アウトライン審査事例
国税不服審判所が示した審査請求事件の裁決例は、正確な税務処理を行っていくうえで見落とせません。アウトライン審査事例では実務家の皆様にとって実用性の高い裁決事例を簡潔に紹介。併せて、参照条文も記載しておりますので、実務上の判断の一助としてお役立てください。
1201 件の結果のうち、 1 から 10 までを表示
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2026/02/16
措置法の適用要件は厳格、拡張解釈は許されない。リフォームローンの事実上の返済者として金融機関が認識していようが、債務者でない以上、住宅ローン控除の適用を受けられないと判断された事例(棄却)
【裁決のポイント】租税特別措置法(措置法)の規定は、本来ならば課税される税負担等について、政策的見地から、特定の要件に該当する場合にのみ特に税の軽減等を図るための特例として規定されたものであることから、その適用に当たっては、規定の文言から離れた拡張解釈や類推解釈は許されないと解されている。審査請求人は、自己所有の住宅の増改築のために金融機関の15年返済リフォームローンを検討したが、返済期間中に75歳となるため、返済期間が10年を超える契約を締結できず、金融機関と協議の上、妻を名義上の債務者とし、自身は連帯保証人になった(連帯債務者ではない)。ローンの返済は審査請求人の口座から行われた。審査請求人は毎年、所得税確定申告書を提出していたので、金融機関の申込書及び借入金の年末残高証明書を添付の上、住宅借入金等特別控除を適用して数年分の所得税の更正の請求を行ったが、税務署は、審査請求人は借入金を有していないとして、更正の請求を認めなかった。審査請求人は、ローン契約の全ての当事者が実質的な債務者は審査請求人であると認識しているケースでは、住宅借入金等特別控除を認めても、措置法の拡張解釈に当たらないと主張した。国税不服審判所は、単に事実上、住宅借入金等の返済をしているというだけでは、その控除を受けることができないことは措置法の規定の文言上明らかと判断した事例である。(平成29年分ないし令和3年分所得税及び復興特別所得税の各更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の各通知処分・棄却・令和6年1月18日裁決(非公開))【主な争点】審査請求人は、住宅借入金等特別控除を受けることができるか。【裁決の要旨】措置法第41条第1項は、居住者が住宅借入金等の金額を有するときは、一定の要件の下で、その者のその年分の所得税の額から、住宅借入金等特別税額控除額を控除する旨規定している。そして、住宅借入金等特別控除を受けるには、法律上の一定の要件を備えなければならず、措置法第41条第1項は、居住者が住宅借入金等の金額を有するときに住宅借入金等特別控除を適用する旨規定していることからすれば、単に事実上、住宅借入金等の返済をしているというだけでは、その控除を受けることができないことは措置法の規定の文言上明らかである。審査請求人が本件借入金を事実上返済している等の諸事情は、措置法の規定する要件に該当するものではないから、これを理由として住宅借入金等特別控除の適用を認めることはできない。【参照条文】租税特別措置法第41条《住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除》租税特別措置法施行令第26条の3(現在は第26条の2)《住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除に関する証明書等》租税特別措置法施行規則第18条の21《住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の適用を受ける場合の添付書類等》、第18条の22《住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/02/16
賃借物件を譲ることで次の賃借人から受け取った2億円。「移転補償金(不課税)」V.S.「賃借人の地位の譲渡の対価(課税)」。いや、どちらでもない、次の賃借人への「役務提供の対価(課税)」との判断が示された事例(棄却)
【裁決のポイント】消費税法基本通達5-2-7《建物賃貸借契約の解除等に伴う立退料の取扱い》の本文は、建物等の賃借人が契約の解除に伴い賃貸人から収受する立退料は、賃貸借の権利が消滅することへの補償、営業上の損失や移転等の実費補償であり、資産の譲渡等の対価に該当しないこと、そして、注書は、建物等の賃借人たる地位を賃貸人以外の第三者に譲渡して立退料等として収受した場合は、建物等の賃借権の譲渡に係る対価であり、資産の譲渡等の対価に該当すると定めている。審査請求人は、Aと土地建物賃貸借契約を結び、パチンコ店を経営していたが撤退を考え、仲介により、Bとの間で、審査請求人がAとの契約の合意解除を行い、AがBとの間で新たに賃貸借契約を締結することに合意すること、Bは審査請求人に損失の補償として2億円を支払う等の条件を記載した「物件移転等に関する協定書」を作成した。そして、Aに賃料空白期間が生じないことを目的に、審査請求人、B及びAの間で、「契約上の地位継承に関する覚書」が作成され、審査請求人は、原状回復工事をしてAに土地建物を返した。税務署は、Bから受領した2億円は上記通達の注書により賃借人の地位の譲渡の対価の額に該当するとして更正処分を行ったため、審査請求人は通達の本文の補償に該当すると主張し、審査請求を行った。国税不服審判所は、審査請求人が行うべき①賃貸人Aとの間の原契約を合意解除する、②AからBとの新たな賃貸借契約に同意を得る、③Aへ土地建物の引渡すという各行為は、Bへの役務提供であり、Bから受け取った金員はその対価であると判断した事例である。(平成31年1月1日から令和元年12月31日の課税期間の消費税等の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・棄却・令和4年8月23日裁決(非公開))【主な争点】本件金員は、課税資産の譲渡等の対価の額(消費税法第28条第1項)に該当するか。【裁決の要旨】本件金員が課税資産の譲渡等の対価の額に該当するか否かについては、請求人及びBの両者を規律している協定書や覚書の解釈を通じて定まるというべきであるが、その際には、協定書や覚書作成の前提とされている了解事項(共通認識)や作成に至る経緯等の事情をも総合的に考慮して判断する必要があるというべきである。審査請求人及びBは、協定書によって、審査請求人が行うべき各行為として、①賃貸人Aとの間で原契約の合意解除をすること、②AからBとの間の新たな賃貸借契約に係る同意を得ること及び③Aへの土地建物の引渡しを行うことを定めたものと認めるのが相当であり、これらは消費税法第2条第1項第8号に規定する役務の提供に該当する。本件金員は、Bが、協定書に基づき、審査請求人が行うべき各行為という役務の提供に対する対価として支払ったものであるから、消費税法第28条第1項に規定する課税資産の譲渡等の対価の額に該当する。③のAへの土地建物の引渡しを行うことが、審査請求人の原状回復義務の履行としての側面があったとしても、協定書に基づいて審査請求人とBとの間で定められ、それによって行われたものである以上、審査請求人がBに対して役務を提供したとの判断を左右するものではない。原処分庁は、各金員は、覚書に基づき、請求人が、原契約による請求人の賃借人としての契約上の地位をBに承継させたことの対価である旨主張する。しかしながら、覚書には、請求人及びBとの間で、原契約による請求人の賃借人としての契約上の地位を移転することに対する代金額を約したことは明らかではなく、むしろ覚書は、Aが受け取る土地建物の賃貸収入に空白期間が生じないようにするために作成されたものであるから、原契約による請求人の賃借人としての契約上の地位を承継させるために作成されたものとは認められない。したがって、この点に関する原処分庁の主張には理由がない。【参照条文】消費税法第2条《定義》、第4条《課税の対象》、第28条《課税標準》消費税法基本通達5-2-7《建物賃貸借契約の解除等に伴う立退料の取扱い》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/02/09
代表者借入金の債務免除は実はなかった?証明する書類の提出なし、相続税対策で免除したと申述しているので、なかったとは考え難いとして、更正の請求を認めなかった事例(棄却)
【裁決のポイント】更正の請求ができる期間は、原則として、法定申告期限から5年以内である。更正の請求を行う場合、更正請求書に請求をするに至った事情の詳細その他参考となるべき事項を記載し、取引の記録等に基づいて請求の理由の基礎となる事実を証明する書類を添付しなければならず、自ら作成した申告書の誤りを是正する立証責任を負う。審査請求人は、平成26年7月期から平成30年7月期まで、代表者借入金の債務免除益を計上していた。2期連続の期限後申告により、平成25年7月期以後は青色申告の承認が取り消されたが、その後も欠損金の繰越控除を適用して申告をしていた。平成4年8月に、税務署から欠損金の繰越控除はできないため平成30年7月期、令和元年7月期の修正申告を勧奨されると、平成30年7月期に計上した債務免除益300万円はその事実がないなどとして、更正の請求を行った。税務署は、事実を証明する書類の添付がなく確認できないとして、更正をすべき理由がない旨の通知処分を行ったため、審査請求人は、債務免除益は会計担当者の独断で計上していたから書類はないなどと主張して審査請求をした。国税不服審判所は、審査請求人の代表者は、修正申告を勧奨された際に、相続税対策で債務を免除したと述べたこと、会計担当者が虚偽の経理処理を行うような特段の事情や動機も見当たらないことを踏まえ、債務免除を受けなかったとは考え難いと判断した事例である。(平成29年8月1日から令和3年7月31日までの各事業年度の法人税の各更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の各通知処分、他・棄却・令和5年12月15日裁決(非公開))【主な争点】平成30年7月期において、益金の額に算入した債務免除益を減額することができるか。【裁決の要旨】審査請求人は、平成26年7月期から平成30年7月期までの各事業年度に係る確定申告書に添付した計算書類に、本件代表者を借入先とする借入金の期末現在高及び本件代表者への債務に係る債務免除益をそれぞれ計上したことが認められる。また、修正申告の勧奨の際に、当該債務免除益に関して、本件代表者は、平成25年頃までに、審査請求人に累積で2,000万円を貸し付けたが、その後、相続税対策として、審査請求人に対し当該貸付けに係る債務を免除した旨申述しているところ、債務免除の事実がなかったのであれば、このような申述をするとは考え難い。これらの事情からすれば、審査請求人が、上記の各事業年度において本件代表者から借入金に係る債務免除を受けなかったとは考え難く、このことは、審査請求人が、本件各更正請求において、本件担当職員から本件各更正請求の理由の基礎となる事実を証明する書類の提出を4回にわたり求められたのに対してこれを提出せず、本審査請求においても債務免除の事実がなかったとの主張の根拠となる証拠を当審判所に対して提出していないことから裏付けられる。このほか、当審判所の調査及び審理の結果によっても審査請求人が主張する債務免除がなかったとの事実を認めるに足りる証拠はない。したがって、平成30年7月期の所得の金額の計算上益金の額に算入した本件債務免除益を減額することはできない。【参照条文】国税通則法第23条《更正の請求》国税通則法施行令第6条《更正の請求》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/02/02
税務職員に相談し、申告は来年で良いと言われた。相談者が十分な資料の提示や説明を行っていない以上、「税務職員の聴取不足」の主張は通らず、無申告加算税が課された事例(棄却)
【裁決のポイント】税務職員による税務相談は、複雑な税法の理解を助ける行政サービスの一環であり、税務職員は、相談者が提出した資料や述べた内容に依存せざるを得ず、その範囲で一応の判断を示すが、進んで判断することはなく、また相談者は回答に拘束されるものでもない。本件の審査請求人は、他の相続人とともに、叔母の不動産を相続し、売却手続きの便宜上、相続人のうち一人の名義にした上で、売却後に経費が引かれた代金の分配を受けることで合意した。不動産は平成27年中に売却されたが、審査請求人に分配金が振り込まれたのは平成28年1月だった。審査請求人は、平成28年3月に平成27年分確定申告相談会場に出向き、税務職員に「代金を今年受領した」とだけ伝えたところ、「申告は来年で良い」と言われ申告しなかった。審査請求人は期限後申告をして無申告加算税が課されたため、担当職員の聴取不足による判断誤りで、期限内申告ができなかった正当な理由があると主張した。国税不服審判所は、無申告となったのは、審査請求人が不動産の売却の時期等に関して十分な資料の提示や説明を行っていないことによるものであり、正当な理由(真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情)があったとはいえないと判断した事例である。(平成27年分所得税等に係る無申告加算税の賦課決定処分・棄却・平成29年7月19日裁決(非公開))【主な争点】期限内申告書の提出がなかったことについて、無申告加算税が課されない「正当な理由」(国税通則法第66条第1項ただし書)があると認められるか。【裁決の要旨】無申告加算税は、適正に法定申告期限までに申告をした者とこれを怠った者との間に生ずる不公平を是正するとともに、無申告による納税義務違反の発生を防止する行政上の措置であり、無申告という事実に対して「正当な理由」があると認められる場合を除いて、一律に課されるものである。「申告は来年で良い」という本件担当職員の指導があったとしても、行政サービスの一環である申告相談は、その担当職員が相談者の説明や提示資料を検討して説明をするものであり、同職員が相談者の説明等を超えて事実関係の聴取等をすべきであるとは認められないところ、当審判所の質問調査に対する審査請求人の答述によれば、審査請求人は、売却事務を行った相続人が依頼した弁護士から売買契約書等の税務申告関係書類を受け取り、それらを申告相談会場に持参したにもかかわらず、本件担当職員に対して、売却代金を平成28年に受領したことを伝えたが、売却時期等について伝えず、持参した関係書類も提示していないというのである。そうすると、審査請求人の主張するような本件担当職員の指導は、審査請求人が不動産の売却の時期等に関して十分な資料の提示や説明を行っていないことによるものであるといえ、申告期限までに申告書を提出しなかったことについて、真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があったとはいえない。したがって、期限内申告書の提出がなかったことについて「正当な理由」があるとは認められない。【参照条文】国税通則法第66条《無申告加算税》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/01/26
賃借人に負担させた商業ビルの共用部分の共同管理費。ビル所有者は「経済的な利益」を受けたとして課税売上げに、しかし仕入税額控除は適用できない事態に陥る(棄却)
【裁決のポイント】課税資産の譲渡等の対価の額となる「金銭以外の物若しくは権利その他経済的な利益」(消費税法第28条第1項)とは、実質的に資産の譲渡等の対価を収受するのと同様の経済的効果をもたらすものをいう。自分が負うべき債務を、他人が肩代わりした場合、負担を免れるという経済的な利益を受けることになる。また、消費税法第30条第1項の課税仕入れに係る支払対価に該当するためには、単にその地位に基づいて支払義務が発生する性質のものでなく、資産の譲渡、資産の貸付け及び役務の提供に対する反対給付として支払われたものであることが必要である。審査請求人は商業ビルの共同所有者で、所有する専有部分をA社へ賃貸した。ビル所有者は全員で管理組合を構成し、管理規約で、共用部分のための共同管理費は所有者に支払義務があると定められているが、審査請求人はA社との賃貸借契約で、A社が賃借する専有部分に係る共同管理費はA社が負担し、管理組合へ直接支払うこととしていた。その後、管理規約が変更され、専有部分と一体利用される共用部分の共同管理費については賃借人の負担となり、管理組合とA社は覚書を作成するが、税務署は、審査請求人の支払義務は消滅していないから経済的な利益がある(課税取引)、当該共同管理費は管理組合の役務の対価と無関係だから課税仕入れに該当しない(不課税取引)とする処分を行った。国税不服審判所は、覚書は管理組合とA社の間で作成されたもので、管理規約の変更後も審査請求人の支払義務が消滅したとは認められない、管理組合の納税義務を否定すべき事情もないところ、管理組合へ支払う共同管理費は坪単価×専有部分面積で算定され、所有者の地位に基づくもので、警備等の役務の対価と関係ないと判断した事例である。(平26.3.1~平30.2.28の各課税期間の消費税等の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却・令和3年7月8日裁決(非公開))【主な争点】(争点1)本件各金員は、審査請求人の「課税資産の譲渡等の対価の額(経済的な利益の額)」に該当するか、(争点2)本件共同管理費は、審査請求人の「課税仕入れに係る支払対価の額」)に該当するか。【裁決の要旨】(争点1)本件管理規約や本件覚書の内容はもとより、本件建物の区分所有関係を前提とした本件共同管理費の実質的な負担関係に照らしても、本件管理規約の変更に伴って審査請求人の区分所有者としての本件共同管理費の支払義務が消滅・移転したとは認められない。したがって、審査請求人は、本件管理規約の変更後も区分所有者としての本件共同管理費の支払義務を負うことから、実質的にその負担を免れるという経済的利益を受けることとなる。そして、当該経済的利益は、資産の貸付けの対価に該当する。よって、A社が本件共同管理費を負担したものである本件各金員は、審査請求人の「課税資産の譲渡等の対価の額(経済的な利益の額)」であると認められる。(争点2)共同管理費の算定方法をみると、本件建物の各区分所有者が負担する共同管理費の額は、本件管理組合の全体集会において定められた本件坪単価にその区分所有する専有部分の面積を乗じて算定されており、本件管理組合から実際に受けた役務の提供の回数や時間等に基づいて算定されているわけではない。これに加えて、共同管理費の使途をみても、共同管理費は様々な管理業務のために使用されているものの、本件管理組合の個々の管理業務との対応は明らかでない。本件共同管理費は、一般的な共用部分の管理費と同様に、審査請求人が本件管理組合の具体的な管理業務からどの程度受益したかということとは無関係に、単に区分所有者たる地位に基づいて支払義務が発生する性質のものにとどまるというべきであり、本件管理組合の管理業務という具体的な役務の提供の対価として収受された関係にあるとは認められないから、「課税仕入れに係る支払対価の額」には該当しない。【参照条文】消費税法第2条《定義》、第4条《課税の対象》、第6条《非課税》、第28条《課税標準》、第30条《仕入れに係る消費税額の控除》建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/01/19
常に足りない現金。税理士法人の担当者は架空外注費を計上した。現金を私的に費消し、経理事務を行う代表者は仮装行為を容易に認識できたとして、重加算税が課される(棄却)
【裁決のポイント】重加算税制度の趣旨から、納税者以外の者が隠蔽仮装行為を行った場合であっても、それが納税者本人の行為と同視することができる場合には、納税者本人に対して重加算税を賦課することができると解される(最高裁平成18年4月20日第一小法廷判決)。とび、土工工事業の審査請求人は、5事業年度で計288,261,595円の架空外注費計上を税務調査で指摘され、修正申告をすると重加算税が課されたため、この仮装行為は代表者に対する恐怖心から税理士法人の担当者Aが行ったことで、審査請求人の行為と同視することはできないと主張した。審査請求人の経理事務は、会計ソフトへの入力も全て代表者が行っている。Aは、定期的に訪問して原価や粗利の説明をし、また、代表者が審査請求人の現金を生活費等で費消し、多額の現金が常に帳簿残高と合わないことから未払外注費を計上して、現金支払いをした仕訳を追加入力していた。Aは税務調査で指摘されてから代表者に仮装行為を打ち明けた。国税不服審判所は、代表者はAの仮装行為について認識していなかったとは認め難いにもかかわらず、審査請求人は是正措置を講ずることなく確定申告しており、Aの仮装行為は審査請求人の行為と同一視することができると判断した事例である。(平成28年5月期から令和3年5月期までの各事業年度の法人税に係る重加算税の各賦課決定処分、他・棄却・令和6年1月12日裁決(非公開))【主な争点】税理士法人の担当者による仮装行為は、審査請求人の隠蔽仮装行為と同視することができるか、具体的には、代表者は仮装行為に全く気付けなかったと言えるか。【裁決の要旨】原処分関係資料並びに当審判所の調査及び審理の結果によれば、次の事実が認められる。(1)代表者の答述等についてAによる巡回監査の際は、Aのパソコンを見ながら、今期の売上げや原価の増減、利益予想などの説明を受け、自分の認識する利益が合致しているか確認していた。個人的な生活費等に充てるため審査請求人の現金を使い込んでいたことから、審査請求人の現金勘定の残高が正しくなくなるという認識はあった。(2)Aの答述等について巡回監査の際に売上げや原価、粗利益の説明や、最終的な決算内容や確定申告による法人税などの税額について代表者に説明していた。本件架空外注費等は、代表者に相談をしたことはない。審査請求人が保有する現金と帳簿上の現金勘定は、常に一致していなかったために、審査請求人の仮払金や役員借入金などの勘定科目を用いて架空の仕訳を入力し調整していた。代表者及びAの答述等については、反する証拠はなく、かつ、その内容に特段不合理な点も見受けられないことから、これを信用することができる。一般的な会計知識を有し、経理事務も担当している代表者が多額の現金等を費消しながら、審査請求人の帳簿上、これらがどのように反映されているのかについて認識していなかったということは認め難い。以上のことから、審査請求人は、Aによる本件仮装行為を認識していたか、あるいは容易に認識することができたと認められるところ、法定申告期限までに是正や過少申告防止の措置を講ずることなく、審査請求人は本件各確定申告をし、本件仮装行為に基づいた過少申告がされたものである。したがって、本件仮装行為は、審査請求人の行為と同視することができると認められる。【参照条文】国税通則法第65条《過少申告加算税》、第68条《重加算税》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/01/19
台湾で土地売却して土地増値税を課された。外国税額控除を適用できる?土地増値税の課税標準は個人の所得ではなく、日本の所得税と本質的に違うため、適用できない(棄却)
【裁決のポイント】所得税法上、居住者は、国外所得についても所得税を課されるから、国外でその所得に課税される場合には、国際的二重課税の問題を生じる。外国税額控除の制度は、税が国際競争の阻害要因となることを回避する見地から、立法政策として、限度額の範囲で所得税額から直接控除することを認めるものであるが、対象となるのは、外国の法令により課される所得税に相当する税のうち、個人の所得を課税標準として課される税に限られる(所得税法第95条《外国税額控除》、所得税法施行令第221条《外国所得税の範囲》)。審査請求人は、台湾に保有していた土地を売却し、土地増値税(中華民国憲法143条)を支払い、平成30年分所得税の確定申告で外国税額控除を適用したところ、税務署は、土地増値税は個人が実際に獲得した利得に関わりなく課税されるため、外国税額控除の適用はないとして更正処分を行った。審査請求人は値上がり益課税であるから、譲渡所得に対する課税と基本的に同じであるなどと主張した。国税不服審判所は、土地増値税は台湾当局により課された税ではあるが、その課税標準は、土地移転時の評価額(台湾当局が評定)から前回評価額を控除した金額に物価調整等をした後の額であり、およそ個人の所得を課税標準としていないから、外国税額控除の対象となる外国所得税には当たらないと判断した事例である。(平成30年分所得税及び復興特別所得税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分・棄却、延滞税に対する審査請求・却下・令和3年1月15日裁決(非公開))【主な争点】本件土地増値税は、外国税額控除の対象(所得税法第95条第1項)となる外国所得税に該当するか。【裁決の要旨】本件土地増値税の課税標準は、①土地移転現値総額から、②物価指数調整後原地価総額及び③改良土地費用を控除した額であり、個人が実際に獲得した利得に関わりなく、台湾当局が評定した譲渡時の本件土地の地価(評価額)から台湾当局が前回(1964年)評定した本件土地の地価(評価額)に物価指数により調整を加えたものを控除し、更に支出した改良土地費用を控除した金額を課税標準とするものと認められることから、本件土地増値税は、我が国の譲渡所得に係る所得税と本質的に同一の税とは認められない。本件土地増値税の課税標準は、本件譲渡に係る実際の譲渡収入金額を課税標準の基礎にしていないこと、譲渡人が当該譲渡をした際に支出した仲介料等の諸経費を控除しないことからも、その課税標準は我が国の所得税法における譲渡所得に係る所得税の課税標準とは異なるものであることが明らかである。そうすると、本件土地増値税は、台湾当局により課された税ではあるが、およそ個人の所得を課税標準としていない税であり、(所得税法第95条第1項を受けた)所得税法施行令第221条第1項に規定する外国所得税には当たらないものと認められる。【参照条文】所得税法第33条《譲渡所得》、第95条《外国税額控除》所得税法施行令第221条《外国所得税の範囲》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/01/05
納税者「誤操作が生じてしまうe-Taxにはシステム上の問題があるといわざるを得ない」。無申告は、誤認識という主観的な事情によるもので、無申告加算税は適法である(棄却)
【裁決のポイント】情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第6条《電子情報処理組織による申請等》第3項は、同条第1項の電子情報処理組織を使用する方法により行われた申請等は、当該申請等を受ける行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイル(受付ファイル)への記録がされた時に当該行政機関等に到達したものとみなすと規定している。この規定から、納税者が、e-Taxシステムを利用して送信した申告等データは、受付ファイルへの記録がされた時に提出があったものとみなされ、e-Taxシステムは、申告等データが正常に受信された場合にはその受信後に受信通知を利用者のメッセージボックスに格納する。審査請求人は令和5年3月1日に国税庁HPからe-Taxを利用し、令和4年分所得税確定申告の申告データと財産債務調書等データ(調書データ)の両方を送信するつもりであったが、調書データのみ送信した。翌日に納付書で所得税を納付した。6月29日になって自ら気が付き、申告データを送信したところ、無申告加算税を課されたため、間違いやすいシステムに問題があるから、無申告加算税が課されない正当な理由があると主張した。国税不服審判所は、無申告は、申告データも送信されたと誤って認識した審査請求人自身の主観的な事情によるものであり、納税者に無申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合に当たるとはいえないと判断した事例である。(令和4年分の所得税及び復興特別所得税に係る無申告加算税の賦課決定処分・棄却・令和6年10月15日裁決)【主な争点】期限内申告書の提出がなかったことについて、国税通則法第66条《無申告加算税》第1項ただし書に規定する「正当な理由があると認められる場合」に該当するか。【裁決の要旨】国税通則法第66条第1項ただし書に規定する「正当な理由があると認められる場合」とは、期限内申告書が提出されなかったことについて、例えば、災害、交通や通信の途絶等、真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり、無申告加算税の趣旨に照らしても、なお、納税者に無申告加算税を課することが不当又は酷になる場合をいうものと解するのが相当である。審査請求人のメッセージボックスには、審査請求人が令和5年3月1日に送信した調書データ及び同年6月29日に送信した申告データに係る受信通知は格納されていた。そうすると、審査請求人が、令和4年分の所得税等に係る確定申告の法定申告期限までに、令和4年分確定申告書を提出したとは認められない。e-Taxシステムにおいては、利用者が財産債務調書のみを提出する場合も想定し、「送信内容選択」画面において、「財産債務調書を送信する」という項目が用意されていることからすれば、審査請求人が操作を誤って「財産債務調書を送信する」を選択して送信したからといって、そのことをもってe-Taxシステムに、システム上の問題があるとはいえない。結局のところ、審査請求人が期限内申告書を提出しなかったのは、調書データの即時通知を見て、申告データも送信されたと誤って認識したという審査請求人自身の主観的な事情によるものにほかならないというべきであり、「正当な理由」があるとは認められない。【参照条文】国税通則法第66条《無申告加算税》情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第6条《電子情報処理組織による申請等》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2025/12/22
税務調査時に帳簿を提示できたが、総勘定元帳が作られたのは、税務調査の事前通知を受けてから。これは「保存しない場合」に該当し、仕入税額控除は適用されないと判断された事例(棄却)
【裁決のポイント】仕入税額控除の適用を受けようとする事業者は、法定帳簿等を整理し、法定帳簿についてはその閉鎖の日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間(財務省令で定める法定帳簿等については5年間)、これを納税地等に保存しなければならない(消費税法施行令第50条《課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿等の保存期間等》)。本件の審査請求人は、建設業を営む個人事業者であって、税務署から調査の事前通知を受けた後に、税理士事務所に依頼して、記載要件を満たす各課税期間の各総勘定元帳(本件各帳簿)を作成した。他の法定帳簿はない。調査後、仕入税額控除を適用して消費税等の修正申告をしたところ、税務署から、本件各帳簿については確定申告書の提出期限の翌日から保存されていないから仕入税額控除を適用できないとして更正処分等を受けた。審査請求人は、税務職員の求めに応じ帳簿等を提示した場合には仕入税額控除の適用が認められるべきであると主張した。国税不服審判所は、本件各帳簿は、所定の期間において保存していないことは明らかであるから、消費税法第30条第7項に規定する「事業者が当該課税期間の課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿及び請求書等を保存しない場合」に該当すると判断した事例である。(平成28年1月1日から令和2年12月31日までの各課税期間の消費税等の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却・令和5年4月24日裁決)(非公開)【主な争点】各課税期間の消費税について、仕入税額控除は適用されるか。【裁決の要旨】本件各帳簿は、令和3年7月16日の事前通知後に作成されたものであり、また、審査請求人は、各事前通知時において、各課税期間の審査請求人の事業に係る法定帳簿を保存していなかったのであるから、審査請求人は、各課税期間に係る各確定申告書の提出期限の翌日から、令和3年7月16日までの間は、法定帳簿を保存していなかったこととなる。そうすると、審査請求人が所定の期間において法定帳簿を保存していないことは明らかであり、このことは、消費税法第30条第7項に規定する「事業者が当該課税期間の課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿及び請求書等を保存しない場合」に該当する。したがって、審査請求人の各課税期間の消費税について、仕入税額控除は適用されない。審査請求人は、最高裁平成16年12月16日判決が示した消費税法第30条第7項の趣旨からすると、同項に規定する「保存」の意義は、課税庁が申告された仕入税額を確認するための保存であり、課税庁が行う調査において、その時点で課税仕入れの事実の証拠である帳簿等を確認できない場合に、同項に規定する「保存しない場合」に該当するのであって、本件においては、法定帳簿等を調査担当職員の求めに応じて提示しているから、仕入税額控除は適用される旨主張する。しかしながら、本件最高裁判決は、所定の期間及び場所において、税務署の職員等による調査に当たって適時に法定帳簿を提示することが可能なように態勢を整えて保存していなかった場合に、消費税法第30条第7項の「保存しない場合」に当たると判断したものである。本件各帳簿は、本件各課税期間の消費税等の確定申告書の提出期限の翌日から保存されていたとは認められないことからすれば、調査担当職員の求めに応じて法定帳簿としての記載要件を満たす本件各帳簿を提示したとしても、当該事実は、判断を左右するものではない。【参照条文】国税通則法第74条の9《納税義務者に対する調査の事前通知等》消費税法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》消費税法施行令第50条《課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿等の保存期間等》租税特別措置法第86条の4《個人事業者に係る消費税の課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについての確定申告期限の特例》租税特別措置法施行令第46条の2(平成29年改正前は第46条の4)《個人事業者に係る中間申告等の特例》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2025/12/15
和解内容を確認せよ。元勤務先が取引先から得るべきリベート等を、個人事業収入にし、支払った解決金の性格は、事業収入の返金でないから、更正の請求はできないとした事例(棄却)
【裁決のポイント】納税申告書を提出した者は、その課税標準等又は税額等の計算の基礎となった事実に関する訴えの判決(判決と同一の効力を有する和解を含む。)により、その事実が先の計算の基礎としたところと異なることが確定した場合には、後発的理由による更正の請求を行うことができる(国税通則法第23条第2項)。本件の審査請求人は、個人事業を営みながら、A社にも勤務をして取引先との交渉を任せられていたが、本来はA社が取引先から受け取るリベート等を自身の事業収入に含めて確定申告及び修正申告も行った。A社は審査請求人に対して損害賠償請求の訴訟を起こし、裁判上の和解が成立した。審査請求人は750万円の本件解決金をA社に支払ったのちに、事業収入を返金したことを理由として自身の所得税について更正の請求をした。税務署は更正すべき理由がない旨の通知処分をした。国税不服審判所は、和解の内容が、審査請求人が本件解決金を支払うことにより、A社は、今後、本件訴訟に係る損害賠償請求権を放棄するという内容にすぎず、審査請求人が取引先からリベートを得た取引に係る権利関係等に何ら変動を及ぼすものではないとして、税務署の処分は適法であると判断した事例である。(平成27年分所得税及び復興特別所得税の更正の請求に対して更正すべき理由がない旨の通知処分・棄却・令和2年7月28日裁決(非公開))【主な争点】本件解決金は、平成27年分の事業所得の金額の計算上総収入金額から差し引くことができるか。【裁決の要旨】本件訴訟におけるA社の請求内容は、平成22年度から平成27年度までにおいて、本来A社が本件取引先から得るべき利益(売上金及び仕入割戻金)を、審査請求人がA社で交渉に当たっていた地位を利用して不法に取得し、A社に上記得るべき利益及び同利益に係る消費税や加算税等の額に相当する損害を与えたとして、不法行為に基づく損害賠償金の支払を求めるというものであるところ、本件訴訟は、飽くまでも審査請求人とA社との間の損害賠償請求権の存否を争うものである。本件和解の内容は、審査請求人が、A社に対し、解決金として本件解決金の支払義務があることを認め、A社がその余の請求を放棄するという内容であるから、本件解決金の支払は、審査請求人と本件取引先との取引に係る権利関係等に何ら変動を及ぼすものではないものと認められる。以上によれば、審査請求人の平成27年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額から本件解決金を差し引くことはできない。審査請求人は、本件解決金は、本件訴訟において、審査請求人が本件取引先から受け取って審査請求人の収入としていた金員の一部がA社の収入と認められるとされたため、本件和解により、平成27年分の収入の返金として支払ったものであることから、平成27年分の事業所得の金額の計算上総収入金額から差し引くべきである旨主張する。しかしながら、本件和解は、審査請求人が収入として申告していた本件取引先から受け取った金員の一部をA社の収入と認める内容のものではないことから、審査請求人の主張は理由がない。【参照条文】国税通則法第23条《更正の請求》所得税法第27条《事業所得》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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