税金ワンポイント

税務に関するニュースの中でも、注目度の高いトピックスを取り上げ紹介していく税金ワンポイント。主要な改正情報はもちろん、税務上、判断に迷いやすい税金実務のポイントを毎週お届けします。速報性の高い、タイムリーな情報を皆様の実務にお役立てください。

改正会社法では、利益処分案に代えて「株主資本等変動計算書」が計算書類とされることになっているが、これは会社法上のすべての会社に適用されるため、中小株式会社はもちろん、特例有限会社(みなし株式会社)や合資・合名会社、合同会社(LLP)も決算書類の変更が求められることとなる。会社法では、従来の商法で「貸借対照法、損益計算書、利益金処分案又は損失処理案、営業報告書、付属明細書」とされていた決算書類が、「貸借対照表、損益計算書、株主(社員)資本等変動計算書、事業報...
国税庁はこのほど、移転価格税制におけるいわゆる事前確認の状況等を取りまとめたレポートを公表したが、処理事案の地域別内訳では、アジア・大洋州地域に対するものが増加傾向を示している。事前確認(AdvancePricingArrangement=APA)とは、法人が採用する移転価格税制における「独立企業間価格」の算定方式を税務当局が事前に確認する制度であり、相手国税務当局との相互協議が行われたうえで確認がなされるため、利用企業数は年々増加している。2004事務年...
国税庁はこのほど、通達改正で新設した最高裁判決を受けた取得費関連の取扱いについての「趣旨説明」を公表し、遺産分割に争いがある場合の訴訟費用等は取得費に該当しないことを明らかにした。周知の通り、最高裁判決で、譲渡されたゴルフ会員権を譲渡した場合の取得費に名義書換料が含まれることとされたのを受けて、国税庁は所得税基本通達60−2を新設し、「受贈者が当該資産を取得するために通常必要と認められる費用」は、取得費に算入することとした。今回の趣旨説明はいわばこの通達の...
各省庁等の税制改正要望が出されているが、その中で、経済産業省が業績連動型役員報酬や役員賞与の損金算入を認めるよう要望しており注目されている。周知の通り、産業界では役員のインセンティブ処遇が主流となりつつあることもあって、業績連動型の役員報酬を導入する企業が増加している。しかし、法人税法では、損金算入される役員報酬の要件を「定時定額」で支給されるものとしていることもあって、支給額が変動する業績連動型役員報酬については、全額を損金算入することは認められていない...
アスベストの被害拡大を受けて厚生労働省がその除去等を義務化したが、これによって税務上その費用を修繕費として一括損金処理することが可能となった。厚生労働省が新たに定めた「石綿障害予防規則」では、使用されている建物にアスベスト飛散の可能性がある場合には、建物の所有者は、①除去、②封じ込め、③囲い込み、のいずれかの措置をとることが義務付けられ、7月1日から施行されている。アスベストの除去費用は1㎡あたり2万円程度といわれ、使用面積が広ければその費用も高額に上るが...
国税庁はこのほど改正した所得税基本通達で、投資事業有限責任組合いわゆるLLPなどの組合契約に係る国内源泉所得の範囲や源泉徴収に関する取扱いを整備した。それによると、17年度改正で組合事業から生じた利益が国内源泉所得とされたことに伴って、国内で行われる組合事業から生じた一切の利益が国内源泉所得に該当することが明示されたほか、対象となる「対価等」には、損害賠償金や和解金、遅延利息なども含まれることが留意的に定められている。また、非居住者や外国法人については、国...
国税庁がこのほど公表した全国の最高路線価は、平均値では13年連続で低下したものの、都市部で上昇に転じるなど2極分化が進む結果となったが、今年度から新たに路線価図に導入された「貸宅地割合」は沖縄県の一部で限定的に定められるにとどまった。この貸宅地割合は、貸付けられている宅地(底地)を評価する場合に使われるもので、財産評価基本通達の改正によって、貸宅地割合が定められている場合には、「自用地価額×貸宅地割合」で貸宅地を評価することとされている。つまり、貸宅地割合...
国税庁はこのほど、所得税基本通達を改正し、従業員が勤務先から受ける発明の対価の所得区分、相続や贈与によって取得した減価償却資産にかかる登録免許税の取得価額算入等の取扱いを明確化した。従業員が受ける発明の対価については、これまでは「権利の承継、登録又は実施に際して一時に受けるもの」は譲渡所得、「権利を承継させた後においてその実施後の成績に応じ継続して受けるもの」は雑所得とされていた。改正後の通達では、「権利の承継に際し一時に支払を受けるもの」は譲渡所得に、「...
路線価の公表を間近に控え、土地評価関連の情報等の公表が相次いでいるが、国税庁はこのほど、財産評価基本通達を改正して「貸宅地」の評価方式を柔軟化したほか、広大地評価に関する情報もあわせて公表した。まず、貸宅地の評価では、これまで自用地としての価額から「借地権割合」による借地権価額を控除して評価することとされていたものを、一部については、「貸宅地割合」を乗じて評価する方式も導入することとした。貸宅地割合が定められる地域は限定的とされており、路線価図の中で公表さ...
定期借地権については、一定の要件を備えた契約となっていること等を条件に、設定時に授受された一時金を借地権利金ではなく「前払費用」、「前受収益」とすることが認められたのは周知のところだが、国税庁はこのほど、こうした前払賃料方式の定期借地権の相続税評価等に関する取扱いを公表した。まず、定期借地権の相続税評価については、前払賃料方式の場合でも評価通達27−2の算式を適用し、前払賃料の額を「返還を要しない」権利金等の金額と同様に「経済的利益の額」とみなして借地の自...