申告準備までの流れ)」に掲載の「スマホ申告に関するマニュアル」の中の「確定申告書等作成コーナースマホご利用ガイド(詳細版)」を確認するとよい。(参考)e-Tax・作成コーナーヘルプデスクに実際にお問い合わせがあった上位70のFAQhttps://www.e-tax.nta.go.jp/toiawase/faq70.htm
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2025/12/01
国税庁 令和6事務年度 法人税等の申告事績の概要
国税庁は、10月30日に令和6事務年度の法人税、地方法人税、源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の申告(課税)事績を公表した。令和6事務年度における法人税の申告件数は322万件(前年度比1.4%増)で、その申告所得金額は102兆3,381億円(同4.1%増)、申告税額の総額は18兆7,139億円(同7.6%増)と前年を上回っており、申告所得金額、申告税額の総額は、ともに過去5年連続の増加で過去最高となっている。黒字申告の件数は、117万件(同2.8%増)、黒字申告の割合は、36.5%(同0.5ポイント増)と前年を上回っているものの、黒字申告は申告件数全体の約3分の1程度となっている。申告欠損金額は、17兆4,925億円(同12.2%増)、赤字申告1件当たりの欠損金額は、855万円(同11.5%増)といずれも増加しており、法人全体の申告所得金額や申告税額が増加している中で、申告欠損金額等が増加する状況となっている。グループ通算制度を適用している通算法人の申告状況については、申告件数は19,457件(同2.8%増)で、その申告所得金額は32兆6,885億円(同9.8%増)といずれも増加している。通算法人の黒字申告件数は10,894件(同4.6%増)、黒字申告割合は56.0%(同1.0ポイント増)と前年を上回っており、通算法人の約半数以上が黒字申告の状況である。通算法人における申告欠損金額は1兆6,006億円(同34.4%減)、赤字申告1件当たりの欠損金額は1億8,700万円(34.7%減)であり、通算法人では申告欠損金額等は減少している。令和6事務年度の源泉所得税額等の税額は、20兆3,445億円(前年度比4.6%減)であり、令和4事務年度をピークに2年連続で減少となっている。項目別でみると、給与関係については、給与所得が12兆3,694億円(同4.9%減)、退職所得が3,389億円(同9.7%増)となっており、給与所得の減少は、定額減税実施の影響を受けているものと考えられる。利子所得等は5,365億円(21.8%増)、配当所得等は3兆2,503億円(27.9%減)、特定口座内保管上場株式等の譲渡所得等(以下「特定口座分」)は1兆4,251億円(72.4%増)、報酬料金等所得は1兆2,211億円(1.9%減)、非居住者等所得は1兆2,031億円(19.4%増)となっており、配当所得は大きく減少しているが、特定口座分と非居住者等所得については、大幅に増加している。また、令和6事務年度の法人税e-Tax利用率については、89.1%(前年度比2.9ポイント増)、法人申告のうち、主要別表及び財務諸表などに添付すべき書類がe-Tax送信となるALLe-Tax率は67.7%(同3.9ポイント増)とe-Taxで申告した法人の4社に3社の割合でALLe-Taxによる申告となっており、e-Taxによる申告が順調に普及していることがわかる。(参考)令和6事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/hojin_shinkoku/index.htm
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2025/11/28
中小企業庁、「賃上げ・最低賃金対応支援特設サイト」をオープン
中小企業庁は、過去最大となった今年度の最低賃金引き上げに対応する中小企業・小規模事業者を支援するため、10月30日に「賃上げ・最低賃金対応支援特設サイト」をオープンした。このサイトでは賃上げの実現に向けた具体的な方法(3つのステップ)を提供している。ステップ1では従業員の賃金を引き上げた際、人件費が年間、月間、1日あたりでどのくらい増加するかシミュレーションを行うことができる。使用方法は、最初に「事業所がある都道府県」を選択するとその都道府県の最低賃金額が表示される。次に「時給引上げ額」、「勤務日数」、「勤務時間」、「従業員数」を入力するとシミュレーション結果として賃金引上げに伴う人件費の増加額(概算金額)が表示され、どのくらい利益を伸ばす必要があるかを検討することができる。ステップ2では「儲かる経営キヅク君」というツールに決算書等のデータを入力し、商品・サービス別、顧客別の利益を計算し、目標となる売上高等をシミュレーションすることができる。ツールの使用は無料で、登録も不要である。使用方法は、まず自社の業種を選択し、2期分の決算書情報を入力する。入力の結果、過去と現状の比較表や増減率の比較グラフが表示されるので、その変化を把握する。次に現状のコストを商品・取引先ごとに割り当てることで、商品・取引先ごとの収支状況を確認する。確認後は商品・取引先ごとの営業利益を変更し、シミュレーションすることで将来、会社として目指すべき売上高や営業利益を検討することができる。なお、入力データは、ブラウザ上での動作であるため、サーバー等には蓄積されないことになっている。ステップ3では、ステップ1、ステップ2の検討結果を踏まえ、賃上げ等を行う上での課題となる「価格交渉・価格転嫁」、「売上拡大・生産性向上」、「IT活用・省力化」、「経営改善・事業再生」、「事業承継」について、進め方のコツ(漫画)、具体的な事例、窓口相談、関連する補助金などの情報を確認でき、賃上げ原資を確保するための対策を検討できるようになっている。この特設サイトは、中小企業庁の中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」内に掲載されている。(参考)「賃上げ・最低賃金対応支援特設サイト」をオープンしましたhttps://www.meti.go.jp/press/2025/10/20251030004/20251030004.html(参考)ミラサポplus(中小企業向け補助金・総合支援サイト)https://mirasapo-plus.go.jp/
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2025/11/27
国税庁 インボイスの取扱いに関する質問を更新
国税庁は、10月28日に「インボイスの取扱いに関するご質問」を更新した。今回の更新では、消費税の経過措置の適用に関する2つの質問が追加された。内容は以下のとおりである。1令和8年10月1日前後の取引に係る免税事業者等からの仕入れに係る経過措置の適用適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れについては、現在、区分記載請求書等と同様の記載事項が記載された請求書等及び一定の記載がされた帳簿の保存があれば、課税仕入れに係る仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置を適用することができる。経過措置では、令和5年10月1日から令和8年9月30日までは仕入税額相当額の80%、令和8年10月1日から令和11年9月30日までは仕入税額相当額の50%を仕入税額とみなして控除できる。経過措置で適用する割合は、課税仕入れの時期で判断することになっており、商品仕入れなど資産の譲受けの場合は、商品引き渡しの日、サービスなどの役務提供の場合は、役務提供が完了した日が課税仕入れの時期となる。令和8年10月1日前後の取引でも取扱いは変わらないため、例えば、令和8年9月21日から提供を受けた役務が同年10月20日に完了し、同月31日に代金を支払う場合、役務提供を完了した10月20日が課税仕入れの日となり、50%の割合で計算することとなる。2短期前払費用に係る免税事業者等からの仕入れに係る経過措置の適用短期前払費用の取扱いについては、支払った日から1年以内に提供を受けるものを支払った場合、継続適用を要件に法人税計算において、その事業年度の損金として認めており、消費税の計算についても、その支出した日の課税期間において行ったものとして課税仕入れを認めている(以下「短期前払費用の取扱い」という。)。この短期前払費用について、区分記載請求書等と同様の記載事項が記載された請求書等及び一定の記載がされた帳簿の保存があれば、短期前払費用を支払った課税期間において、消費税の経過措置(令和5年10月1日から令和8年9月30日まで仕入税額相当額の80%、令和8年10月1日から令和11年9月30日まで仕入税額相当額の50%を仕入税額とみなして控除できる措置)を受けることができる。この経過措置で適用する割合が80%と50%を含む期間の短期前払費用については、短期前払費用の取扱いを受けていることを踏まえて、支払時の割合で差し支えないとされた。例えば、3月決算法人が、取引先との保守契約に基づき、毎年1月に1年分(1月~12月分)の保守料金を支払い、短期前払費用として処理している場合は、令和8年3月期の申告において、保守料金全額(1年分)の仕入税額相当額の80%を仕入税額とみなして控除の計算を行うことになる。この取扱いは「国税庁インボイス特設サイト」に掲載されており、特設サイトには、そのほかにもインボイスに関する各種パンフレット、Q&A、制度に関する問合わせ先などの情報が掲載されている。(参考)インボイスの取扱いに係るご質問(令和7年10月28日更新)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0025002-059.pdf(参考)国税庁インボイス特設サイトhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm
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2025/11/26
コンビニのマルチコピー機で申告書等の様式印刷が可能に
国税庁は、10月24日に令和7年10月から税務署の窓口に行かなくても、コンビニエンスストアに設置のマルチコピー機で、申告書・申請書・届出書の様式を印刷できるサービスを開始したと発表した。このサービスを利用できるコンビニエンスストアは、ファミリーマート、ポプラグループ、ミニストップ、ローソンとなっており、シャープ株式会社製のマルチコピー機が設置されている店舗に限られている。サービスの利用には事前登録など特段の手続きは必要ないが、印刷費用が必要となり、白黒は20円/ページ、カラーは60円/ページとなっている。印刷できる申告書等については、国税庁ホームページに「印刷できる申告書等一覧」が掲載されており、注意事項として、・「様式名」の先頭に★がついている帳票は、フルカラーを選択して印刷する。・印刷は片面印刷を推奨する。・控え用は印刷されない(「印刷枚数」欄の印刷物が印刷される)。なお、控え用が必要な場合は、提出前に該当ページをコピーすることを推奨する。・ページを指定しての印刷はできない。・マルチコピー機で印刷した帳票は、右下に「コ」と表示される。の記載がある。なお、当該サービスは、自身の作成した申告書等を印刷できるサービスではなく、申告書・申請書・届出書の様式(白紙)が印刷されるサービスとなっていることに留意する必要がある。それぞれのコンビニエンスストアでの操作方法は次のとおりである。(ファミリーマート)1「コピー/プリント」のメニューを押す。2「ネットワークプリント」を押す。3ユーザー番号に「1234567890」と入力し、「つぎへ」を押す。4プリントしたい用紙の行を選択し、「つぎへ」を押す。5白黒(登録名の先頭に★があればフルカラー)を選択し、表示された料金を投入して、「つぎへ」を押す。6内容を確認し、「スタート」を押す。(ポプラグループ)1「プリントサービス」を押す。2「ネットワークプリント」を押す。3ユーザー番号に「1234567890」と入力し、「次へ」を押す。4プリントしたい用紙を選択し、「次へ」を押す。5白黒(登録名の先頭に★があればフルカラー)を選択し、表示された料金を投入して、「プリント開始」を押す。6内容を確認し、「はい」を押す。(ミニストップ・ローソン)1「ネットワークプリント」を押す。2ユーザー番号に「1234567890」と入力し、「つぎへ」を押す。3プリントしたい用紙を選択し、「つぎへ」を押す。4白黒(登録名の先頭に★があればフルカラー)を選択し、表示された料金を投入して、「つぎへ」を押す。5内容を確認し、「スタート」を押す。(参考)マルチコピー機で印刷できる申告書・申請書・届出書等https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/maruti/01.htm(参考)印刷できる申告書等一覧https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/maruti/01.pdf
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2025/11/25
「調書方式」による住宅借入金等特別控除について
国税庁は、このほど「「調書方式」による住宅借入金等特別控除の適用について」(リーフレット)を公表した。リーフレットでは「令和7年分の年末調整からは、「調書方式」による住宅借入金等特別控除の適用を受ける従業員の方がいます。」と案内している。「調書方式」とは、住宅ローンの債権者である金融機関等(調書方式に対応した金融機関等のみ)が税務署に「住宅取得資金に係る借入金等の年末残高等調書」を提出し、国税当局からマイナポータル等を通じて、納税者(従業員)に対して住宅ローンの「年末残高情報」をデータで提供する方式であり、金融機関等から書面による住宅ローンの「年末残高等証明書」は交付されない。従来は、納税者が金融機関等から交付を受けた借入金の年末残高証明書を確定申告のときは税務署、年末調整のときは勤務先に提出する「証明書方式」で行っていた。「調書方式」は、令和6年分の確定申告から適用されており、令和6年分の確定申告で「調書方式」による住宅ローン控除を行った納税者は、2年目となる令和7年分以降は、原則、「調書方式」による住宅ローン控除を年末調整で行うことになる。年末調整において「調書方式」による住宅ローン控除を行う場合、これまで税務署から納税者に交付していた「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書兼住宅借入金等特別控除計算明細書及び年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」(以下「控除証明書等」)の交付時期がこれまでの「証明書方式」と異なっている。「調書方式」による控除証明書等の交付は「電子交付」と「書面交付」があり、事前に納税者が希望した方法で交付となるが、「電子交付」と「書面交付」でも交付時期は異なっている。「電子交付」の場合は、毎年11月中旬頃に納税者のe-Taxメッセージボックスに交付され、「書面交付」の場合は、入居2年目の11月下旬頃に納税者に入居2年目以降分が一括で郵送される。なお、「電子交付」の場合は、控除証明書等の電子データを国税庁年末調整ソフトなどに取り込み、電子で控除申告書を作成するかe-Taxホームページの「QRコード付証明書等作成システム」で控除証明書等を書面作成して控除申告書を作成することになる。「書面交付」の場合は、借入金の年末残高及び控除見込額が記載済の控除証明等が交付されるため、その内容を確認した上で、控除申告書を作成することになる。注意すべき点として「調書方式」は、「調書方式」に対応した金融機関等のみ適用となっていることから、対応していない金融機関等はこれまでどおり「証明書方式」での年末調整となる。また、「調書方式」により、借入金の年末残高及び控除見込額が記載済の控除証明書等の交付は、入居2年目のみのため、入居3年目以降も借入金の年末残高が記録された控除証明書等が必要な場合は、「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請手続」を行う必要がある。(参考1)「調書方式」による住宅借入金等特別控除の適用についてhttps://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0025008-044.pdf(参考2)年末調整のための住宅ローン控除証明書の交付時期についてhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/pdf/05.pdf(参考3)年末残高調書を用いた方式(調書方式)に対応した金融機関の一覧https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/ichiran.htm
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