税金ワンポイント

税務に関するニュースの中でも、注目度の高いトピックスを取り上げ紹介していく税金ワンポイント。主要な改正情報はもちろん、税務上、判断に迷いやすい税金実務のポイントを毎週お届けします。速報性の高い、タイムリーな情報を皆様の実務にお役立てください。

19年度改正では、減価償却関連の改正が行われ、すでに残存簿価が5%に到達している減価償却資産について、償却を復活させて備忘価額を残して5年間の均分償却が認められることになるが、所得税では、本則どおり「償却限度額」ではなく5分の1ずつ強制的に減価償却を行うこととなる。周知の通り、法人税では、減価償却費は法人が損金経理した金額のうち、償却限度額までの金額が損金算入されることになっており、事実上任意償却が認められている。これに対して所得税では減価償却費を強制的に...
19年度改正では、会社法で施行が1年間凍結されたいわゆる三角合併が19年5月1日から解禁されるのに伴って、租税回避行為をシャットアウトする手当てが講じられることになっている。旧商法の規定では、吸収合併等の場合に、被合併法人等の株主にその株式に代えて交付する合併対価は、合併存続法人等の株式に限定されていたが、会社法では、それ以外の合併対価の交付を認めることとされた。合併対価の柔軟化といわれているもので、具体的には、合併法人の親会社の株式、合併法人の社債等、さ...
国税庁はこのほど、先の最高裁判決を受けて、小規模宅地等の居住要件に関する取扱いの変更を公表した。小規模宅地の減額特例は、相続開始直前において、被相続人等が居住の用あるいは事業の用に供していた宅地であることが、適用を受けるための要件の一つとされているが、最高裁で争われた事案は、対象土地が区画整理地内にあり、従前の土地および指定を受けた仮換地ともに使用収益が禁止されて居住できない場合の適用の可否をめぐるもの。税務署は、その土地に居住していないことから、居住用の...
最高裁はこのほど、公道に面していない無道路地の固定資産税評価に当たって、その土地への通行に使われている土地が同一人の所有である場合には、通路開設のための減額補正は行わない旨の判決を行った。この事案は、地番、地目の異なるA土地とB土地を所有する納税者が、A土地が公道に面していない無道路地であり、出入りには公道に面したB土地を通行しなければならないところから、A土地の固定資産税評価に当たって、通路開設の減額補正を求めて提訴していたもの。課税庁である自治体側は、...
19年度税制改正では、信託法の改正を受けて信託関連税制の整備が行われるが、その中では、信託を利用した租税回避行為に対する防止策も手当てされることになっている。まず、遺言等によって設立される目的信託など受益者の存在しない信託については、受託者に法人税が課税されるのが原則とされているが、この法人税の税率と相続の場合に課される相続税の税率との差を利用した租税回避に対しては、受託者に対して相続税等を課税するものとしている。さらに、受益者が存在することになった時点で...
政府は平成19年度税制改正法案である「所得税法等の一部を改正する法律案」を国会提案したが、役員給与関連では、非常勤役員の給与を届出対象から除外するほか、届出期限の緩和、特殊支配同族会社にかかる損金不算入の適用除外範囲の拡大などが盛り込まれた。まず、非常勤役員等で定期同額給与を支給していない者に対して、年1回あるいは2回に分けて支給する給与については、現行では事前確定届出給与として税務署長に事前に届出ることが、損金算入の要件とされているが、改正案では、非同族...
19年度改正では、リース会計基準の導入に絡んで、法人税におけるリースの規定が大幅に改正されることになっている。周知の通り、現行の法人税法では、一定のリース取引を売買とみなし、それ以外のリースは賃貸借あるいは金融取引等としているが、リース会計基準では原則としてすべてのリース取引を売買取引と認識することとされており、これを受けて、法人税でもこれまで売買とされていなかったリース(所有権移転外リース)について売買とみなすこととされる。したがって、改正後は法人税にお...
平成19年度改正では減価償却関連の項目が関心を集めているが、残存価額と償却可能限度額の廃止は、すべての減価償却資産に適用される見込みとなっている。減価償却制度の改正では、法定耐用年数経過時における取得価額の100%償却を可能にするため、定率法および生産高比例法の適用資産について取得価額の10%相当額の残存価額が廃止されるとともに、取得価額の5%相当額である償却可能限度額が廃止されることになっている。この改正は、平成19年4月1日以後に取得等する減価償却資産...
国税庁はこのほど、相続税及び贈与税に関する質疑応答事例を公表し、離婚時の厚生年金分割による贈与税課税の有無などのほか、生命保険金への精算課税制度の適用の可否などの扱いを公表した。まず、離婚時の厚生年金の分割は、関連法の改正によって、①平成19年4月から離婚時に厚生年金の分割が、②平成20年4月から3号被保険者の分割が、それぞれ新たな制度として設けられたことによるもの。①については、離婚時の夫婦間の協議等によって分割されるが、それは夫婦間の財産分与に該当して...
19年度税制改正では、信託法の改正を受けて、新たな信託類型に対する課税方法が明らかにされる。具体的には、信託の受益者に対するパススルー課税を原則としつつ、①受益証券発行信託、②受益者の存在しない信託、③受益者連続型信託、についてそれぞれ課税方法が定められることになる。まず、受益証券発行信託は、受託者が税務署長の承認を受けた法人であること等の一定の要件を満たす場合(特定受益証券発行信託)には、信託から生ずる所得について受益者に対して法人税または所得税を課税し...