税金ワンポイント

税務に関するニュースの中でも、注目度の高いトピックスを取り上げ紹介していく税金ワンポイント。主要な改正情報はもちろん、税務上、判断に迷いやすい税金実務のポイントを毎週お届けします。速報性の高い、タイムリーな情報を皆様の実務にお役立てください。

郵政民営化に伴い、租税特別措置法第69条の4の小規模宅地特例が改正され、80%評価減の対象から「国営事業用宅地」が除かれた(19年10月1日施行)。これにより特定郵便局の敷地に80%評価減は適用できないことになり、今後は、民間会社である郵便局株式会社への貸付けとして50%の評価減にとどまることになる。しかし、特定郵便局の敷地等の賃貸借契約を円滑に引き継ぐ必要性から、経過措置として、民営化法の施行時の賃貸人一代に限り、一定の要件を満たす宅地については従来どお...
タックスヘイブンに設立された外国関係会社の欠損金を日本にある親会社で損金算入することができるか否かを争点とした訴訟で、最高裁判所は損金に算入することはできないとする判決を行った(平成19年9月28日判決言渡平成17(行ヒ)89号)。一審では、納税者の主張が支持され特定外国子会社等の欠損を内国法人の損金の額に算入することが認められたが、二審で逆転され、内国法人の損金に算入することはできないとの判断が示されていた。租税特別措置法第66条の6第1項に規定されるタ...
平成20年4月以降リース会計は「売買」処理が原則となり、会計基準が強制適用される法人については、平成20年3月31日以前に取引を開始した所有権移転外ファイナンス・リースについても、新リース会計基準適用初年度に賃貸借処理から売買処理へと変更しなければならない。変更の方法は、新リース会計基準適用前からリース資産を取得していたこととする方法が原則とされ、会計処理の変更による影響額は特別損益として処理することとされている。その一方で、簡便的な方法として、新リース会...
国税庁は、9月21日、ホームページに掲載されている「質疑応答事例」について、平成19年7月1日現在の法令通達に基づいて更新を行い、公表した。今回追加された事例のうち、法人税法第35条(特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入)における「合算対象給与額」の関連では、次の3つの事例が追加された。・他の特殊支配同族会社に...
親族への土地譲渡がみなし贈与の適用を受けるかどうかで争われた事件で、東京地裁は、相続税評価額と同水準かそれ以上の価額を対価として土地の譲渡が行われた場合は、原則として相続税法7条の「著しく低い価額」の対価による譲渡とはいえないなどとして、原告の主張を全面的に認める判決を言い渡した(平成19年8月23日判決、平成18年(行ウ)第562号)。これについて国側は控訴せず、本件は東京地裁判決で納税者の勝訴が確定した。本件は、土地を親族らへ路線価に基づく価額で譲渡し...
平成19年度の税制改正による減価償却制度の大幅な改正により償却可能限度額が廃止され備忘価額1円までの償却が可能となったことは既報のとおりである。しかし、このたび新設された通達(所基通38−9の2)により、非事業用資産を譲渡する際の所得計算で取得費から控除される減価償却費相当額については、従来どおり取得価額の95%分までとすることが明らかとなった。この取り扱いは、各種所得(不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得)を生ずべき業務の用に供されていない資産(非事...
平成19年度の税制改正により、特殊支配同族会社の業務主宰役員給与の損金不算入制度の適用判定に係る基準所得金額が、平成19年4月1日以後開始事業年度から、①1,600万円以下、②1,600万円超3,000万円以下で基準所得金額に占める業務主宰役員給与額の割合が50%以下と緩和された。これにより、適用除外の要件に該当し、業務主宰役員給与が損金不算入になることを免れるケースが多くなると予想されるが、適用除外となっても特殊支配同族会社に該当する以上は、基準所得金額...
国税庁のホームページに平成19年分の「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」が掲載された。これは、平成19年9月1日現在の関係法令に基づいて作成される様式に先立って、暫定版として公表されたものである。今回の新様式は、平成18年度改正により導入された地震保険料控除制度に対応し、これまであった損害保険料控除の欄が削除され、新たに地震保険料控除の欄が設けられたものとなっている。地震保険料控除の対象となる保険や共済の契約は、居住者と生計を...
国税庁は8月8日、「租税特別措置法による特別償却の償却限度額の計算に関する付表の様式について」(法令解釈通達)(19年7月19日・課法2−12)を公表した。租税特別措置法による特別償却の規定の適用を受ける場合には、法人税の確定申告書にその償却限度額の計算に関する明細書(付表)を添付することとされている。明細書(付表)の様式は申告書の別表のように法定されたものではないが、この通達において提供された付表を使用することで、特別償却の要件を満たすかどうかを示す参考...
公的年金の年金記録が訂正され年金額が増額することになった場合でも、従来までは、直近の5年間分を超える分については時効消滅により支給されないこととされていた。しかし公的年金の加入・納付記録不備の問題等から7月6日に施行された年金時効特例法によって、時効消滅した5年を超える分についても全期間分に遡って支給されることになった。この5年を超えて遡及して支給される年金については、国税通則法に定める徴収権の消滅時効の5年を経過していることから、課税なしとなる。また、源...