税務デイリーニュース
税務に関する最新のニュースを毎日お届けします。
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2025/10/14
経営者の学び直しに関するアンケート調査結果
東京商工会議所は、9月12日、教育・人材育成委員会において、経営者の学び直しに関する実態や課題などを把握するため、「経営者の学び直しに関するアンケート調査」を実施し、ヒアリングを行った4社の事例とともにとりまとめ、公表した。このアンケート調査は、2025年5月13日~6月9日に、創業3年超の東商会員25,000社(回答数:446社(回答率1.8%))に対して、WEBアンケート調査により実施された。中小企業経営者は、人口減少・流出など構造的な人手不足に加え、賃上げに伴う労務費増、円安等を背景としたコストアップ等の急激な環境変化に直面しており、国はこれら課題を克服するため、生産性向上への省力化支援を推進し、さらに、経営の質向上の必要性から「経済財政運営と改革の基本方針2024」に「リスキリングの対象に経営者を追加し、2029年までに約5,000人の経営者等の能力構築に取り組む」ことを盛り込んでいる。経営者の学び直しは、経営力や生産性向上、従業員の学び直し(人材育成)の後押しなどに繋がることが期待されているが、経営資源に限りのある中小企業経営者は、現場の業務を兼務するなど多くの役割を担い、多忙な状況なため、自身の学びは後回しにしてしまう傾向にあることが想定されている。今回のアンケートでは、(1)中小企業経営者の学び直しの状況の把握、(2)経営者自身の学びへの姿勢と、①企業の成長・挑戦、②従業員の学び直しへの支援の2点の関連性を確認し、経営者の学び直しが、経営力の向上や生産性向上、人材育成方針にどんな影響を与えているかを分析したものである。調査結果のポイントは、学び直しの実施状況、学び直しのきっかけと内容、学び直しの課題、学び直しの効果に分けて記載されている。学び直しの実施状況では、経営者の学び直しの実施状況について、学び直しに「取り組んでいる」企業が50%、「取り組んでいないが2~3年以内に取り組みたい」が20%、「過去取り組んでいたが、現在は取り組んでいない」が8%、「取り組んでおらず、取り組む予定もない」が22%の順となっていた。現在または将来的に学び直しに取り組む経営者が合計7割に達しており、回答した経営者の学習意欲の高さが目立っている。学び直しきっかけと内容では、「事業を進める上で不足している知識やスキルを習得したかったから」が最多で80%、「新しい分野の知識やスキルに興味があったから」が56%。外部からの働きかけではなく、自らの課題意識を理由とする回答が多くなっていた。経営者の学び直しの内容は、事業成長に直結する実践的知識(既存事業・新規事業で必要な知識・スキル、デジタル、法務会計)が多く、個人的興味や語学等の汎用的スキルの学び直しは少数となっていた。学び直しの課題としては、現在取り組んでいる経営者、取り組んでいない経営者のいずれも時間的な制約を挙げる回答が最も多く、忙しい経営者の仕事と学びの両立の困難がうかがえるものとなった。学び直しの効果としては、経営者が学び直しに取り組む企業は、新規事業に積極的で利益はやや上昇傾向であり、従業員の学び直しの機会提供や支援に積極的であることがわかった。(参考)「経営者の学び直しに関するアンケート調査」結果https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1207097
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2025/10/10
ESTA等の申請代行サイトに関する相談が増加中
独立行政法人国民生活センターは、8月6日「ESTA等の申請代行サイトに関する相談」についての注意喚起を公表した。国民生活センター越境消費者センターや全国の消費生活センターには、「インターネットで検索したサイトでESTAを申請したら、思わぬ金額の代行手数料を請求された」などの電子渡航認証申請代行サイトに関する相談が増えている。近年、アメリカのESTA、イギリスのETA、オーストラリアのETA、カナダのeTA、韓国のK-ETAなど、渡航にあたり事前に電子渡航認証を受けることを義務付ける国が増えており、いずれの国も、公式サイトから電子渡航認証を申請することができるが、インターネットで検索し、上位に表示された申請代行サイトを公式サイトだと思い込み、申請したことでトラブルとなる事例が増加している。コロナ禍が明け、海外渡航がより活発になり、今後もヨーロッパの一部の国でETIASの導入が予定されているなど、電子渡航認証制度の導入国のさらなる増加に伴い、同種のトラブルの増加が懸念されている。このような消費者トラブルの未然防止・拡大防止のため、消費者に注意喚起が行われたものである。国民生活センター越境消費者センターに寄せられた相談事例には、「公式サイトだと思い申請したところ、申請代行サイトだった。電子渡航認証は取得できたが、高額な手数料に納得ができない」「意図せず申請代行サイトで申請してしまったが、本当に申請できているのか不安だ」「公式サイトだと思い申請したところ、申請代行サイトから高額な請求があったが、手続きも進まずキャンセルもできない」「公式アプリでしか申請ができないはずのETA(オーストラリア)の申請代行をうたうサイトと契約してしまったため、返金を求めたが応じない」などがあり、消費者は電子渡航認証をインターネットで検索し、上位に表示された申請代行サイトを公式サイトと思い申請していることや消費者は申請代行手数料が発生することを認識しないまま、申込みをしているという問題点がある。相談事例のようなトラブルを回避するためには、1.公式サイトからの申請を希望して、インターネット検索する際は、表示されたサイトが公式サイトかどうかを確認する、2.申請代行サイトと契約後は、キャンセルが困難な場合が多いため、契約前に契約内容やキャンセル条件等を確認する、3.申請代行サイトと契約した場合は、公式サイト等で申請状況を確認することが必要となり、不安に思った場合にはすぐに消費生活センター等に相談することが必要である。最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等を案内する全国共通の3桁の電話番号は、消費者ホットライン:「188(いやや!)」番となっており、海外の事業者とのトラブルについては国民生活センター越境消費者センター(CCJ)でも相談を受け付けているので、必要に応じて利用するとよい。(参考)ESTA等の申請代行サイトに関する相談が増加していますhttps://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20250806_1.html
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2025/10/09
中小企業のための「従業員承継 チェックシート」
東京商工会議所は9月11日、事業承継対策委員会において、従業員承継を検討する際に、事前に確認すべきポイントをチェック項目の形式でまとめた「従業員承継チェックシート」を新たに作成、公表した。中小企業の事業承継は、これまで「親族内承継」が中心であったが、東京商工会議所の「事業承継に関する実態アンケート(2024年2月公表)」では、従業員承継の割合は着実に増加してきており、2020年以降に承継した企業は3割が役員・従業員への承継となっている。一方で従業員承継は、親族内承継やM&Aに比べて、参考となる事例や支援施策などの情報が少なく、また、企業の状況によって様々な方法があるため、どのように進めたらよいか、何に注意したらよいか、悩む経営者も少なくない。このような課題を踏まえて東京商工会議所では、今回、従業員承継を検討する中小企業の経営者自身が、自社の準備状況を確認できるよう、チェックシートを作成した。このチェックシートは、表面に事業承継のステップごとに「チェック項目」と、事前に対策しておかないと起こり得る「潜在的なリスク」をまとめており、裏面には、従業員承継に関する2社の事例を掲載している。具体的な従業員承継を考える上でのチェック項目は、step01後継者候補の選定、step02後継者の意思確認、step03後継者教育と組織体制の整備、step04経営権の移転、step05株式・不動産等資産の移転からなっており、各ステップには、確認すべき項目(step01後継者候補の選定では、親族内(子、その他親族含む)には後継者候補がいないことを確認している、親族内で、親族外の従業員が承継することに対して同意がある、社内に後継者候補となる従業員がいるの3項目)と潜在的なリスク(step01では、後から継ぎたいという親族が現れた/親族から、従業員に会社を渡すことについて反対意見が出た/現代表者が高齢だが、社内に後継者が育っていない)が示されており、step01からstep05までのチェック項目のうち一つでもチェックがつかなかった項目がある場合は、支援機関に相談をするよう呼び掛けている。チェック項目にチェックがつかない場合の潜在的なリスクが具体的に示されていることで、明確な合意等がない場合に起こりうる問題の概要を把握することができるようになり、従業員承継を考える際に事前に対処すべき事項の概要を把握することがわかるようになっており、確認しておくとよい。なお、チェックシート裏面に記載されている従業員承継の事例は、従業員数27名/資本金3,000万円の設備工事業と従業員数5名/資本金300万円の自動車整備用機械工具の卸売業の事例で、従業員承継の経緯や具体的な支援の概要について簡潔に記載されている。(参考)中小企業のための「従業員承継チェックシート」を作成しましたhttps://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1207049
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2025/10/08
厚生労働省「業務改善助成金」を拡充
厚生労働省は、9月5日から、最低賃金の引上げに向けた環境整備のため、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げを図る中小企業等の生産性向上に向けた取組を支援するための「業務改善助成金」の拡充を行うことを公表した。「業務改善助成金」は、事業場内最低賃金を引き上げ、設備投資等を行う中小企業に対し、その費用の一部を助成するものであるが、より多くの中小企業が活用できるよう、対象事業者の範囲等を拡充することとされた。具体的には1.対象事業者の拡大、2.申請手続きの簡素化が行われる。1.対象事業者の拡大は、従来は、事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内の事業者を対象(事業場内最低賃金がX+50円までの事業所が対象)としていたが、今回の拡充により、事業場内最低賃金が改定後の地域別最低賃金未満までの事業者を対象とすることとされた(事業場内最低賃金がX+51円~X+62円までの事業所が対象)。なお、事業場内最低賃金が改定後地域別最低賃金と同額の場合は対象外となる。2.申請手続きの簡素化は、従来は、助成金申請前に賃金引上げ計画を立て、申請後に賃金を引き上げる必要があり、賃金引上げ後の申請は不可とされていたが、今回の拡充により、賃金引上げ計画の事前提出について省略が可能となった(令和7年9月5日から令和7年度当該地域の最低賃金改定日の前日までに賃金引上げを実施していれば、賃金引上げ計画の提出は不要)。なお、令和7年9月5日から令和7年度当該地域の最低賃金改定日の前日の期間以外の賃金引上げは一切対象とならないため、対象期間については、注意が必要となる。助成金支給までの流れは、1.交付申請書・事業実施計画など必要書類を事業場所在地を管轄する都道府県労働局に提出、2.審査・交付決定後、提出した計画に沿ってく設備投資等の事業を実施、3.労働局に事業実施結果を報告、4.審査後支給決定となっている。厚生労働省では、令和7年度予算「賃上げ」支援助成金パッケージとして、業務改善助成金以外にも生産性向上(設備・人への投資等)として働き方改革推進支援助成金、人材開発支援助成金、人材確保等支援助成金、非正規雇用労働者の処遇改善としてキャリアアップ助成金(正社員化コース、賃金規定等改定コース)、より高い処遇への労働移動等への助成金を実施しているため、併せて確認しておくとよい。(※)(※)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/package_00007.html(参考)業務改善助成金https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html
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2025/10/07
年末調整手続の電子化で業務の効率化
国税庁は、9月12日に年末調整の電子化に関するパンフレットを同庁のホームページに掲載した。年末調整の電子化とは、これまで書面で行っていた年末調整の手続きをすべてデータで行うことである。具体的には、まず従業員(給与所得者)が年末調整に必要な控除証明書をデータで取得し、これを利用して年末調整に関する申告書をデータで作成する。次に勤務先(給与の支払者)が従業員から年末調整に関する申告書及び控除証明書等のデータ提供を受け、所得税の年税額を計算し、作成した源泉徴収票等を従業員、税務署、市町村に提出することで終了する。これまでの年末調整は、従業員が年末調整に必要な控除証明書を書面(ハガキ等)で受取り、年末調整に関する申告書に証明書の内容を手書きで記載し、控除額を計算したうえで控除証明書とともに申告書を勤務先に提出する。勤務先においては、提出された申告書を基に年税額を計算するという流れで進められていた。パンフレットでは電子化のメリットについて、勤務先は関係書類の配付や回収が不要、控除額や添付書類のチェックが簡単、会社のシステムへの手入力作業が不要、書類の保管場所が不要となっており、従業員は手書きでの書類作成が不要、控除額はソフトが自動計算、テレワーク中の従業員も提出可能、マイナポータル連携を利用すれば、保険料等の控除証明書等をまとめて取得可能となると紹介している。年末調整の電子化は令和2年10月から始まり、年末調整控除申告書作成用ソフトウェアの活用やマイナポータル連携による保険料控除証明書、住宅借入金年末残高証明書の取得など徐々に環境が整えられてきているが、電子化を行うためには、勤務先が控除申告書や残高証明書をデータで受付けるための環境整備を行うことや、データを直接やり取りする上でのセキュリティの検討、従業員への周知など様々な準備・検討が必要となる。今回、掲載されたパンフレットは「電子化の概要「年末調整手続の電子化で業務の効率化」」、「電子化の進め方(勤務先編)」、「電子化の進め方(従業員編)」、「従業員の方への周知資料」、「民間会計ソフトを活用した年末調整手続の電子化(参考事例)」、「よくある質問(FAQ)」の6種類あり、電子化を進めるうえで勤務先が準備・検討すべき事項や従業員が準備すべき事項を細かく解説しており、今年から年末調整の電子化を進めていく事業者には有益な資料となっている。(参考)年末調整手続の電子化に関するパンフレットhttps://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho_pamph.htm
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2025/10/06
全国の地価動向は全用途平均で4年連続上昇
国土交通省は、9月16日に令和7年都道府県地価調査の結果を公表した。この調査は、国土利用計画法に基づき、各都道府県知事が毎年1回基準値の価格調査を実施し、公表しているもので、国が行う地価公示とあわせて一般の土地の取引価格の指標となっている。本年の調査は、全国21,441地点を対象に令和7年7月1日時点の価格を調査しており、全国の地価動向は、全国平均・住宅地・商業地など、いずれも4年連続の上昇となり、上昇幅も拡大傾向となった。全国における上昇率(前年比)は、全用途平均で+1.5%、用途別では、住宅地+1.0%、商業地+2.8%となっている。三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)では、全用途平均で+4.3%、住宅地+3.2%、商業地+7.2%となっている。住宅地については、住宅需要が引き続き堅調なことから地価上昇が継続しており、特に東京圏や大阪圏の中心部において高い上昇を示しているほか、リゾート地域等では、別荘・コンドミニアムや移住者、従業員向けの住宅需要を背景に高い上昇を示している。また、子育て環境の整備により転入者が多い地域は、住宅需要に支えられ、高い上昇を示している。商業地については、主要都市の店舗・ホテル等の需要が堅調であり、オフィスについても空室率の低下傾向等により地価上昇が継続しているほか、マンション需要との競合がある地域、インバウンドが増加した観光地、再開発事業が進展している地域なども上昇が継続している。三大都市圏でみると東京圏の上昇率(前年比)は、全用途平均+5.3%、用途別では、住宅地+3.9%、商業地+8.7%、大阪圏は、全用途平均+3.4%、住宅地+2.2%、商業地+6.4%、名古屋圏は、全用途平均+2.1%、住宅地+1.7%、商業地+2.8%となっており、東京圏が最も上昇率が高く、名古屋圏では上昇幅はやや縮小している。地方圏でみると、全用途平均+0.4%、住宅地+0.1%、商業地+1.0%となっており、いずれも小幅ながら上昇している。令和6年に地震による被害を受けている能登半島については、被害を受けた地域では、地価の下落が続いているが、下落幅は縮小している。景気が緩やかに回復する中、地域や用途により差があるものの、全国的には上昇傾向は続いており、三大都市圏を中心に上昇傾向は続くとみられる。(参考)全国の地価動向は全用途平均で4年連続上昇https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo04_hh_000001_00067.html
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2025/10/03
経団連 令和8年度税制改正に関する提言を公表
経団連(日本経済団体連合会)は、9月16日に「令和8年度税制改正に関する提言」を公表した。提言では、わが国の持続的な成長の実現に向け、積極的な国内投資の拡大を促すための税制を構築することが必要であり、なかでも科学技術立国に向けた基盤として、研究開発税制をはじめとした研究力強化・イノベーション創出を後押しする税制措置が重要としている。また、分配の観点からは、持続可能な全世代型社会保障の構築に向けた税・財政・社会保障一体改革などの検討、貿易・投資立国を目指す観点からは、国際課税の分野における、国際ルールの尊重及び積極的なルール形成への関与が求められるとして、次の3つのテーマについて提言を行っている。1成長の実現に向けた税制の構築成長の実現に向けた観点からは、研究開発投資を増加させるため、研究開発税制の維持・強化、国内投資を積極的に行う企業に即時償却や税額控除などの設備投資減税措置、自動車関係諸税の総合的な見直し、GXに取り組む企業へ税制面での支援、エネルギー関係諸税の総合的な見直し、国税及び地方税のデジタル化などを整備すべきとしている。また、企業収益が増加する中で法人税収は大きく伸び、税収の増加に貢献しているが、法人税率がこれ以上高くなった場合、国内投資や賃上げにマイナスの影響を与えるとの強い懸念を示している。2持続的な分配に資する税制の構築持続的な分配の観点からは、税・財政・社会保障一体改革として、税と社会保険料のバランスを適正化していくことや応能負担(富裕層の負担増)を徹底することが重要としている。また、働き方や職業選択に対し中立的な税制を構築することや、金融、証券・保険税制としてNISAの拡充、上場株式等に係る相続税の評価方法の見直し等を行うことが必要としている。3企業のグローバル活動を下支えする税制国際課税の観点からは、OECD/G20包括的枠組(IF)における「2本の柱」について、第1の柱(市場国への新たな課税権の配分)、第2の柱(グローバル・ミニマム課税)とも様々な課題がある中で参加国による建設的な議論を継続し、早期の合意に期待するとしている。また、外国子会社合算税制(CFC税制)については、過剰課税の解消や事務負担の軽減を図る観点から、制度の早急な見直しを必要としている。経団連は、将来のわが国の経済・産業の姿として令和6年12月に「FUTUREDESIGN2040」を公表し、2040年に向け「成長と分配の好循環」を通じて「厚生・公平な持続可能な社会」、「分厚い中間層」を構築することを目指しており、今回の税制改正に関する提言のテーマも「成長と分配の好循環の定着に向けて」としている。(参考)令和8年度税制改正に関する提言https://www.keidanren.or.jp/policy/2025/060.html
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2025/10/02
経済産業省 最低賃金の引上げに係る支援策を公表
経済産業省は、9月9日に過去最大となった今般の最低賃金の引上げに対応する中小企業・小規模事業者を支援する取組を公表した。9月5日までに今年の最低賃金について、全ての都道府県の地方最低賃金審議会で答申が取りまとめられた。それらの結果、全国加重平均額(※)は、過去にない水準の1,112円(引上げ率6.3%、引上げ額66円)となった。経済産業省・中小企業庁は、中小企業・小規模事業者が賃上げの余力を確保できるよう、環境整備に係る支援について以下のとおりとりまとめた。1賃上げ原資確保に向けた価格転嫁対策の強化令和8年1月施行の改正下請法(取適法)・振興法を着実に執行することで、価格転嫁や支払期間の短縮等の課題に対し、協議に応じない一方的な価格設定についての禁止などの措置を行い、賃上げの原資を確保する。また、発注側企業等における取引慣行の改善として、所管する大臣名で企業トップへ指導・助言を行うことや取引Gメン等による「注意喚起」、「協力要請」などの行政指導の強化、今般の法改正を踏まえた取引適正化について業界団体向けへの要請を実施する。2賃上げ原資確保に向けた補助金等による支援地域の社会機能を担う小規模事業者の販路開拓等を支援するため、持続化補助金や賃上げ促進税制における5年間の繰越控除措置の活用などを通じて、赤字の状況でも賃上げできるよう後押しを行う。また、100億円企業を目指す中小企業への成長加速化支援や経営資源の有効活用を進める事業承継、M&Aについても引き続き支援を行う。3中小・小規模企業の生産性向上の賃上げ支援機能の強化ものづくり補助金、IT導入補助金、省力化投資補助金(一般型)について補助率引上げ特例の要件緩和や賃金引上げを行うことによる加点措置などの優遇措置を行う。また、中小企業庁、厚生労働省との連携強化により、支援策を掲載したリーフレットを共同で作成し、それぞれの拠点(中小企業庁:よろず支援拠点、厚生労働省:働き方改革推進支援センター及び労働基準監督署)を活用して相互に支援策の周知を徹底する。最低賃金の引上げへの対応は、「中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画」の一環として政府全体での取組となっている。(※)都道府県ごとの労働者数×地位別最低賃金で計算した全国の合計を、総労働者数で割った額をいう。(参考)最低賃金引上げに対応する中小企業・小規模事業者への支援策を公表しますhttps://www.meti.go.jp/press/2025/09/20250909001/20250909001.html
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2025/10/01
戸籍にフリガナが記載されます(オンライン届出)
令和5年6月2日、戸籍法の一部改正を含む「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律」が成立し、同月9日に公布された。従前は、氏名の振り仮名(フリガナ)は戸籍上公証されていなかったが、この改正法の施行により、戸籍の記載事項に新たに氏名のフリガナが追加されることとなった。改正法は、令和7年5月26日に施行され、改正法の施行日以降、本籍地の市区町村から戸籍に記載される予定の氏名のフリガナが通知されている。記載されたフリガナが認識と一致している場合は、令和8年5月26日以降に、この通知に記載されたフリガナがそのまま戸籍に記載されるため届出は不要だが、認識と違うフリガナが記載されていた場合は、届出が必要になる。この届出は、市区町村窓口での届出や郵送によることができるが、マイナポータルを利用してオンラインで行うこともできる。マイナポータルを利用したオンライン届出の流れは、・届出トップページにアクセスし、マイナンバーカード情報を読み取り、戸籍情報を確認する・フリガナの確認・届出対象(氏名)の選択、振り仮名入力、連絡先入力、届け出内容を確認し、同意する・電子署名・届出となっており、届出後、「氏名の振り仮名届出」のトップ画面から届出の状況を確認することができるようになっている(補正・取下げも振り仮名トップ画面から行う)。マイナポータルを利用した届出については、下記の点に留意することが必要である。・戸籍に記載されるフリガナの確認について(届出が不要な場合)「フリガナの確認・届出対象の選択」画面で表示される「戸籍に記載されるフリガナ」に誤りがない場合は届出不要となっており、この画面で「フリガナの確認を終了するボタン」を選択して手続を終了することができる。・届出状況の確認について(二重届出の防止)届出手続後、マイナポータル上で届出状況を確認できるようになるまでには一定の時間がかかる。その間に再度届出手続を行うと、二重の届出となり、後続の分の取下げが必要となるなどの負担が発生してしまうため、確認は1日程度空けてから行うことが必要である。・マイナンバーカードへのフリガナ記載が可能となる時期について届出が受理されたとしても、マイナンバーカードへフリガナを記載できるようになるのは令和8年6月頃からとなる(即時に可能となるものではない)。(参考)フリガナが記載されるまでhttps://www.moj.go.jp/MINJI/furigana/flow.html(参考)オンライン届出についてhttps://www.moj.go.jp/MINJI/furigana/flow_online.html
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2025/09/30
「中小企業におけるインボイス制度等に関する実態調査」結果の公表
日本商工会議所ならびに東京商工会議所は、9月9日「中小企業におけるインボイス制度等に関する実態調査」の結果を取りまとめ、公表した。この調査は、2023年10月に消費税インボイス制度が始まったことを受け、事業者の対応状況や負担の状況、各種負担軽減措置の効果等と、あわせて経理事務等のバックオフィス業務の状況等について調査したものであり、各地商工会議所の会員企業2,710者を対象に2025年6月23日から7月31日にかけて実施されたものである。回答企業の事業形態は、個人事業主52.4%、法人46.5%、取引形態は、BtoB中心53.6%、BtoC中心46.4%、売上高1千万円以下33.5%、1億円超31.5%、業種は、その他サービス業21.0%、製造業16.5%、小売業15.4%、建設業14.7%、宿泊・飲食業11.1%他となっていた。インボイス制度については、免税事業者(制度導入前)のインボイス登録状況等8項目について調査が行われ、バックオフィス業務については、経理事務の従事人数・専任従業員の状況等5項目について調査が行われた。インボイス制度についての調査結果概要は以下のとおりである。インボイス登録状況については、制度導入前免税事業者であった事業者のうち、BtoB中心事業者では78.6%、BtoC中心事業者では24.6%がインボイス発行事業者登録を行っていた。インボイス登録を行っていない免税事業者(BtoB中心)の75.4%が、制度の基本的な仕組みを「理解している」あるいは「ある程度理解している」と回答し、BtoB中心事業者がインボイス登録を行わなかった理由としては「取引先から要請がなかった」が最多となっていた。課税転換(インボイス登録)した事業者の価格交渉の状況については、免税事業者からインボイス登録(課税転換)したことを契機に価格交渉を行った事業者のうち、76.9%が値上げを実現しており、価格交渉してない理由としては「価格交渉の提案等がなかったから」が最多で、交渉を進めるうえで必要な環境整備としては「取引慣行の改善」が最多となっていた。課税転換(インボイス登録)した事業者の2割特例の適用状況は、免税事業者からインボイス登録(課税転換)した事業者の68.6%が2割特例を適用しており、2割特例を適用した事業者の92.0%が「スムーズに消費税申告できた」と回答した。本則課税事業者における免税事業者との取引状況は、免税事業者から仕入等を行う本則課税事業者は43.7%で、そのうち57.6%は仕入額が100万円以上となっており、今後、取引価格や仕入先の見直しを行う事業者は42.3%で、免税事業者との取引継続の理由としては「代替となる取引先がいない」が最多となった。インボイス発行事業者のコスト・事務負担の状況は、制度導入により45.8%がコスト増加、73.4%が事務負担増加と回答し、増加したコストは「既存システムの改修」が最多で、増加した事務負担は「仕入先のインボイス登録状況確認・管理」が最多となった。(参考)「中小企業におけるインボイス制度等に関する実態調査」結果についてhttps://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1207117
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