税金ワンポイント

税務に関するニュースの中でも、注目度の高いトピックスを取り上げ紹介していく税金ワンポイント。主要な改正情報はもちろん、税務上、判断に迷いやすい税金実務のポイントを毎週お届けします。速報性の高い、タイムリーな情報を皆様の実務にお役立てください。

国税庁はこのほど、生命保険会社が販売している終身保障タイプの長期損害保険に関する取扱いを公表した。この保険は、いわゆる掛捨て型の保険であり、満期保険金はないが、失効や解約、解除の場合には所定の返戻金が支払われる。今回国税庁が公表した取扱いでは、法人が契約者となって保険料を負担した場合には以下のように取り扱うこととしている。(1)生保標準生命表の最終の年齢「男性106歳、女性109歳」を参考に「105歳」を「計算上の保険期間満了時の年齢」とし、保険期間の開始...
東京地裁はこのほど、厚生年金基金が解散した場合にすでに年金の受給を開始している者が受け取る一時金について、その一部を退職所得とみなす旨の新判断を示した。これまでは、厚生年金基金が解散したことによって加入者に支払われる一時金は一時所得として取り扱われてきており、現に勤務している者のみならず、すでに退職して年金を受給している者に対しても同様に扱われている。今回の裁判は、一時所得として課税を受けた年金受給者が退職所得に該当するとして争っていたもので、判決では受給...
18年度改正で成立した特殊支配同族会社の役員給与の損金算入制限は、一定の同族会社の役員給与のうち給与所得控除に相当する金額を損金不算入とする制度であるが、このほど交付された政・省令で対象となる同族会社の要件等が明らかとなった。まず、この制度の対象となるのは、業務主宰役員とその関連者等が株式等の90%以上を所有し、それらの者が常務役員の過半数を占めている同族会社とされているが、関連者については次のような者が該当することとされた。(1)業務主宰役員の親族(2)...
4月1日から、いわゆるPSEマークのないテレビ、冷蔵庫、音響機器等の電気製品の販売が法律上はできなくなったが、実態的には販売が可能となっているところから、税務上の評価損の計上は難しいのではないかとの観測が強まっている。PSEマークは安全性が確保された電気製品に付けられるもので、電気用品安全法によって定められ、猶予期間が経過した本年4月からは、エアコンなどの20年4月から適用となるものを除き、マークがないものの販売が法律上は不可能となった。ただし、施行間際に...
18年度改正で一人当たり5000円以下の飲食費等を交際費課税の対象から除外する旨の改正が行われたのは周知の通りだが、このほど交付された政・省令改正で具体的な手続き等が明らかとなった。それによると、改正措置法施行令で飲食等の参加者一人当たりの金額が5000円以下であることを明らかにした上で、改正規則でこの規定の適用を受けるために法人が保存すべき書類が規定されており、具体的には次の事項を記載した書類を保存することになる。(1)飲食等のあった年月日(2)飲食に参...
税制改正法案が成立したのに伴って、役員に定期定額以外の給与を支給する場合の損金算入要件である事前届出の期限が注目されていたが、改正政令では、(1)その役員給与にかかる職務執行が開始する前、および(2)会計期間の開始日から3月以内、のいずれか早い日までとされることが明らかとなった。改正法人税法では、従来の役員報酬、役員賞与、役員退職金を「役員給与」として1本化し、その給与が利益を基にして支給されるものかどうか等に応じてそれぞれ損金算入要件を定めている。このう...
18年度税制改正法案が国会で可決成立し、改正政省令が近々にも交付されることとなっているが、法人関連の改正項目の中で大きな関心を集めている一人当たり5000円以下の飲食費の交際費課税からの除外は、親子会社等の関連法人間での接待も対象になる見込みである。改正租税特別措置法では、交際費課税の対象外とする飲食費の具体的な範囲を政令に委任しているが、改正政令で一人当たり5000円という基準が定められるのは確実だ。一方で、改正法で自社の役員や従業員あるいはその親族に対...
17年度改正で創設された人材投資促進税制では、対象となる教育訓練費の範囲が問題となるケースが多くなるものと見られるが、国税庁はこのほど、正社員とともに派遣社員の研修等を行ってその費用を負担した場合に、一定要件の下で全額を税額控除の対象となる教育訓練費とみなす弾力的な取扱いを明らかにした。先ごろ公表された措置法関係通達では、自社の専属下請等の従業員と自社の従業員を一緒に参加させる教育訓練にかかる費用を自社で全額負担した場合には、専属下請等の従業員の数が「極め...
18年度改正ではストックオプション関係の規定の整備が行われるが、税制非適格ストックオプションを付与した法人の損金算入時期は権利行使時とされることになり、会計処理との乖離が出てくる場面も想定される。ストックオプションは、所得税の面では付与時には課税せず、税制適格ストックオプションは株式の譲渡時に、非適格は権利行使時にそれぞれ課税することとされている。18年度改正では、企業会計面でストックオプションに係る会計基準が公表されたこともあって付与する法人サイドの税務...
平成18年度税制改正法案である「所得税法等の一部を改正する法律案」では、申告書の公示制度が廃止されるほか、郵送による書類提出日規定の緩和など、納税環境の整備面の手当ても行われることになっている。まず、申告書の公示は現行法では所得税、法人税、相続税、地価税(適用停止中)が対象になっているが、これらがすべて平成18年4月1日から廃止される。公示制度については、かねてから弊害が指摘されていたが、個人情報保護法の施行もあって、各税法の規定がすべて廃止されることにな...