税務デイリーニュース
税務に関する最新のニュースを毎日お届けします。
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2025/11/21
厚生労働省、新規学卒就職者の離職状況を公表
厚生労働省は、10月24日に新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表した。公表内容によると令和4年3月に卒業した新規学卒就職者の就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者では37.9%(前年比▲0.5ポイント)、新規大卒就職者においては33.8%(同比▲1.1ポイント)となっており、いずれも昨年より若干の減少となった。新規高卒就職者の3年以内の離職率37.9%の内訳は、1年目の離職が17.9%、2年目が11.5%、3年目が8.5%となっており、1年目での離職率が最も高くなっている。事業所規模別でみると5人未満の事業所での離職率は、63.2%(同比+0.7ポイント)、5~29人が、54.6%(同比+0.2ポイント)、30~99人が45.2%(同比▲0.1ポイント)、100~499人が36.7%(同比▲0.4%)、500~999人が29.9%(▲1.6ポイント)、1,000人以上では26.3%(同比▲1.0ポイント)となっており、小規模事業所において離職率が高い状況となっている。産業別では宿泊業、飲食サービス業の離職率が最も高く64.7%(同比▲0.4ポイント)となっており、次に生活関連サービス業、娯楽業61.5%(同比+0.5ポイント)、教育、学習支援業が53.6%(同比+0.5ポイント)、医療、福祉が49.2%(同比▲0.1ポイント)、小売業が48.3%(同比▲0.3ポイント)と続いている。新規大学就職者の3年以内の離職率33.8%の内訳は、1年目の離職が12.1%、2年目が11.9%、3年目が9.9%と大卒の場合も新規高卒就職者と同様に1年目での離職率が最も高い。事業所規模別でみると5人未満の事業所での離職率は、57.5%(同比▲1.6ポイント)、5~29人が、52.0%(同比▲0.7ポイント)、30~99人が41.9%(同比▲0.5ポイント)、100~499人が33.9%(同比▲1.3%)、500~999人が31.5%(▲1.4ポイント)、1,000人以上では27.0%(同比▲1.2ポイント)となっており、新規高卒就職者と同様、小規模事業所ほど離職率が高い状況となっている。産業別では宿泊業、飲食サービス業の離職率が最も高く55.4%(同比▲1.2ポイント)となっており、次に生活関連サービス業、娯楽業54.7%(同比+1.0ポイント)、教育、学習支援業が44.2%(同比▲2.4ポイント)、医療、福祉が40.8%(同比▲0.7ポイント)、小売業が40.4%(同比▲1.5ポイント)と続いており、離職率の高い業種が大卒就職者と高卒就職者でほとんど変わらないことが伺える。厚生労働者では、引き続き、新卒応援ハローワークなどの取り組みにより、新規学卒就職者に対する職場定着のための支援や離職者に対するきめの細かな就職支援を行っていくこととしている。(参考)新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表しますhttps://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00010.html(参考)新卒応援ハローワークhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000132220.html
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2025/11/20
税務行政におけるオンラインツールの利用
国税庁はこのほど、調査等においてオンラインツールを利用すると発表した。国税庁では、令和7年9月以降、デジタル庁が提供する政府共通の業務実施環境であるGSS(ガバメントソリューションサービス)を順次導入しており、GSSにおいて提供されるオンラインツールであるインターネットメール、Web会議システム(MicrosoftTeams)、オンラインストレージサービス(PrimeDrive)及びアンケート作成ツール(MicrosoftForms)を必要に応じて業務利用するとしている。国税庁では、オンラインツールの利用については、税務署及び国税局の担当者と利用者双方の合意の下で利用することとしており、また、利用の開始は、令和7年10月より金沢国税局・福岡国税局において行われ、その他の国税局においても順次利用を拡大していくとしている。オンラインツールの利用の流れは、下記のとおりである。①オンラインツール利用に関する意思確認オンラインツールのうち、インターネットメール、Web会議システム(MicrosoftTeams)、オンラインストレージサービス(PrimeDrive)の利用に当たっては、利用者の理解を得ることを前提としているため、税務署等の担当者から利用者に対して、オンラインツールの利用に関する意思確認が行われ、利用を希望する場合は、「オンラインツールの利用に関する同意事項」の内容に同意するとともに、オンラインツールの利用の際に使用するメールアドレスなど所定の事項を登録することが必要になる。オンラインツールの利用の際に使用するメールアドレスなどの登録はアンケート作成ツールであるMicrosoftFormsより行われる。税務署又は国税局ごとにMicrosoftFormsのフォーマットが用意されているので、利用者の所轄税務署等のフォーマットから登録することになる。②テストメールの送受信、インターネットメールの利用オンラインツールの利用に関する同意及びメールアドレス等の登録後、税務署等の担当者から登録したメールアドレスに対して、テストメールが送信される。なりすまし防止の観点から、税務署等の担当者が電話又は対面によりテストメールの受信確認を行い、利用者からテストメールへの返信を受けることで、インターネットメールの利用が開始されることになる。③MicrosoftTeams、PrimeDriveの利用MicrosoftTeams又はPrimeDriveは、税務署等の担当者から、インターネットメールにより登録メールアドレス宛てに送信されるMicrosoftTeams又はPrimeDriveのURLにアクセスすることで利用が可能となる。(参考)税務行政におけるオンラインツールの利用についてhttps://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/onlinetool/index.htm
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2025/11/19
Windows10の利用について
国税庁は、10月14日、「Windows10をご利用の方へ」として、Windows10については、令和7年10月14日をもってMicrosoft社におけるサポートが終了し、これに伴い、令和7年10月14日以降、Windows10は、国税庁が提供する以下の対象ソフト等の推奨環境外とすると注意喚起を行った。推奨対象外となるソフト等は、下記のとおりである。・e-Taxソフト・e-Taxソフト(WEB版)・確定申告書等作成コーナー・e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナー・電子的控除証明書等作成ソフト・NISAコーナー・FATCAコーナー・多国籍企業情報の報告コーナー・CRS報告コーナー・CSVファイルチェックコーナー・QRコード付証明書等作成システム10月14日以降のe-Taxソフト(WEB版)の推奨環境は、OSがMicrosoftWindows11、ブラウザがMicrosoftEdge、GoogleChromeとなる。8月14日以降に税理士会各単位会で申込受付が開始された税理士認証カード・第六世代税理士用電子証明書の対応OSもWindows11とされており、「Windows10においても使用可能ですが、公式サポート有効期間(2025年10月14日まで)を過ぎるとサポート対象外となり、動作環境が保証されませんのでWindows11への移行をお願いします」と注意喚起を行っている。(※1)一般的にサポート終了後は新たな脆弱性が発見されても、製品ベンダによる修正が行われなくなり、脆弱性を悪用した攻撃による情報漏えいや意図しないサービス停止などの被害を受ける可能性が高くなる。対象OSを使用している利用者は、速やかな最新版への移行等の実施が求められる。サポートが終了したOSを使用し続け、仮に危険度の高い脆弱性が新たに発見された場合、製品ベンダによる修正等の対応が期待できず、セキュリティリスクを解消することができなくなる。その結果、脆弱性を悪用した攻撃による情報漏えいや意図しないサービス停止等の被害が生じる可能性が高くなる。OSのサポート終了による影響は、これらOS上で稼動しているブラウザやメールソフトといったサードパーティ製のソフトウェア製品にも及ぶことになる。例えば、OSのサポート終了に伴い、そのOS上で動作するソフトウェア製品のサポートも終了することが考えられる。サポート終了後に発見された脆弱性については、修正が行われない可能性が高く、意図せずセキュリティ上のリスクを抱えることになる。(※2)(※1)https://www.nichizeiren.or.jp/taxaccount/auth/psa6th_os/(※2)https://www.ipa.go.jp/security/security-alert/2024/win10_eos.html(参考)Windows10をご利用の方へhttps://www.e-tax.nta.go.jp/topics/2025/topics_20251014.htm
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2025/11/18
日本商工会議所「デジタル化でつながる中小企業の未来」を作成
日本商工会議所は、10月23日、「デジタル化でつながる中小企業の未来」作成・公表した。中小企業等の人手不足はかつてなく深刻化しており、デジタル化による業務の効率化、生産性向上が急務となっている状況を踏まえ、日本商工会議所では、昨年4月に提言「デジタル化でつながる中小企業の未来」を公表し、「政府」「業界団体」「商工会議所自身」「中小企業の経営者」が、それぞれ取り組むべきことを整理している。この冊子では、「中小企業の経営者」が取り組むべきことに焦点を当て、デジタル化に関心や意識を持ってはいるものの、何から始めればよいか分からない、どのように進めればよいか迷っている中小企業・小規模事業者(「中小企業等」)の経営者に向けて、デジタル化の具体的なステップや、直面しがちな課題とその解決策をストーリー形式で解説しており、関連する国の施策等および先進的なデジタル化の取り組みを進める企業等の事例についても紹介が行われている。冊子の主な内容は、第1章中小企業自身の意識変革/誤解や思い込みの解消、第2章「構造的課題」への対応となっており、第1章では、デジタル化が必要な理由や必要なツール、デジタル化に要する費用、スマートフォン利用、生成AIについて説明がされており、第2章では、「自社だけやっても効果が薄い」「デジタル化を推進できる人材がいない」といった、個社だけでは解決できない課題への対応事例が掲載されている。デジタル化の何から始めればよいか分からない経営者には、コラムで経営課題や業種・業態に合ったデジタルツールを探す方法として「IT戦略ナビwith」や「ここからアプリ」が紹介されているため、参考にするとよい。「IT戦略ナビwith」は、簡単な質問に答えるだけで、自社のデジタル化の現状を客観的に把握し、今後のIT戦略の「地図」を自動で作成してくれる無料ツールで、同業他社と比較して、自社のデジタル化がどのくらい進んでいるのかの「見える化」を行うことができ、業種や目的から、自社に合ったアプリを効率的に探すことができる(「アプリ検索」メニュー)ツールである。また、売上アップや人材確保といった経営課題とそれを解決するためのデジタルツールを体系的に整理した「IT戦略マップ」を示すことができ、具体的にどのようなステップでITを導入していくのか、そのプランも自動で作成することができる。「ここからアプリ」は、「IT戦略ナビwith」で立てた計画に基づいて、具体的なデジタルツール(アプリ)を探すことができるウェブサイトである。同サイトでは、中小企業基盤整備機構の審査基準を満たした、使いやすく導入しやすい業務用アプリや、ツールの導入事例、活用可能な補助金情報が掲載されている。「IT戦略ナビwith」で「全体像」を捉え、「ここからアプリ」で「具体的な手段」を見つけることができるため、これらを活用すれば、デジタルに詳しくなくても、計画的かつ効率的に自社のデジタル化を進めることが可能となる。(参考)冊子「デジタル化でつながる中小企業の未来」を作成https://www.jcci.or.jp/news/publication/2025/1023140001.html
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2025/11/17
令和7年分 年調ソフト等の公開
国税庁は、10月15日、「年末調整手続の電子化に向けた取組について」を更新し、令和7年分の年調ソフト【正式版】及び操作マニュアルを公開した。また、よくある質問(利用者用)を掲載した。年末調整手続の電子化及び年調ソフト等に関するよくある質問(FAQ)と操作マニュアルは、10月31日に更新されている。年末調整手続の電子化及び年調ソフト等に関するよくある質問(FAQ)は、第1章年末調整手続の電子化の概要(14問)、第2章年末調整手続の電子化に向けた準備【勤務先】(18問)、第3章年末調整手続の電子化に向けた準備【従業員】(18問)、第4章マイナポータル連携(16問)、第5章年調ソフト(58問)となっているが、今回更新された箇所は、第1章(6問)、第2章(2問)、第3章(3問)、第4章(5問)、第5章(22問(3問の削除を含む))となっている。第1章では、年末調整手続において電子化できるようになる書類、控除証明書等の電子化の拡大、住宅借入金等特別控除申告書等のデータによる提供の留意点等について更新されており、第2章では、従業員への周知時期、年末調整申告書をデータで提供を受けるための「一定の要件」等について更新がされている。また、第3章では、スマートフォンでの利用、控除証明書等のデータの受取等、第4章では、マイナポータル連携の準備や連携方法に必要な機器、スマートフォンでの利用等について更新がされている。今回の更新で最も多く更新が行われている第5章では、年調ソフトの利用方法、問合せ先、スマートフォンでの利用方法、エラーメッセージへの対応、令和7年度税制改正対応、調書方式への対応等について更新が行われている。令和7年度の税制改正による扶養親族等の所得要件の改正や特定親族特別控除の創設などによって、新たに扶養控除等の対象となる扶養親族等を有することとなったときの対応については、新たに扶養控除等の対象となる配偶者・扶養親族・特定親族の情報(「氏名」、「フリガナ」など)を追加で入力した上で、下記の対応を行うことになる。「令和7年中に異動はありましたか」欄で「はい」を選択し、「異動月日」欄に、年調ソフトを利用してこの欄に入力する日付(年調ソフトの利用日)の「月」と「日」を半角数字の4桁で入力(例:年調ソフトの利用日が令和7年11月20日の場合は「1120」と入力)した上で、「事由」欄の「その他」を選択し、「その他の内容を入力してください」欄に、「令和7年12月1日改正」と入力する。この「異動月日」欄には、年調ソフトを利用してこの欄に入力する日付(年調ソフトの利用日)より後の日付は入力できないことには注意が必要である。(参考)年末調整手続の電子化に向けた取組についてhttps://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho.htm
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2025/11/14
東京商工会議所 2025年度サービス部会 報告書を公表
東京商工会議所サービス部会は、10月22日、対談や今期の活動をとりまとめた報告書を作成・公表した。この報告書は、生産性向上がもたらすサービス業の未来についての対談(1章:高付加価値化と人材投資による企業成長とは、2章:企業の人材力を高めて、成長と分配の好循環を作り出すには)とサービス産業の生産性向上(3章:新時代における勝ち筋を探る考察)、サービス部会の今期活動実績(4章)から構成されており、1章、2章の対談の論点は、なぜサービス業の生産性向上が必要かという点について環境的要因と業種的要因から整理している。ここで、環境的要因とは人口減少・労働生産人口の減少による労働力不足、業種的要因とは、サービス業が、事業割合が最も多く、日本経済全体へのインパクト大きいことと製造業等他業種より労働生産性が海外と比べて著しく低いことに整理されている。このような課題を乗り越え、成長していくために必要なことは、サービス産業の課題を小規模事業者が多く、スケールメリットが少ないため、付加価値を上げにくいこと、非正規雇用が多いこと、労働者の流動性が低くDX人材がいないこととし、課題を乗り越えるためには、非正規雇用が多く、正社員との間に存在する壁を認識し、繁閑差の平準化や柔軟な働き方を求めることであるとしている。労働生産性に対する考え方は、労働生産性の分子にあたる「付加価値」を上げることが重要であり、人材、ICT、組織への投資を通じて生産性の高い体制づくりを進めることが企業成長を促し、生産性向上や省人化により浮いた資源でサービスの質を高め、付加価値を上げ、価格に転嫁し、物価と賃金の前向きな循環を生み出すとしている。また、環境的要因である人口減少への対応と労働力の確保、業種的要因を克服し、労働生産性を向上させるためには、人材投資・人的投資、人・企業の評価制度を整備することが必要であるとしている。具体的な対応としては、人口減少については、労働者一人当たりのパワー、付加価値を増やし、労働生産性を向上することが重要であり、労働投入・資本投入に加え、質的要因となる全要素生産性を上げて収益力を強化することが不可欠であるとし、女性・高齢者・外国人の活用や子育て支援、働き方・ライフプランの両面に企業が関わり、支援することで成長と分配の好循環を作り出すとしている。また、労働力の確保については、正規・非正規の雇用の壁を解消し、短時間正社員制度を導入することとしている。人材投資・人的投資については、OFF-JTの重要性やデジタル・DXを導入するだけではなく、使いこなせる人材を育てることが必要であり、分配を掲げて成長する時代であることを認識し、価格転嫁で賃上げの源泉を確保した上で、賃上げを前提とした経営戦略が必要であるとしている。人・企業の評価制度の整備では、正しい評価をすることで、従業員の定着率を上げることができること、企業自体を評価する制度も有効であることが説明され、このような評価制度を整備することが、従業員のモチベーションアップや企業自体の魅力を向上させることにつながるとしている。(参考)2025年度サービス部会報告書の公表についてhttps://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1207528
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2025/11/13
公正証書作成手続のデジタル化
日本公証人連合会(日公連)は、9月8日に2025年10月1日から公正証書の作成手続のデジタル化、公正証書の手数料の改正についてのパンフレットを公表した。2025年10月1日以降、順次指定される指定公証人の役場で、公正証書の作成手続がデジタル化される。具体的には、1.インターネットによる嘱託、2.ウェブ会議の利用(リモート方式)が利用可能となり、3.電子データでの作成が原則となる。また、公正証書の作成手続のデジタル化に併せて、手数料が見直される。1.インターネットによる嘱託が可能従前からの嘱託方式では、公証役場に来所して印鑑証明書等の書面により本人確認を行っていたが、新たに追加された嘱託方式では、電子データ(嘱託に係る情報)に電子署名、電子証明書を付し、インターネットからメールで送信して、電子的に本人確認を行うことになり、来所することが不要となる。2.ウェブ会議の利用(リモート方式)が可能従前からの作成方式では、公証役場等で公証人と対面して作成する方式であったが(遺言の場合や、代理作成になじまない行為で本人が公証役場に来所することが著しく困難な場合等に限り、公証人が出張して作成する方式も可能)、新たに追加された作成方式では、公証役場の外からウェブ会議に参加して作成する方式も可能となる。具体的なリモート方式による作成手続の流れは、①ウェブ会議招待メールからウェブ会議に参加、②公証人による映像・音声の確認、本人確認•意思確認、③公正証書案文を画面に表示して公証人が読み上げ、列席者が内容確認、④公証人から列席者に対し、③の案文を記録したPDFファイルへの電子サインをメールで依頼、⑤④のメールを受信した列席者全員が電子サインを実施して送信、⑥公証人が電子サイン・電子署名を行うことで公正証書原本が完成するというものである。3.電子データでの作成が原則となる法律上、紙での作成が必要な場合(保証意思宣明公正証書等)や添付資料をPDF化できない等、デジタル作成が困難な場合を除き、公正証書は、原則として電子データで作成・保存されることになる。また公正証書に記録された事項の証明情報(いわゆる正本・謄抄本)は、電子データでの発行・交付、紙の書面での発行・交付のいずれも可能となる。公正証書の作成手続のデジタル化に併せて改正となる手数料のポイントは、1.公正証書のデジタル化に伴う必要な規定の追加、2.ひとり親家庭や身寄りのない高齢者等にとって作成のニーズが高い公正証書の作成の負担軽減、3.近時の物価上昇等への対応となっている。(参考)2025年10月1日から公正証書の作成手続がデジタル化されます!https://www.koshonin.gr.jp/news/nikkoren/20250908-2.html
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2025/11/12
国税庁、e-Taxの利用は順調に拡大と公表
国税庁は、10月20日に「令和6年度におけるオンライン(e-Tax)手続の利用状況等について」を公表した。公表内容では令和6年度もe-Tax等の利用は順調に拡大としている。令和6年度におけるe-Taxの利用率については、法人税申告89.1%(前年対比+2.9ポイント)、消費税申告(法人)90.2%(同比+1.5ポイント)、所得税申告74.1%(同比+4.8ポイント)、消費税申告(個人)74.4%(同比+1.9ポイント)、相続税申告50.3%(同比+13.2ポイント)となっており、いずれの利用率も前年度実績を上回っているが、特に相続税申告の利用率が大幅な増加となっている。なお、法人税申告について添付書類を含めた利用率(ALLe-Tax)は、67.7%(同比+3.9ポイント)であり、法人税申告の利用率と比較すると21.4ポイント低い状況である。また、納税の方法については、キャッシュレス納付割合が45.3%(同比+6.3ポイント)であり、その内訳は、振替納税が12.8%(同比+0.7ポイント)、電子納税(インターネットバンキング等)が18.1%(同比+2.4ポイント)、電子納税(ダイレクト納付)が10.8%(同比+2.4ポイント)となっており、インターネットバンキング等やダイレクト納付などの電子納税の利用が増加している。国税庁はこれまでもe-Taxの利用拡大に向けた取組を進めているが、令和6年度はこれまで複数存在していたe-Taxの入口を1つに整理し、スマートフォン、タブレット、パソコンのいずれからも見やすい画面に改善することやe-Taxの「マイページ」のコーナーにおいて相続税申告書の作成に必要な過去の贈与税申告事績(e-Taxで提出した申告書に限る。)を確認することが可能となるシステム改善を行っている。また、令和7年度以降の新たな取組として、添付書類のイメージデータ(PDF方式)による提出について白黒諧調(グレースケール)でも提出可能とすることやマイナポータル連携の自動入力対象を更に拡大するなど利便性の向上を図っている。政府全体のデジタル社会の実現に向けて国税庁では、令和5年6月に「税務行政のデジタル・トランスインフォメーション-税務行政の将来像2023-」を策定し、「納税者利便の向上」、「課税・徴収の効率化・高度化等」、「事業者のデジタル化促進」を3本柱とした税務行政のDXを更に進めることとしており、利便性向上と効率化の観点からe-Tax及びキャッシュレス納付の利用拡大を今後も更に推進することとしている。(参考)令和6年度におけるオンライン(e-Tax)手続の利用状況についてhttps://www.e-tax.nta.go.jp/topics/topics_riyozyokyo/0710pressrelease.pdf(参考)税務行政のデジタル・トランスフォーメーションhttps://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/digitaltransformation2023/pdf/syouraizo2023.pdf
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2025/11/11
国税庁、非居住者等の国内源泉所得に関するリーフレットを公表
国税庁は、9月30日に同庁ホームページで、非居住者等の国内源泉所得に関する次のリーフレットを公表した。・非居住者等への支払がある場合、ご確認ください!https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0022007-045.pdf・非居住者等から不動産を「購入した」場合の源泉徴収https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0025009-040_01.pdf・非居住者等から不動産を「借りた」場合の源泉徴収https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0025009-040_02.pdf非居住者や外国法人に対して国内源泉所得の支払をする者は、原則としてその支払時に所得税及び復興特別所得税を源泉徴収する必要がある。例えば、非居住者等から土地、建物などの不動産を「購入した場合」や「借りた場合」には、その対価が源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」に該当することがある。具体的には、非居住者から土地、建物などの不動産を「購入した場合」は、買主は、購入対価を支払う際、原則として購入対価の額に10.21%を乗じて計算した所得税と復興特別所得税を源泉徴収する必要がある。ただし、個人が自己又はその親族の居住の用に供するために取得した不動産で、その不動産が1億円以下である場合は、その個人が支払うものは源泉徴収不要となる。法人が取得して対価を支払う場合には、1億円以下であっても源泉徴収が必要となる。非居住者から土地、建物などの不動産を「借りた場合」は、借主は、賃借料を支払う際、原則として、賃借料に20.42%を乗じて計算した所得税と復興特別所得税を源泉徴収する必要がある。ただし、個人が自己又はその親族の居住の用に供するために不動産を借りる場合に支払うものは源泉徴収が不要となる。法人が借りて賃借料を支払う場合には、源泉徴収が必要となる。源泉徴収した所得税及び復興特別所得税については、支払った月の翌月10日までに納付することになる。近年、非居住者と呼ばれる外国人や外国法人が日本国内の不動産を所有するケースが増加しており、その非居住者等から不動産を購入、又は借りる場合も多くなっていることから、源泉徴収すべき取引について注意する必要がある。そのほかリーフレットでは、非居住者等に利子を支払う場合や配当等を支払う場合、工業所有権、著作権等の使用料を支払う場合、給与等の人的役務などの報酬を支払う場合などについても、その支払いについて源泉徴収の対象となる国内源泉所得に該当することがあるとしている。なお、注意すべき事項として非居住者等の居住地国と日本との間で租税条約が締結されている場合は、条約により課税が軽減又は免除され、源泉徴収が不要となる場合もあることから、手続きを含めて詳しくは「源泉徴収のあらまし」を確認するよう案内している。(参考)令和7年版源泉徴収のあらましhttps://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2024/index.htm
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2025/11/10
会社・法人の登記、放置していませんか?
令和7年10月10日、法務局(登記所)は、令和7年度の休眠会社等の整理作業のため、12年以上登記がされていない株式会社及び5年以上登記がされていない一般社団法人又は一般財団法人に対して、法務大臣による官報公告を行った後、通知書の発送を行った。通知書には法務大臣の公告要旨が記載されており、内容は以下のとおりである。・最後の登記から12年を経過している株式会社、又は最後の登記から5年を経過している一般社団法人若しくは一般財団法人は、事業を廃止していない場合、「まだ事業を廃止していない」旨の届出を管轄登記所に提出する必要がある。・公告の日から2か月以内(令和7年12月10日(水)まで)に、「まだ事業を廃止していない」旨の届出がなく、また、必要な登記申請もされないときは、令和7年12月11日(木)付で解散したものとみなされる。この通知書が送られている会社・法人は、12月10日まで(公告から2か月以内)に必要な登記、又は「まだ事業を廃止していない」旨の届出をしない限り、12月11日付で解散したものとみなされ、所轄登記所の登記官により、職権で解散の登記(みなし解散)が行われる。このみなし解散は、会社法で定められており、最後に登記のあった日から12年を経過した株式会社は休眠会社、最後の登記から5年を経過している一般社団法人、一般財団法人は、休眠一般法人として事業活動を行っていない可能性が高い、すなわち休眠状態であると判断されるとともに、登記所から整理(解散)の対象とされてしまう。解散となった会社・法人は、すぐに消滅しないが、解散後は清算に必要な行為(現務の結了、債権の取立て・債務の弁済、残余財産の分配)しか行うことができなくなる。会社法では、会社設立後、登記した事項に変更があったときは、2週間以内に変更の登記を行う義務がある。例えば、会社の商号、本店の所在地、役員が変更した場合には、変更の登記が必要である。注意が必要なのは、役員変更の登記である。会社法では、取締役の任期は、株式会社で最長10年、一般社団法人、一般財団法人で5年と定められており、それぞれの任期が経過したときには、役員の変更登記をする必要がある。つまり、同じ人が再任する場合でも、その旨の登記を行う必要があり、登記を失念すると普通に営業活動を行っているにもかかわらず「休眠会社」、「休眠法人」と扱われ一方的に整理作業の対象となってしまう。通知書が送付されている会社の中には、この役員再任の登記を失念しているものも含まれているため、失念していることが把握された場合は、直ちに役員の再任の登記、または「まだ事業を廃止していない旨」の届出の提出が必要である。法務省が行っている休眠会社・休眠一般法人の整理作業は、休眠会社等を放置することで・事業を廃止し、実体を失った会社がいつまでも登記上公示されたままとなるため、登記の信頼を失いかねないこと・休眠会社を売買するなどして犯罪の手段とされかねないことといった問題があることから、平成26年度以降、毎年実施されている。(参考)令和7年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)についてhttps://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00083.html
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