税務デイリーニュース
税務に関する最新のニュースを毎日お届けします。
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2025/07/01
令和6年度 査察の概要
国税庁は6月18日、「令和6年度査察の概要」を公表した。査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としており、経済取引の広域化、デジタル化、国際化等による脱税の手段・方法の複雑・巧妙化など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に対して厳正な調査を実施している。令和6年度については、98件を検察庁に告発し、告発した査察事案に係る脱税総額は82億円であり、1件当たりの脱税額は84百万円で告発率は65.3%となっている。令和6年度においては、査察制度の目的に鑑み、特に以下の事案について重点事案として積極的に取り組んでいる。1消費税事案消費税に対する国民の関心が極めて高いことを踏まえ取り組んだ結果、29件を告発している。また、消費税の仕入税額控除制度や輸出免税制度を悪用した不正受還付事案については、いわば国庫金の詐取ともいえる悪質性の高い事案であることから、17件を告発している。2無申告事案納税者の自発的な申告・納税を前提とする申告納税制度の根幹を揺るがす無申告事案については13件を告発しており、そのうち、不正行為はないものの、故意に申告書を提出しないで税を免れた単純無申告ほ脱事案は8件となっている。3国際事案経済社会のグローバル化の進展に伴い、国境を越える取引が恒常的に行われ、資産の保有、運用の形態も複雑・多様化しているところ、国際取引を利用した脱税への対応が求められており、このような状況の中、海外事業における収入を除外していた事案や海外に不正資金を隠していた事案などに取り組み、20件を告発している。また、国際事案では租税条約等に基づく外国税務当局等との情報交換制度を活用している。4社会的波及効果の高い事案時流に即した事案などの社会的波及効果が高いと見込まれる事案に取り組み、事案の概要として、人気タレントが所属する芸能事務所が架空の広告宣伝費や外注費を計上する方法により、法人税及び消費税を免れていた事案などが挙げられている。査察事件の一審判決の状況について、令和6年度中の一審判決は99件であり、全てに有罪判決が言い渡されている。そのうち13人に実刑判決が出され、消費税法違反を含むものは7人となっており、実刑判決のうち最も重いものは、査察事件単独で懲役2年6月、他の犯罪と併合されたもので懲役9年となっている。(参考)「令和6年度査察の概要」https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/sasatsu/r06_sasatsu.pdf
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2025/06/30
「公益通報者保護法の一部を改正する法律」に関する資料の公表
消費者庁は、6月11日、「公益通報者保護法の一部を改正する法律」に関する資料を公表した。改正する法律の概要は、近年の事業者の公益通報への対応状況及び公益通報者の保護を巡る国内外の動向に鑑み、1.事業者が公益通報に適切に対応するための体制整備の徹底と実効性の向上、2.公益通報者の範囲拡大、3.公益通報を阻害する要因への対処、4.公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止・救済を強化するための措置を講ずる。こととなっている。具体的には、1.事業者が公益通報に適切に対応するための体制整備の徹底と実効性の向上・従事者指定義務に違反する事業者(常時使用する労働者の数が300人超に限る)に対し、現行法の指導・助言、勧告権限に加え、勧告に従わない場合の命令権及び命令違反時の刑事罰(30万円以下の罰金、両罰)の新設。・上記事業者に対する現行法の報告徴収権限に加え、立入検査権限を新設するとともに、報告懈怠・虚偽報告、検査拒否に対する刑事罰(30万円以下の罰金、両罰)の新設。・現行法の体制整備義務の例示として、労働者等に対する事業者の公益通報対応体制の周知義務の明示。2.公益通報者の範囲拡大・公益通報者の範囲に、事業者と業務委託関係にあるフリーランス及び業務委託関係が終了して1年以内のフリーランスを追加し、公益通報を理由とする業務委託契約の解除その他不利益な取扱いを禁止。3.公益通報を阻害する要因への対処・事業者が労働者等に対し、正当な理由がなく、公益通報をしない旨の合意をすることを求めること等によって公益通報を妨げる行為をすることを禁止し、これに違反してされた合意等の法律行為を無効とする。・事業者が、正当な理由がなく、公益通報者を特定することを目的とする行為をすることを禁止。4.公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止・救済の強化・通報後1年以内の解雇又は懲戒は公益通報を理由としてされたものと推定する(民事訴訟上の立証責任転換)。・公益通報を理由として解雇又は懲戒をした者に対し、直罰(6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金、両罰)を新設。法人に対する法定刑を3,000万円以下の罰金とする。・公益通報を理由とする一般職の国家公務員等に対する不利益な取扱いを禁止し、これに違反して分限免職又は懲戒処分をした者に対し、直罰(6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金)を新設。なお、この法律は公布の日から1年6月以内で政令で定める日から施行することとされている。(参考)「公益通報者保護法の一部を改正する法律」に関する資料の公表についてhttps://www.caa.go.jp/notice/entry/042574/
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2025/06/27
令和6年度における下請代金支払遅延等防止法に基づく取組
中小企業庁は6月11日、令和6年度における下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)の運用状況について取りまとめ、公表した。1下請事業者等に対するオンライン調査の状況同庁及び公正取引委員会(以下「公取」という。)は、下請事業者の保護及び取引の公正を図るため、協力してそれぞれが下請法の執行にあたっている。その一環として、親事業者及び下請事業者を対象に定期的にオンライン調査を実施し、一般的にその取引の性格から自発的に違反行為を申告しにくいとされる下請事業者に対するプッシュ型の状況把握、下請法の違反行為が認められた親事業者に対する違反行為の是正を行っている。下請取引の内容については、必ずしも恒常的に同一の取引状態であるとは限らないことから、下請事業者の利益保護を図るため、公取とともに毎年継続的に調査を実施して違反行為の発見につながる情報収集に努めているとしている。同庁では、令和6年度に親事業者5.5万者、当該事業者と取引を行う下請事業者24万者に対して調査を実施し、親事業者に対する調査において、下請法違反のおそれのある5,801者に対して、是正等を求める注意喚起文書を発出している。2立入検査による違反行為の確認と改善指導の状況同庁では、下請法違反の可能性がある親事業者に対し立入検査を実施しており、令和6年度は703者に立入検査を行った結果、1,321件の違反行為を確認し、584者に対して改善指導を実施している。違反行為の内容としては、禁止行為の違反として支払遅延が189件、下請代金の減額が139件、買いたたきが106件認められ、改善指導の対象となっており、この3類型で禁止行為違反の87%を占めている。また、改善指導のフォローアップとして、前年度以前の案件を含め、親事業者から594件の改善報告が行われている。3下請代金の返還改善報告を提出した親事業者594者のうち201者が、下請事業者4,951者に対して、減額した下請代金の返還や支払遅延にかかる遅延利息の支払など、総額約1億5,700万円の原状回復を行っている。このうち1件は公取に対して措置請求を行った事案であり、下請事業者9名に対して約6,700万円が返還されている。また、親事業者から下請法違反行為の自発的な申出が16件あり、下請事業者1,376者に対し、下請代金の減額分の返還等、総額約5億4,400万円の原状回復が行われている。(参考)「令和6年度における下請代金支払遅延等防止法に基づく取組」https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2025/250611.html
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2025/06/26
「第3回 経済社会のデジタル化への対応と納税環境整備に関する専門家会合」
政府税制調査会は6月11日、第3回経済社会のデジタル化への対応と納税環境整備に関する専門家会合を開催した。議題については、以下の4点となっている。1点目、「国境を越えたEC取引に係る適正な課税に向けた課題」については、これまでの意見として、「フルフィルメントサービスに関し、デジタルサービスと同様、物品販売についてもプラットフォーム事業者に納税義務を転換すべきでないか」、「各国の状況等も参考にしながら少額免税制度の見直しを進めてほしい」、「『フルフィルメントサービスにおける国外事業者の無申告』と『少額免税制度』への対応は、国外事業者がどちらかに流れることがないよう、同時に対応すべきでないか」などが挙げられている。次に「税に対する公平感を大きく損なうような行為への対応」については、検討に当たっての視点として、「国税当局が求める資料等が提示・提出されず正確な事実関係を確認することができない場合において、納税者に協力を促すためにどのような措置が考えられるか」を挙げ、留意点として「資料の提示・提出を拒む納税者に対してどのような効果を生じさせることが有効か」などを示している。3点目、「事業者のデジタル化・税務手続のデジタル化に向けた取組」については、検討にあたっての視点として「今後、関係機関・団体が連携して取り組んでいくことが重要」を挙げ、具体的なイメージとして「『取引から会計・税務までのデジタル化』について、基本的な考え方等に係る共通認識を醸成」することなどを示している。4点目として、今回、新たに総務省から「個人住民税の現年課税化」が説明されている。この項目については、令和5年6月の同会「わが国税制の現状と課題-令和時代の構造変化と税制のあり方-」において、個人所得課税の課題「働き方など個人のライフコースの選択に中立的な税制の構築」として提起されている。まず、個人住民税を前年所得課税としている理由を踏まえ、「現年課税化の意義」として、「所得発生時点と納税の時点を近づけることで、前年より所得が減少した者の負担感が減少する(働き方の多様化なども念頭)」、「所得税と同時期に課税が行われる結果、税を負担する者にとって分かりやすいものとなる」、「収入発生時に税を徴収するため、徴税が容易になり、税収の安定的な確保に資する」点を挙げている。その上で、主な論点(給与所得者の場合)として、以下の3点を示している。1給与支払者(企業等)における業務について2課税団体である市町村における業務について3現年所得課税への切替時の税負担のあり方について、どのような対応が考えられるか。(参考)「第3回経済社会のデジタル化への対応と納税環境整備に関する専門家会合」https://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/digital-noukan/2025/7digital-noukan3kai.html
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2025/06/25
国税庁「インボイスの取扱いに関するご質問」を更新
国税庁は、令和7年6月10日、「インボイスの取扱いに関するご質問」を更新し、新たに3つの質問(問Ⅴ~問Ⅶ)を追加した。新たに追加された質問の概要は以下のとおりである。問Ⅴ適格請求書の交付に当たっての金銭的負担適格請求書を電子データで提供している事業者が、書面による適格請求書を求められた場合、印刷代等の実費相当分を手数料として請求することは、社会通念上相当な金額であれば問題はない。しかし、著しく高額な請求は、優越的地位の濫用として独占禁止法上問題が生じる可能性がある。問Ⅵ適格請求書の交付に当たっての期間制限適格簡易請求書をレシート形式で交付している事業者が、レシートをなくした取引先から後日交付を求められても、システム上の制約で再発行ができない場合は、改めての交付義務は生じないとされる。但し、適格請求書を一度も交付していなかった場合は、一定期間後に発行できなくなったとしても交付義務が免除されず、手書きなどの手段により、対応を行う必要があるとしている。問Ⅶプラットフォーム課税の対象となる取引に係る適格請求書等プラットフォームを介して、海外からアプリの配信などを受けた場合、プラットフォーム課税の対象とならない取引は国外事業者であるアプリの配信者が適格請求書を発行することとなるが、プラットフォーム課税の対象となる取引であれば、特定プラットフォーム事業者が適格請求書を交付することになる。なお、特定プラットフォーム事業者の氏名または名称や、当該事業者に係るデジタルプラットフォームの名称は、国税庁ホームページ「特定プラットフォーム事業者名簿(※1)」で公表されている。プラットフォーム課税は、令和7年4月1日以後に、国外事業者がデジタルプラットフォームを介して行う消費者向け電気通信利用役務の提供で、かつ、特定プラットフォーム事業者を介して当該役務の提供の対価を収受するものについては、当該特定プラットフォーム事業者が当該役務の提供を行ったとみなして申告・納税を行うこととされたものである(※2)。今回追加された3問は、令和7年2月25日公表の最初の4問に続く形で公表されたもので、従前の質問内容は、令和7年4月改訂の「インボイスQ&A」にも反映済みである(※3)。(参考)インボイスの取扱いに関するご質問(令和7年6月10日更新)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0025002-059.pdf※1https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kazei/pdf/0024010-019.pdf※2https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kazei/pdf/0024003-088.pdf※3https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/qa_01.htm
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2025/06/24
職場における熱中症対策の強化について
厚生労働省は、令和7年5月30日、令和6年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)を公表した。職場における熱中症対策については、熱中症の重篤化を防止するため、労働安全衛生規則が改正され、令和7年6月1日から施行されている。この改正により、事業者には以下の措置が義務付けられる。1熱中症を生ずるおそれのある作業を行う際に、①「熱中症の自覚症状がある作業者」②「熱中症のおそれがある作業者を見つけた者」が、その旨を報告するための体制(連絡先や担当者)を事業場ごとにあらかじめ定め、関係作業者に対して周知すること2熱中症を生ずるおそれのある作業を行う際に、①作業からの離脱②身体の冷却③必要に応じて医師の診察又は処置を受けさせること④事業場における緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先及び所在地等など、熱中症の症状の悪化を防止するために必要な措置に関する内容や実施手順を事業場ごとにあらかじめ定め、関係作業者に対して周知することなお、熱中症を生ずるおそれのある作業とは、WBGT(湿球黒球温度)28度又は気温31度以上の作業場において行われる作業で、継続して1時間以上又は1日当たり4時間を超えて行われることが見込まれるものをいう。公表された「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」は、職場における熱中症による死傷者数の状況(2015~2024年)、業種別発生状況(2020~2024年)、月・時間帯別発生状況(2020~2024年)、年齢別発生状況(2020~2024年)、2024年の熱中症による死亡災害の事例であり、その概要は以下のとおりである。職場における熱中症による死傷者数の状況(2015~2024年)職場での熱中症による死亡者及び休業4日以上の業務上疾病者の数(以下合わせて「死傷者数」という。)は、2024年に1,257人と、死傷者数について統計を取り始めた2005年以降、最多となっている。うち、死亡者数は31人と、死亡災害について統計を取り始めた1989年以降、当時、観測史上1位の猛暑であった平成22年の47人に次いで多くなっている。業種別発生状況(2020~2024年)2024年の死傷者数1,257人について、業種別でみると、製造業が235人、建設業が228人の順で多くなっている。死亡者数については、31人のうち建設業が10人と最も多く発生しており、次いで、製造業が5人となっている。月・時間帯別発生状況(2020~2024年)1.月別発生状況2024年の死傷者数1,257人について、月別の発生状況でみると、約8割が7月、8月の2ヶ月間に集中している。特に死亡者数については、31人のうち、1人を除き、7月又は8月に集中している。2.時間帯別発生状況2024年の死傷者数1,257人について、時間帯別の発生状況についてみると、午前中や午後3時前後の被災者数が多くなってことが窺えるが、いずれの時間帯でも発生している。死亡災害についても同様にいずれの時間帯でも発生している。年齢別発生状況(2020~2024年)2024年の死傷者数1,257人について、年齢別の発生状況についてみると、死傷者数、死亡者数ともにいずれの年齢層においても発生しており、死傷者数については、50歳代以上で全体の約56%を占めており、死亡者数については全体の約67%を占めている。(参考)職場における熱中症による死傷者数の状況(2015~2024年)https://neccyusho.mhlw.go.jp/heatstroke/#sec01_04(参考)労働安全衛生規則の一部を改正https://neccyusho.mhlw.go.jp/pdf/2025/r7_ministerial_ordinance.pdf
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2025/06/23
相続土地国庫帰属制度の運用状況
法務省は5月22日、相続土地国庫帰属制度の運用状況に関する統計を同省ホームページに公開した(速報値)。相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地が管理できないまま放置されることで、将来、「所有者不明土地」が発生することを予防するため、相続または遺贈によって土地の所有権を取得した相続人が、一定の要件を満たした場合に、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とするものであり、令和5年4月27日から開始している。相続土地国庫帰属制度の運用状況に関する統計のホームページは、制度の運用状況に合わせて、順次内容を更新しているが、公開している数値はいずれも速報値であることに留意することが必要である。公開している内容は、1.申請件数、2.帰属件数、3.却下・不承認件数、4.取下げ件数となっている。1.申請件数(令和7年4月30日現在)(1)総数3,732件(2)地目別田・畑:1,431件、宅地:1,302件、山林:582件、その他:417件2.帰属件数(令和7年4月30日現在)(1)総数1,586件(2)種目別宅地:603件、農用地:497件、森林:89件、その他:397件3.却下・不承認件数(令和7年4月30日現在)(1)却下件数58件(却下の理由)・現に通路の用に供されている土地(施行令第2条第1号)に該当した:12件・現に水道用地、用悪水路又はため池の用に供されている土地(施行令第2条第4号)に該当した:1件・境界が明らかでない土地(法第2条第3項第5号)に該当した:11件・承認申請が申請の権限を有しない者の申請(法第4条第1項第1号)に該当した:6件・法第3条第1項及び施行規則第3条各号に定める添付書類の提出がなかった(法第4条第1項第2号):33件(2)不承認件数54件(不承認の理由)・崖(勾配が30度以上であり、かつ、高さが5メートル以上のもの)がある土地のうち、その通常の管理に当たり過分の費用又は労力を要するもの(法第5条第1項第1号)に該当した:5件・土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する土地(法第5条第1項第2号)に該当した:23件・除去しなければ土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が地下に存する土地(法第5条第1項第3号)に該当した:2件・民法上の通行権利が現に妨げられている土地(施行令第4条第2項第1号)に該当した:2件・所有権に基づく使用又は収益が現に妨害されている土地(施行令第4条第2項第2号)に該当した:1件・災害の危険により、土地や土地周辺の人、財産に被害を生じさせるおそれを防止するための措置が必要な土地(施行令第4条第3項第1号)に該当した:3件・国による追加の整備が必要な森林(施行令第4条第3項第3号)に該当した:22件・国庫に帰属した後、国が管理に要する費用以外の金銭債務を法令の規定に基づき負担する土地(施行令第4条第3項第4号)に該当した:6件なお、1つの事件で複数の却下の理由又は不承認の理由が認められる場合がある。4.取下げ件数(令和7年4月30日現在)604件取下げの原因の例として下記のものがある。・自治体や国の機関による土地の有効活用が決定した・隣接地所有者から土地の引き受けの申出があった・農業委員会の調整等により農地として活用される見込みとなった・審査の途中で却下、不承認相当であることが判明した(参考)相続土地国庫帰属制度の統計https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00579.html
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2025/06/20
米国関税措置の影響に関する企業ヒアリングの結果の公表
財務省は令和7年6月13日「政府系金融機関による企業ヒアリング(米国関税措置の影響)の結果」を公表した。財務省では令和7年4月22日に「米国関税措置の影響に関する企業ヒアリングの結果」と併せて「政府系金融機関による企業ヒアリング(米国関税措置の影響)の結果」を公表しており、今回の調査は事業者を取り巻く環境が変化する中、改めて5月末時点で融資先等にヒアリングを実施したものである。令和7年4月22日に行われた「米国関税措置の影響に関する企業ヒアリング」は今年4月9日~15日の期間に、全国518社(製造業317社、非製造業176社、業界団体等25社)を対象に実施したもので、ヒアリングの結果概要は、「すでに影響が出ているとの声は1割弱であり、現時点で影響がないとの声が多数」、「ただし、現時点で影響はないものの、今後の影響を懸念する声も多く聞かれた」というものであった。ヒアリング対象の政府系金融機関は、日本政策投資銀行(DBJ)【大企業・中堅企業】、日本公庫【中小企業・小規模事業者】、国際協力銀行(JBIC)【主として大企業(海外拠点を含む)】で、令和7年4月22日には、DBJは輸送用機械・はん用機械を中心に227先のヒアリングを実施し、日本公庫は、中小事業部で、製造業を中心に705先のヒアリングを実施し、国民事業部で、全国の商工会・商工会議所277先のヒアリングを実施し、農林事業部で、農業・畜産業・林業・漁業に30先のヒアリングを実施した。また、JBICでは、自動車・半導体・重工・電力・資源等165先のヒアリングを実施した。令和7年6月13日には、DBJは輸送用機械・はん用機械を中心に230先のヒアリングを実施し、日本公庫は、4月22日と同数のヒアリングを行い、JBICでは、4月22日に行った事業者を継続フォロー、アップデートを実施した。令和7年6月13日の各政府系金融機関の調査結果概要は以下のとおりである。DBJ【大企業・中堅企業】・融資先(230先)にヒアリングを実施した結果、販売量の減少や生産コストの増加など、事業全体で影響が発生しうるとの回答は全体の2割、資金繰りで影響が発生しうるとの回答は全体の1割弱と、前回(4月22日)調査から大きな変化はなかった。・輸送用機械(自動車業界)に対象を絞ると、事業全体で影響が発生しうるとの回答が5割と前回(4月22日)調査から拡大、資金繰りで影響が発生しうるとの回答が2割と前回から大きな変化はなかった。日本公庫【中小企業•小規模事業者】・中小事業部の融資先(705先)、全国の商工会・商工会議所(277先)にヒアリングを実施した結果、「現時点で影響あり」「今後影響が、発生する可能性がある」の割合が、前回(4月22日)調査から若干増加しているものの、引き続き、影響なしとの声が多数であった。JBIC【主として大企業(海外拠点を含む)】・自動車・重工・鉄鋼・資源等を継続フォローし、アップデート(海外拠点についても聴取)を行った。・不透明な状況が続き、影響は様子見であるも、関税措置による景気悪化、コスト増加、クレジットスプレッド拡大等に伴う懸念があり、具体的には、自動車における設備投資資金、販売を下支えする資金の潜在的なニーズに加え、米国・第三国間の関税による影響や、インフレの影響が懸念される分野(LNG)がある。米国向け直接輸出は代替困難な製品が多いため、影響が限定的な分野(鉄鋼)も存在するが、間接的な影響には留意が必要である。・地域別にみると、地産地消型のビジネスであり影響は軽微という声がある一方、中国など一部製造拠点を米国・東南アジアに移管する動きがある。米国への輸出減に伴い、他地域での価格競争等を懸念する声がある。(参考)政府系金融機関による企業ヒアリング(米国関税措置の影響)の結果https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/20250613_kekka.pdf(参考)米国関税措置の影響に関する企業ヒアリングの結果https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/20250422.html
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2025/06/19
中小企業の賃金改定に関する調査
日本商工会議所ならびに東京商工会議所は6月4日、「中小企業の賃金改定に関する調査」の結果を公表した。本調査は、昨年度に引き続き、雇用の7割を支える中小企業における賃上げの実態を詳細に把握し、今後の要望活動に活かすことを目的として、本年4月から5月にかけて全国47都道府県の会員企業3,042社を対象に実施されたものである。回答の集計・分析に当たっては、以下のように分類して行われた。・従業員規模別:全体(3,042社)、小規模企業(従業員20人以下、1,612社)・地域別:都市部(東京23区・政令指定都市490社)、地方(2,552社、うち小規模企業1,363社)・雇用形態別:正社員、パート・アルバイト等1従業員規模別の賃上げ実施状況2025年度の賃上げについて、「賃上げを実施する(予定を含む。)」企業は、全体で69.6%(前年比▲4.7ポイント)、小規模企業では57.7%(同▲5.6ポイント)となった。「現時点で未定」とする企業は、全体で23.5%(同+3.1ポイント)、小規模企業では31.9%(同+2.9ポイント)であり、価格転嫁の遅れや米国の関税措置などによる先行きの不透明感から、慎重な姿勢を取る企業が増加している。なお、「賃上げを実施する(予定を含む。)」と回答した企業のうち、「業績の改善が見られないが賃上げを実施する(予定を含む。)」とする防衛的な賃上げを行う企業は、全体で60.1%(同+1.0ポイント)、小規模企業では62.8%(同▲1.3ポイント)となっている。主な理由としては、「人材の確保・採用」が71.5%、「物価上昇への対応」が69.4%となっている。2地域別の賃上げ実施状況「賃上げを実施する(予定を含む。)」企業の割合は、都市部で71.4%、地方で69.3%となっている。一方で、地方・小規模企業では57.1%と全体より12.5ポイント低く、「現時点で未定」との回答も33.5%に達しており、賃上げに対してより慎重な姿勢が見られるとしている。3雇用形態別の賃上げ実施状況正社員(月給)の賃上げについて、全体では賃上げ額11,074円、賃上げ率4.03%(同+0.41ポイント)、小規模企業では賃上げ額9,568円、賃上げ率3.54%(同+0.20ポイント)となっている。地域別では、都市部は賃上げ額12,857円、賃上げ率4.37%(同+0.48ポイント)、地方は賃上げ額10,627円、賃上げ率3.94%(同+0.41ポイント)、地方・小規模企業では賃上げ額9,269円、賃上げ率3.55%(同+0.34ポイント)となっており、都市部・地方ともに前年を上回る賃上げが実施されているが、地方の小規模企業においては賃上げ幅が相対的に小さい傾向にあるとしている。(参考)「中小企業の賃金改定に関する調査」https://www.jcci.or.jp/news/research/2025/0604153019.html
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2025/06/18
令和7年度税制改正(基礎控除の見直し関係)Q&Aを公表
国税庁は、令和7年度税制改正により行われた所得税の「基礎控除」、「給与所得控除」に関する見直しや「特定親族特別控除」の創設などに伴う、源泉徴収事務の変更点をまとめたQ&Aを特設サイトにおいて5月30日に公表した。今回のQ&Aは、改正後の令和7年分年末調整事務および令和8年1月以後の源泉徴収事務を中心に、以下の7項目で構成されている。・改正の概要・令和7年分年末調整関係書類の記載事項・特定親族特別申告書・令和7年分年末調整における年税額の計算・令和8年分以後の給与の源泉徴収事務・公的年金等に係る令和7年度税制改正・令和7年分の所得税に係る準確定申告書等なかでも注意すべき点は、令和7年分の給与に関する源泉徴収事務の手続きである。税制改正による基礎控除の見直し等は令和7年12月1日から適用されるため、それ以前の令和7年11月末までに支払われる給与については、従来通りの源泉徴収事務を行うこととなる。そして、12月以後に支払う給与および年末調整から改正後の取扱いが適用される(「1-1改正の概要」参照)。このため、令和7年12月に実施する年末調整では、改正後の基礎控除額や給与所得控除に基づいて年間の所得税額を計算し、改正前の「源泉徴収税額表」によって計算した源泉徴収税額との精算を行うことになる(「1-1改正の概要」参照)。もし、年の最後の給与が11月30日以前に支払われた場合は、年末調整では改正後の控除等は適用されず、確定申告で適用されることとなる(「1-12令和7年12月1日以後居住者として給与の支払を受けていない人」参照)。特に注意が必要なのは、令和7年11月30日以前に令和7年分の準確定申告の提出を行う場合、一旦、改正前の税額計算による準確定申告書を提出し、12月1日以後に、改めて更正の請求を行うことで改正後の制度の適用を受けることとなる(「7-1令和7年11月30日以前に準確定申告書を提出する場合の基礎控除等」参照)。なお、令和8年1月1日以降は、改正後の「源泉徴収税額表」に基づき源泉徴収事務を行うことになる(「5-1令和8年分以後の給与の源泉徴収事務の改正」参照)。改正後の源泉徴収事務に必要な用紙等について、「特定親族特別控除申告書」、「給与所得の源泉徴収票」、「令和8年分給与所得に対する源泉徴収簿」は令和7年6月末頃、「令和7年分年末調整のしかた」、「令和8年分源泉徴収税額表」は令和7年8月末頃に国税庁ホームページに掲載予定である。(参考)令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&Ahttps://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0025005-051.pdf(参考)令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等についてhttps://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm
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