税務デイリーニュース
税務に関する最新のニュースを毎日お届けします。
1523 件の結果のうち、 1 から 10 までを表示
-
2026/05/29
国税庁「通勤手当の非課税限度額の改正に関するQ&A」を公表
国税庁は、このほど「通勤手当の非課税限度額の改正に関するQ&A」を公表した。これは、令和8年度税制改正に伴う通勤手当の非課税限度額の改正内容をQ&A形式で整理した資料であり、企業の給与担当者や従業員に向けて実務の取扱いを示したものである。通勤手当の非課税限度額については、これまで片道55㎞以上で月額38,700円が上限となっていたが、今回の改正で通勤距離が片道65㎞以上の非課税限度額が引き上げられたほか、一定の要件を満たす駐車場等を利用する人の1か月当たりの非課税限度額について、通勤距離の区分に応じた非課税限度額に1か月当たりの駐車場等の料金相当額(上限5,000円)を加算した金額とすることとされた。Q&Aでは、この改正の実務上の取扱いや具体的な計算事例が示されている。まず、Q1-1では改正概要の説明と改正後の1か月当たりの非課税限度額について表形式で示されている。Q1-2では、改正後の非課税限度額の適用時期について、令和8年4月1日以後に支払われるべき通勤手当から適用すると説明されている。なお、留意すべき事項として4月1日以後に支払われる通勤手当であっても同日前に支払われるべき通勤手当の差額として追加支給するものについては改正後の非課税限度額は適用されないとされている。Q2-2では、「自転車やバイクの駐輪場も「駐車場」に含まれますか。」の問いに対し、「一定の要件を満たす駐車場等」の「駐車場」には、通勤のために使用する自転車やバイクの駐輪場も含まれると回答している。Q3-1では、通勤手当の非課税限度額の計算方法が示されており、①通勤距離の区分に応じた非課税限度額と、②1か月当たりの駐車場等の料金相当額(上限5,000円)を合計した金額が非課税限度額になるとして、具体的な計算事例が示されている。また、Q4-1では、「駐車場等の料金相当額の通勤手当を非課税として支給するに当たり、従業員から駐車場等の料金が記載された契約書や領収書等の書類の提示等を受ける必要がありますか。」の問いに対し、書類の提示を受ける法令上の義務はないが、従業員から「1か月当たりの駐車場等の料金相当額」の算出にあたり必要な金額が確認できる書類の提示を受けるなどして金額の確認を行う必要があるとしている。そのほか、Q4-2では、「当社は、従業員が選んだ会社付近の駐車場を従業員に代わって契約し、毎月6,000円の駐車場を負担しています。この場合の当社が負担した駐車場代は通勤手当として非課税となりますか。」の問いに対して、実態として、従業員に対して駐車場代相当額の通勤手当を支給しているものと変わりがないため、駐車場代として負担した6,000円については、駐車場等の料金相当額の通勤手当を支給したものとして非課税限度額の計算を行うことになると回答している。今回の改正で企業側は、給与計算システムや通勤手当規程の見直し、従業員からの駐車場利用実態の確認などの実務対応が求められることになると考えられる。(参考)通勤手当の非課税限度額の改正に関するQ&Ahttps://www.nta.go.jp/users/gensen/2026tsukin/pdf/01.pdf(参考)通勤手当の非課税限度額の改正についてhttps://www.nta.go.jp/users/gensen/2026tsukin/index.htm
続きを読む
-
2026/05/28
経団連「裁量労働制の拡充を求める」提言を公表
日本経済団体連合会(経団連)は5月13日、「裁量労働制の拡充を求める」提言を公表した。日本の労働生産性は低迷しており、今後、生産年齢人口の減少は一層加速することから、労働生産性を高めることは喫緊の課題である。成長産業や分野等への労働移動を促進すると同時に、働き手一人ひとりのアウトプットの質を最大化するためには、柔軟で自律的に働ける環境整備が不可欠であり、また、生成AIの急速な発展・普及は、今後、働き方や労働の質を大きく変化させることが想定される。こうした状況を踏まえると、働き方の基盤となる労働時間法制は、今まさに見直すべきタイミングに来ており、労働者の働きやすさの向上と企業の成長・発展に向けて必要な労働時間法制の見直し、特に裁量労働制の拡充が必要である。経団連では、裁量労働制の見直しの方向性として、裁量労働制への適用を求める業務として以下の3つを挙げている。1裁量労働制の対象とならない業務が一部混在する業務企画業務型裁量労働制の対象業務をメインの業務として働いているにも関わらず、一部に非対象業務が含まれることで、裁量労働制を適用されないという事態が生じており、こうした業務にも裁量労働制の適用を認めるべきである。2課題解決型提案業務この業務は、一部に顧客への提案などの非対象業務が混在する点と、「事業の運営に関する事項についての業務」に当てはまらない点で、現行の企画業務型裁量労働制の対象とはならないことから、一部、対象ではない業務が入り、かつ「他社の事業」の運営に関する業務を担う場合についても、裁量労働制の適用を認めるべきである。3シェアードサービス業務裁量を持って働くシェアードサービスの労働者も対象となるよう、「他社の事業の運営」に関わる業務での裁量労働制の適用を認めるべきである。なお、裁量労働制の拡充のあり方として、裁量労働制の拡充に当たっては、現在適切に運用している企業の取組みを参考に、長時間労働防止、処遇確保の濫用防止策を組み込んだ見直しを行うべきとしている。(参考)「裁量労働制の拡充を求める」https://www.keidanren.or.jp/policy/2026/023.html
続きを読む
-
2026/05/27
民事裁判手続のデジタル化
令和8年5月21日より民事訴訟手続のデジタル化がはじまった。民事訴訟手続では、従来、書類を提出するため裁判所に持参したり、郵送したりする必要があり、また、訴訟記録を閲覧する場合には、裁判所に出向く必要があったが、これらの手続をオンラインで行うことができるようになった。具体的には、1.訴状や証拠等のオンライン提出等訴状、準備書面、証拠等をオンラインで提出できるようになり、また、これらの書類や裁判所から送られる判決書等をオンラインで受け取ることができるようになった。オンラインで提出するためには、事前に専用システムへの利用者登録をする必要があり、利用者登録には、インターネットに接続できる機器や環境が必要となる。登録する事項は、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、生年月日等で、利用者登録をすることで付与されるIDは、その後に当事者となる全ての民事訴訟手続で利用することができる。令和8年5月21日以降も、紙の書面を提出することはできるが、弁護士等はオンライン提出が義務付けられており、紙の書面を提出することはできない。オンライン提出の対象となるのは、令和8年5月21日以降に訴えが提起された事件であり、それより前に訴えが提起された事件については、これまでどおり紙の書面を提出することになる(令和8年5月21日現在裁判所で係属している民事訴訟の事件は、紙の書面の提出)。2.訴訟記録の電子化オンライン閲覧提出された書面等は電子データで保管され、判決書や調書等も電子データで管理され、当事者等であれば、オンラインで裁判記録を閲覧することができるようになった。電子化された訴訟記録を閲覧する場合、専用システムへの利用者登録を行うことで、事件係属中は、オンラインでいつでも閲覧することができる。専用システムへの利用者登録を行わない場合は、事件が係属する裁判所に対して閲覧申請を行う必要があり、申請後、記録を閲覧するためには裁判所への来庁が必要となる。記録の閲覧は、事件が係属する裁判所のほか、最寄りの裁判所でも閲覧することができ、この場合の手数料はこれまでと同様不要である。令和8年5月21日より前に訴えの提起がされた民事訴訟の事件については、紙により訴訟記録が作成されるため、オンラインでの閲覧はできない。3.ウェブ会議で期日に参加民事訴訟の期日では、裁判所の判断によりウェブ会議で参加することが可能となっている(ウェブ会議の参加については、令和6年3月1日に先行施行されている)。なお、民事執行や倒産等の手続や家事手続については、今回の民事訴訟手続のデジタル化によるオンライン申立ての対象外となっており、これらの手続は、令和10年6月までにオンライン申立ての対象となる予定である。(参考)民事裁判手続のデジタル化https://www.courts.go.jp/saiban/minjidejitaruka/index.html?shem=rimspwouoe
続きを読む
-
2026/05/26
個人情報の保護に関する法律等の改正
個人情報保護委員会は、4月7日、「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」が閣議決定されたことを公開した。この改正は、個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律附則で法律の施行後3年ごとに見直しを行うとされていることに基づいて行われたものである。主な改正内容は、1.適正なデータ利活用の推進、2.リスクに適切に対応した規律、3.不適正利用等防止、4.規律遵守の実効性確保のための規律となっており、公布の日から起算して2年を超えない範囲内で施行される。具体的な改正内容は、以下のとおり。1.適正なデータ利活用の推進〇個人データ等の第三者提供及び公開されている要配慮個人情報の取得について、統計情報等の作成(統計作成等であると整理できるAI開発等を含む)にのみ利用される場合は本人同意を不要とする。〇目的外利用、要配慮個人情報取得及び第三者提供に関する規制について、・取得の状況からみて本人の意思に反しないため本人の権利利益を害しないことが明らかな取扱いである場合は本人同意を不要とする。・生命等の保護又は公衆衛生の向上等のために取り扱う場合における同意取得困難性要件を緩和する。・学術研究例外の対象である「学術研究機関等」に、医療の提供を目的とする機関又は団体が含まれることを明示する。2.リスクに適切に対応した規律〇16歳未満の者が本人である場合、同意取得や通知等について当該本人の法定代理人を対象とすることを明文化し、当該本人の保有個人データの利用停止等請求の要件を緩和するとともに、未成年者の個人情報等の取扱い等について、本人の最善の利益を優先して考慮すべき旨の責務規定を設ける。〇顔特徴データ等について、その取扱いに関する一定の事項の周知を義務化し、利用停止等請求の要件を緩和するとともに、オプトアウト制度に基づく第三者提供を禁止する。〇データ処理等の委託を受けた事業者について、委託された個人データ等の適正な取扱いに係る義務の見直しを行う。〇漏えい等発生時について、本人の権利利益の保護に欠けるおそれが少ない場合は、本人への通知義務を緩和する。3.不適正利用等防止〇個人情報ではないが、特定の個人に対する働きかけが可能となる情報について、不適正利用及び不正取得を禁止する。〇本人の求めにより提供を停止すること等を条件に同意なく第三者提供を可能とする制度(オプトアウト制度)について、提供先の身元及び利用目的の確認を義務化する。4.規律遵守の実効性確保のための規律〇速やかに違反行為の是正を求めることができるよう命令の要件を見直し、さらに、本人に対する違反行為に係る事実の通知又は公表等の本人の権利利益の保護のために必要な措置をとるよう勧告・命令することも可能とする。〇違反行為を補助等する第三者に対して当該違反行為の中止のために必要な措置等をとるよう要請する際の根拠規定を設ける。〇個人情報データベース等の不正提供等に係る罰則について加害目的の提供行為も処罰対象とするとともに法定刑を引き上げ、また、詐欺行為等により個人情報を不正に取得する行為に対する罰則を設ける。〇経済的誘因のある、大量の個人情報の取扱いによる悪質な違反行為を実効的に抑止するため、重大な違反行為により個人の権利利益が侵害された場合等について、当該違反行為によって得られた財産的利益等に相当する額の課徴金の納付を命ずることとする。(参考)「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」の閣議決定について(令和8年4月7日)https://www.ppc.go.jp/news/press/2026/260407/
続きを読む
-
2026/05/25
「M&A・事業承継時における経営者保証情報ネットワーク」の開設
金融庁は、5月1日、「M&A・事業承継時における経営者保証情報ネットワーク」の開設についてとして、M&A・事業承継時における経営者保証の相談窓口を開設したことを公開した。この相談窓口は、M&A・事業承継に際して経営者保証が円滑な実施の支障となっている場合があり、こうした状況にある経営者・後継者の情報を共有するネットワークを構築することにより、経営者・後継者、金融機関、信用保証協会といった関係者間での、保証契約の必要性等に関する認識の一致を図るとともに、経営者・後継者における一層の理解と納得を促し、M&A・事業承継のより円滑な実現を目指して開設された。相談方法は、金融庁相談窓口に掲載されているエクセル形式の相談シートに必要事項を入力し、専用のメールアドレスにメールする方法で相談することができる。相談できる者は経営者・後継者と金融機関、信用保証協会で、経営者・後継者は、M&A・事業承継を検討・実施中である場合は、法人の金融債務に係る保証債務を有する経営者、法人の経営を承継することが予定されている後継者で、M&A・事業承継を実施後である場合は、法人の経営権を後継者が承継したものの、当該法人の金融債務に係る保証債務を引き続き有する旧経営者、法人の経営権を承継し、当該法人の金融債務に係る保証債務を有する後継者となっている。経営者・後継者からの相談の場合は、保証契約を締結している金融機関や経営している法人の債務を保証する信用保証協会に対して相談することができる。経営者・後継者からの相談の場合、下記のような相談例を行うことができるとされている。・M&A・事業承継を予定しており、まだ金融機関に対して保証契約に関する相談を実施していないものの、対応してもらえるのか不安がある・M&A・事業承継に際して、金融機関に保証契約に関する相談を実施したものの、保証は解除できない旨のみ伝達され、理由の説明がない・金融機関から保証契約の必要性等について説明を受けたが、説明内容に納得がいかない・M&A・事業承継を実施したが、旧経営者に保証が残ったままになっていて、金融機関が何も対応してくれない等なお、M&A・事業承継時に限らない経営者保証に関する相談については、経営者保証ホットラインで対応が行われている。※※https://www.fsa.go.jp/receipt/k_hotline/k_hotline.html(参考)「M&A・事業承継時における経営者保証情報ネットワーク」の開設についてhttps://www.fsa.go.jp/receipt/k_network/k_network.html
続きを読む
-
2026/05/22
総務省 「ふるさと納税のポータルサイト運営事業者への支払額等」を公表
総務省は5月12日、「ふるさと納税のポータルサイト運営事業者への支払額等に係る調査結果」を公表した。今回の調査は、全国の1,788自治体を対象に実施されたものであり、主な調査項目として「ポータルサイトを経由したふるさと納税受入額」、「ポータルサイト運営事業者ヘの支払目的別の支払額」について、令和6年度の実績を取りまとめている。まず、ふるさと納税の受入額は1兆2,728億円であり、このうち94.5%に当たる1兆2,025億円がポータルサイトを経由した受け入れとなっており、ふるさと納税の寄附金の受け入れについてはポータルサイトが大きな役割を果たしている状況にある。一方で、ポータルサイト運営事業者に対し支払われた金額の総額(ポータルサイト運営事業者を介して他の事業者に支払われた金額を含む。)は2,559億円であり、ポータルサイトを経由した受入額の21.3%となっている。ポータルサイト運営事業者への支払額の支払目的別の内訳は、返礼品等に係る情報をポータルサイトに掲載するための運営事業者に対する委託料などの事務費等が1,166億円で最も多く、次いで返礼品の調達費が947億円、送付費が234億円、インターネット上のクレジットカード決済の手数料等の決済費が161億円、インターネット広告の掲載に係る費用の広報費が52億円となっている。支払額の総額2,559億円から、調達費及び送付費を除外すると、ポータルサイト運営事業者に対し支払われた金額は1,379億円となり、ふるさと納税の受入額に対する割合(手数料率)は11.5%となっている。また、このうちポータルサイト上位4社に対する手数料は1,249億円であり、全体の90.6%を占めている。手数料について、ポータルサイト運営事業者と個別に減額交渉を行った自治体からは、一切、減額に応じなかったという声も聞かれており、総務省に対し、手数料率引下げに向けた取組を求める要望も多数寄せられている。総務省では、税制上の控除を利用して集められたふるさと納税は公金であり、自治体における行政サービスの充実や地域振興のために活用されるべきものであることから、今回の調査結果を踏まえ、ポータルサイト運営事業者に対し、手数料の引下げに取り組むよう要請していくとしている。(参考)「ふるさと納税のポータルサイト運営事業者への支払額等に係る調査結果」https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zeimu04_02000159.html
続きを読む
-
2026/05/21
国税庁 「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」(第2回)資料を公表
国税庁は5月11日、第2回「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」を開催し、資料を公表した。今回の資料は、3名の委員から提出された資料によって構成されている。渋谷委員の資料では、相続税における財産評価の観点から考察が行われ、財産評価の原則である時価評価について、「それぞれの財産の現状に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われた場合に通常成立する価額」であるとしつつ、実際には「不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる」財産は限られ、そのような想定に基づいて評価するということとしている。また、財産評価のためには何らかの評価方法を用いる必要があり、合理的な評価方法は複数あること、課税庁が自由に決められないこと、課税上は「かための評価」がされるとしている。次に財産評価の実際として、財産の種類については、「かための評価」にとどまらず、時価を下回る評価がされることがあるとし、判例を挙げている。評価水準の平等を達成するためには、評価通達の内容の合理化が必要であり、簡便性・統一性も求められるとしている。弥永委員の資料では、会社法の観点から「会社法の下での裁判所による価格決定」、「裁判例の傾向」、「取引相場のない株式の評価」、「いわゆる非流動性ディスカウントの可否」について具体的事例を挙げて考察が行われている。これらを踏まえた上で「税法上の評価方法の見直しに対するインプリケーション」についてまとめられており、事業承継税制などで納税の猶予等の措置を講ずることが必要であることが示されている。熊谷委員の資料では、M&A実務における中小企業(非上場企業)の企業価値評価の観点から、「評価の目的」、「評価手法」、「弊社評価方法と税務上の評価方法との差異」について考察が行われている。まず、「評価の目的」は、M&A取引交渉の発射台を取引当事者に提示することでディール進行を円滑にすることであり、次に「評価手法」については、コストアプローチをはじめとする手法からの手法の選定、時価純資産及び営業権の算定手順が具体的に示されている。「弊社評価方法と税務上の評価方法との差異」については、主な差異として不動産(土地)評価の時価での計上などが挙げられており、プラスマイナスの要因があるが、実態利益は増額修正となって営業権が相応に計上される会社は多いとしている。(参考)「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」(第2回)資料https://www.nta.go.jp/about/council/nai-hyoka/20260511/pdf/02shiryo_kabukaigi.pdf
続きを読む
-
2026/05/20
中小企業庁 「少額減価償却資産の特例を拡充しました」(リーフレット)を公表
中小企業庁は、このほど「少額減価償却資産の特例を拡充しました」(リーフレット)を公表した。これは、令和8年度税制改正により、「少額減価償却資産の特例」(以下「本特例」という。)が大きく見直され、これまで30万円未満であった取得基準額が40万円未満に引上げられるなど改正についての内容を伝えるリーフレットである。本特例は、これまで従業員数500名以下の青色申告を提出する中小企業者等と従業員数300名以下の出資金等が1億円超の組合等が10万円以上30万円未満の減価償却資産を購入し、使用している場合に、購入した年度で取得金額の全額を一括費用計上できる特例であり、取得する減価償却資産は年間の合計で300万円を上限としている。通常、固定資産は耐用年数に応じて毎年少しずつ費用化するが、この特例を活用することで利益の圧縮による節税効果が期待できることから、特にIT機器導入や設備更新を進める中小企業等がこの制度を利用してきた。今回の改正では、取得額の上限が30万円未満から40万円未満に引上げられ、対象者については従業員数500名以下から400名以下の中小企業等に変更された。取得額の年間の合計300万円の上限の要件については変更なく、適用期限は令和11年(2029年)3月31日まで延長された。40万円未満の対象となる減価償却資産について注意すべき点としては、貸付け(主要な事業として行われるものを除く)に使用されるものを除くことや中小企業経営強化税制のE類型の適用を受ける場合に、E類型の投資計画の期間中は本特例の適用を受けられないとされている。適用手続きは比較的簡単になっており、個人事業主については、青色申告決算書の「減価償却費の計算」の「適用」欄に「措法28の2」と記載することとされており、法人については、法人税の確定申告書に別表と適用額明細書を添付することとされている。なお、リーフレットでは、「本税制の詳細」及び「経済産業関連税制の詳細」についてQRコードにより案内している。近年は、デジタル化や物価上昇の影響により設備価格が高騰していることから、取得基準額の40万円未満への引上げにより、対象資産が広がることで、中小企業のDX推進や生産性向上を支える改正として期待されている。(参考)少額減価償却資産の特例を拡充しましたhttps://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/pamphlet/syougaku_shisan.pdf(参考)少額減価償却資産の特例(40万円未満の資産は取得時に全額損金算入できます)https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/tokurei/syougaku_shisan.html
続きを読む
-
2026/05/19
低未利用土地の利活用促進に向けた長期譲渡所得100万円控除制度の利用状況
国土交通省は、3月31日、低未利用土地の利活用促進に向けた長期譲渡所得100万円控除制度の利用状況について公開した。国土交通省により、公表された内容は、1.低未利用土地の譲渡に係る100万円控除制度概要、2.自治体による確認書交付実績、3.令和5年の低未利用土地等確認書交付実績に係る件数の修正となっている。1.低未利用土地の譲渡に係る100万円控除制度概要この特例措置は、全国的に空き地・空き家が増加する中、新たな利用意向を示す者への土地の譲渡を促進するため、個人が保有する低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の金額から100万円を控除することで、土地の有効活用を通じた投資の促進、地域活性化、更なる所有者不明土地の発生の予防を図ることを目的に、令和2年7月1日から制度が開始されたものである。令和5年1月からは一部区域内での価格要件が引き上げられている(令和5年度税制改正において、市街化区域、用途地域設定区域又は所有者不明土地対策計画を作成した市町村の区域内の低未利用土地について、価格要件を800万円以下に拡充)。2.自治体による確認書交付実績令和6年中に、自治体が低未利用土地等の譲渡に対して確認書を交付した件数は4,817件であり、全ての都道府県において交付実績があった(平均約102件、1件当たりの譲渡対価平均303万円)。また、譲渡前の状態については、空き地が49.6%であり、譲渡後の利用については、住宅が72.1%となっていた。所有期間については31年以上保有されている土地等が65.1%であった。なお、確認書の件数は、申請のあった土地等について、都市計画区域内の低未利用土地等であることや、譲渡後の利用等について、自治体が確認して発行するものであり、確認書の交付後、他の要件を満たさず、適用にならないこともあり得るため、税制特例措置の適用件数とは一致しない可能性がある。3.令和5年の低未利用土地等確認書交付実績に係る件数の修正令和6年12月24日に公表した「令和5年低未利用土地等確認書交付実績」について、4,555件と報告されていたが、令和6年調査として報告すべき令和6年1~3月に交付された確認書について、令和5年調査で集計されていたことが明らかとなったため、再集計が行われた。再集計した令和5年の低未利用土地等確認書の交付実績は、4,550件となっていた。譲渡前の状態は、空き地が50%、譲渡後は住宅としての利用が68%、所有期間については31年以上保有されている土地等が65%であった。(参考)低未利用土地の利活用促進に向けた長期譲渡所得100万円控除制度の利用状況について~令和6年の低未利用土地等確認書交付実績は4,817件~https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo05_hh_000001_00259.html
続きを読む
-
2026/05/18
国税庁 「10万円控除要件が変わります!」(リーフレット)を公表
国税庁は、このほど同庁のホームぺージで「簡易簿記による10万円の青色申告特別控除を適用している皆様へ」と題し、「令和9年分以降の所得税について、事業所得又は不動産所得に係る、10万円控除要件が変わります!」(リーフレット)を公表した。このリーフレットでは、令和8年度税制改正により、令和9年分以後の所得税から青色申告特別控除の10万円控除要件が変更されることが案内されている。従来、青色申告特別控除は、複式簿記などを条件とする55万円控除・65万円控除と簡易簿記を条件とする10万円控除があり、なかでも10万円控除については簡易な帳簿付けを行う個人事業者や不動産業者によって広く利用されてきた。今回の改正で注目されるのは、簡易簿記による10万円控除について、一定規模以上の事業者は適用対象外となる点である。具体的には、その年の前々年分の不動産所得または事業所得に係る収入金額が1,000万円を超える場合、簡易簿記による10万円の青色申告特別控除を受けられなくなる。前々年分の収入金額が1,000万円以下であれば従来どおり簡易簿記による10万円控除を受けられることになる。なお、不動産所得については、取扱いに注意が必要で収入区分が1,000万円を超えていたとしても、事業的規模に該当する場合のみ控除対象外となり、業務的規模(事業的規模に該当しないもの)に該当する場合は、改正前と同様に10万円控除を受けることができる(業務的規模の場合、複式簿記に移行したとしても、控除額は簡易簿記の場合と同様に最大10万円となる)。リーフレットでは、対応策として「複式簿記+e-Tax送信」が推奨されている。これは複式簿記で帳簿を作成し、電子申告(e-Tax)を行うことで65万円の控除を受けることができ、さらに「複式簿記+e-Tax送信」に加えて、請求書データ等の自動連携や訂正削除履歴など一定の条件を満たす優良な電子帳簿を作成、保存している場合は、最大75万円の控除を受けることができる。リーフレットの裏面では複式簿記を始めるにあたって、会計ソフトを利用することで、日々の仕訳を簡単に行うことができるほか、損益計算書や貸借対照表を効率的に作成できるようになると利便性を説明している。なかでもクラウド会計ソフトを利用することで、銀行口座との自動連携や請求書・レシートのスキャンといった機能を活用し、業務の効率化を図ることができる。会計ソフトの導入に当たっては、デジタル化・AI導入補助金が活用でき、特に小規模事業者の場合は導入費用の最大80%が補助されると案内されている。また、複式簿記を始めるにあたり記帳指導が受けられる指導機関として青色申告会、商工会・商工会議所を紹介するほか、税務署でも記帳に関する説明会を無料で行っていると案内されている。なお、自分で学習したい場合は、帳簿の記帳のしかたに関する動画をYouTube「国税庁動画チャンネル」に掲載していると紹介している。今回の改正は、簡易簿記から複式簿記への移行を推進するほか青色申告制度のデジタル化・高度化を象徴する見直しといえる。(参考)10万円控除要件が変わりますhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/0026004-012.pdf
続きを読む
1523 件の結果のうち、 1 から 10 までを表示




