アウトライン審査事例
国税不服審判所が示した審査請求事件の裁決例は、正確な税務処理を行っていくうえで見落とせません。アウトライン審査事例では実務家の皆様にとって実用性の高い裁決事例を簡潔に紹介。併せて、参照条文も記載しておりますので、実務上の判断の一助としてお役立てください。
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2024/05/13
仕入先が取締役の親族であることを考慮した仕入金額の上乗せがあるとはいえないとして、仕入金額の一部を贈与(寄附金)とした課税処分が取り消された事例(全部取消し、一部取消し)
【裁決のポイント】法人税法上、相手に時価より安く売った低額譲渡の場合には時価と受け取った対価の差額部分、逆に、相手から時価よりも不相当に高い対価を支払って購入した場合には時価を超える部分の金額も、相手への実質的な贈与であり、寄附金に該当すると解される(法人税法第37条)。寄附金の損金算入限度額は相手(国...
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2024/05/13
実務経験20年以上の審査請求人は、当初から所得を過少に申告する意図を有していたとして重加算税が課された事例(棄却)
【裁決のポイント】国税通則法第68条《重加算税》第1項又は第2項に規定する「国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し」とは、いわゆる二重帳簿の作成や帳簿書類の隠匿、虚偽記載等がある場合を指すが、最高裁平成7年4月28日判決以後、そういった積極的な行為がなくと...
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2024/04/22
水産庁の実証実験参加に必要な経費として交付される助成金は漁協に交付されたもので、審査請求人が漁協から受取る操業料は役務の対価に該当すると判断された事例(棄却)
【裁決のポイント】事業者が受け取る金員が、役務を提供したことへの反対給付であれば、その金員は資産の譲渡等の対価(役務の対価)として、消費税の課税取引である。一方、事業者が国又は地方公共団体等から受ける奨励金や助成金、補助金で、特定の政策目的の実現を図るための給付金は、資産の譲渡等の対価に該当しない(消費...
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2024/04/15
源泉徴収義務者に誤って徴収された金額の支払を直接に請求することになると判断した事例(一部取消し、棄却)
【裁決のポイント】所得税の源泉徴収額が税法の規定より多かった場合に、受給者は、どこに、税を戻してくれるよう請求することになるか。この点について、最高裁の平成4年2月18日判決があり、受給者は国(税務署)に直接請求できず、国との間に源泉徴収をした支払者が入る。本件の審査請求人は法人の元代表者で、法人に提訴...
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2024/04/08
貸金返済債務の遅延損害金支払債務は、弁済期を経過した日以後、日々経過するごとに必要経費に算入すべき金額が確定するとした事例(一部取消し・棄却)
【裁決のポイント】所得税法第37条《必要経費》第1項は、減価償却費を除く費用の計上時期は、その債務の確定の日としている(いわゆる「債務確定主義」)。具体的には、その年12月31日までに①当該費用に係る債務が成立している、②当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生している、③その金額を合...
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2024/04/01
錦鯉は、みなし役員の個人資産であり、法人が支払った購入費用等は役員賞与に該当すると判断された事例(棄却)
【裁決のポイント】法人税法上の役員には、会社法等の規定に基づく役員のほかに、法人の使用人以外の者(顧問や相談役等)で、法人の経営方針の意思決定に参画して、役員と同様に法人の経営に従事していると認められる者も含まれる。それらを「みなし役員」という。ビルメンテナンス業等の審査請求人は、錦鯉を購入したとして「...
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2024/03/25
破産管財人に源泉徴収義務はなく、破産者の自由財産による所得と合算して、破産者個人が確定申告及び納付義務を負うと判断された事例(棄却)
【裁決のポイント】所得税法第181条《源泉徴収義務》第1項は、居住者に対し国内において配当等の支払をする者は、その支払の際、その配当等について所得税を徴収する義務がある。「配当等の支払をする者」とは、配当等の支払事務を取り扱う者と解される。国外株式の配当等の場合には、国内における支払取扱者として定められ...
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2024/03/18
受け取った業務報酬は受贈益に該当し益金に算入されるべきであるから、その消費税相当額も益金に算入すべきと判断された事例(棄却)
【裁決のポイント】法人税法上、法人が金銭その他の資産の贈与を受けた場合の受贈益は、その法人の益金の額に算入されることになる。一方で、消費税法上、贈与は、事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供に該当せず、消費税等が課されないから、受贈益は、その全額が贈与を受けた事業年度の所得の金...
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2024/03/11
抵当権の登記の抹消が条件とされていた土地の譲渡について、根抵当権の抹消の登記がされた日が土地の引渡日であると判断された事例(棄却)
【裁決のポイント】不動産の譲渡の収益は、その不動産の「引渡しの日」の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入するものとされている(法人税法第22条の2第1項)。代金支払と同時に当該不動産の引渡しや所有権移転登記がされれば、「引渡しの日」は客観的に明白である。しかし、契約当事者の諸事情から、それ...
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2024/03/04
審査請求は、不服申立てをすることができる期間を経過した後にされた不適法なものであると判断された事例(却下)
【裁決のポイント】「送達」は、単なる通知と違って、法的な効果が結び付けられているため、相手に到達したかどうか明確にされる必要がある。国税通則法第12条《書類の送達》第1項は、国税に関して税務署長が発する書類は、郵便等による送達又は交付送達により、その送達を受けるべき者の住所又は居所(事務所及び事業所を含...
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