税金ワンポイント

税務に関するニュースの中でも、注目度の高いトピックスを取り上げ紹介していく税金ワンポイント。主要な改正情報はもちろん、税務上、判断に迷いやすい税金実務のポイントを毎週お届けします。速報性の高い、タイムリーな情報を皆様の実務にお役立てください。

国税庁は8月1日、相続税や贈与税における財産評価の基準となる、平成19年分の路線価を公表した。景気回復、都心回帰の現象、不動産証券化市場の規模の拡大などが利便性や収益性の特に高い地域の路線価を引き上げる一方、地方圏においても一部の地域を除いて下落幅は減少し、全体として下げ止まり感が高まった。最高路線価は、大阪、横浜、名古屋、東京、仙台、福岡、京都、札幌、神戸の9都市で上昇率が20%を超えた。中でも大阪(北区角田町御堂筋)は40.3%もの大幅な上昇、それに次...
全部取得条項付株式とは、定款の定めにより、特定の種類の株式の全部を取得することができる種類株式で、会社法によって発行可能となったものである(会社法171、108①七)。全部取得条項付株式の取得については、平成18年度税制改正において、取得の対価が発行法人の株式のみであり、取得した株式と交付された株式が概ね同額である場合には、譲渡損益は繰り延べられることとされており(所法57の4③三、法法61の2⑭三)、みなし配当課税は適用除外となっている(所法25①四、法...
国税庁が公表した「「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)」において「使用人から執行役員への就任に伴い退職手当等として支給される一時金」が新設された(通達30-2の2)。これは、先に国税庁のホームページ等でパブリックコメントを募集していた退職所得と認められる執行役員就任に伴う一時金についての内容で、今回正式に通達に盛り込まれたものだ。職制上使用人としての地位のみを有する使用人から執行役員に就任した者に対し、その就任前の勤続期間に係...
平成19年度税制改正で大きく変わった減価償却制度関連の改正通達が7月6日に公表された。新減価償却制度については、既に「法人の減価償却制度に関するQ&A」が公表されているが、今回正式に定められた法令解釈通達では、「Q&A」の内容に加え、新たな事項も盛り込まれている。「Q&A」にはなく、通達によって新たに明示された内容のうち主なものは次のとおりである。
子会社の倒産防止のために貸付金及び売掛金の債権を放棄して、子会社支援損として損金の額に算入したものが、子会社に対する寄附金に該当するか否かを主要な争点とした訴訟で、東京地裁は寄附金とした課税処分を適法とする判断を示した(平成18年(行ウ)第144号平成19年6月12日判決言渡)。法基通9-4-2では、「業績不振の子会社等の倒産を防止するためにやむを得ず行われるもので合理的な再建計画に基づくものである等、相当な理由があると認められるときは、無利息貸付等により...
国税庁は、4月13日から5月12日まで、移転価格事務運営要領の改定案に対しての意見を募集していたが、6月26日付けで「移転価格事務運営要領」(事務運営指針)、「連結法人に係る移転価格事務運営要領」(事務運営指針)、別冊「移転価格税制の適用に当たっての参考事例集」をホームページに公表した。今回の事務運営指針では、「無形資産取引」に関する判断基準の明確化と「事前確認」の利用環境整備が柱となっている。「無形資産取引」については,『無形資産が所得の源泉となっている...
法人事業税の外形標準課税制度の取扱いについて、法人税の改正に併せて変更になっている部分があるため注意が必要である。主なものとしては、報酬給与額の算定におけるストックオプション費用の取り扱いである。従来、ストックオプションは、自己株式の処分として資本等取引とされ、損益計算の対象とされていないことから、外形標準課税制度においても報酬給与額とは扱われていなかった。しかし、会計上、権利付与日から権利確定日までの対象勤務期間にわたり費用計上することとされたことを受け...
平成18年分以前の住宅ローン控除の適用者のうち、税源移譲による税率改正の影響で平成19年分以後の所得税で控除しきれない住宅ローン控除額が発生した場合には、平成20年分以降の個人住民税から税額控除できることとされている。対象となる額は、①住宅ローン控除額と②税源移譲前の所得税率を適用した住宅ローン控除を控除する前の所得税額(移譲前所得税額)、のどちらか小さい額から、③税源移譲後の所得税率を適用して住宅ローン控除等の適用前の所得税額(移譲後所得税額)、を控除し...
法人が公社債利子や預貯金利子、合同運用信託の収益の分配などの利子の支払を受けた場合に特別徴収される利子割額は、法人の道府県民税の計算において、法人税割額から控除されることになっている。このとき法人税割額から控除しきれなかった利子割額は、従来は還付(または未納の徴収金に充当)され、道府県民税均等割との相殺はできないこととされていた。これが平成19年4月1日以後開始事業年度より、各都道府県の事務の効率化や納税者の利便を図る目的により、法人税割額で控除できなかっ...
組織再編成(合併、分割、現物出資又は事後設立)に伴い、被合併法人等の使用人が合併法人等の業務に従事する場合に、その使用人に退職給与を支給しないこと等、一定の要件を満たすときは、組織再編成直前の被合併法人等の退職給与引当金のうち、一定金額を合併法人等に引継ぐこととされている。しかし、退職給与引当金制度は、平成14年度税制改正により廃止され、改正事業年度開始の時において有する退職給与引当金勘定は段階的(改正事業年度終了時の資本金の額が1億円超の法人は4年間、1...