経営研究リポート

MJS税経システム研究所・経営システム研究会の顧問・客員研究員による中小・中堅企業の生産性向上、事業活性化など、経営に関する多彩な各種研究リポートを掲載しています。

労働時間管理
労働時間管理~みなし労働時間制~管理監督者の適否を争う外食大手企業の裁判の件が、マスメディアを賑わせています。雇用される労働者の大半は、会社のために労働時間として費やした時間の多寡が自己の収入に直結しますので、この労働時間の取り決めは、働く者にとって最も重要な労働条件のひとつとなっています。その労働時間に対して不適切な運用がなされていた場合には、労働基準監督署の是正指導・勧告もおのずと厳しいものになってくるでしょう。労働時間の計算方法が問題となりやすいもの...
1.「特高」再来の可能性もかつてこのコーナーでも取り上げた「人権擁護法案」をめぐる動きが、キナ臭くなっている。推進派の自民党「人権問題調査会」(会長・太田誠一元総務庁長官)が、今国会への提出を「成立への最後のチャンス」と位置付け、強行する構えを見せているのだ。そこで、あらためてこの法案の危険性を警告しておきたい。人権擁護法案は包括的な人権侵害の救済や防止を目的としたもので、法務省の外局として「人権委員会」を設けようというもの。これだけ読めばまことに結構にも...
労働契約法
労働契約法の成立平成20年3月1日、労働契約法が施行されました。労働基準法が、民法の特別法として労働条件についての最低基準を定め、その最低基準に違反をした使用者には罰則を設けるという取締法としての性質を持つのに対し、労働契約法は、民法の特別法として、民事上のルール等を定めたものとなります。しかしながら、労働契約法は全く新しいルールを労働契約に盛り込むというものではなく、労働基準法では当てはめることのできなかった、今まで積み重ねられてきた判例法理を、労働契約...
1.社会インフラは必要ガソリン税をはじめとする「道路特定財源」の帰趨が、通常国会の焦点のひとつになっている。ただし、国の将来を問うような実のある論議になっているとは到底思えない。「道路が必要か否か」「特定財源として残すか、一般財源化するのか」を一般論で闘わせていても、あるべき方向性は見出しえないのではないか。実情を踏まえた解決策を模索していく必要があるだろう。地域住民さえ首を傾げるような「道路建設のための道路」を建設するのが言語道断であることは、論を待たな...
人材募集・採用
人材採用の現状早くも2009年度新卒採用の情報がメディアを賑わせ、採用担当者の頭を悩ませる時期となりました。団塊の世代の引退が始まり、特に中小企業の新卒採用では完全な売り手市場となっています。2008年度の大卒求人倍率を見ても、中途採用の現場でも「募集をかけても、いい人材となかなかめぐり合えない」「やっとのことで採用できたのに、理由も分からないまますぐに辞めてしまった」等の状況が少なくないようです。そのような状況を生み出しているのは、企業が求める人材と面接...
1.“思い入れ”が問題日本に居住する外国人に参政権を与えようという動きが、活発になっているのをご存知だろうか。たとえば、民主党の小沢一郎代表は、この1月に韓国の李明博次期大統領(当時)の特使として来日した、李相得国会副議長と会談した際、在日韓国人の地方選挙権の付与について「個人的にも昔から賛成で、早くやるべきだ」と答えたと報じられた。「民主党がまとめれば公明党も賛同し、(躊躇している)自民党はどうしようもない」との見方を示したそうだ。ちなみに、私は通常国会...
偽装請負昔からあった偽装請負労働者派遣の規制緩和を目的として平成16年に改正労働者派遣法が施行されました。製造業への派遣労働が解禁となったことに伴い、「偽装請負」という問題が同時に浮上してきたように見えます。しかしこの偽装請負は、以前からあった労働問題であり、決して新しい問題ではありません。「偽装請負が発覚し、直接雇用に切り替え」などの記事が紙面を賑わすようになり、更に規制緩和を進めようとしていた改正派遣法の国会提...
経済成長戦略を立案すべきだ!!1.目を覆いたくなる凋落昨年末、内閣府が発表した06年度の国民経済計算確報にはガッカリさせられた。06年の名目国内総生産(GDP)が世界経済に占める割合がついに10%を割り込み、9.1%にまで下落してしまったのだ(前年比1.1ポイントマイナス)。同じく、一人当たりの名目GDPは3万4,252ドルで、経済協力開発機構(OECD)加盟国のなかでナント18位にまで後退した(前年は15位)。もはや「経済大国」と呼ぶのもおこがましい事態...
改正パートタイム労働法1.パートの現状「主婦による補助的な仕事」というイメージの強かったパートタイム労働者の仕事は、現在では働き方のひとつとして定着し、企業にとっても重要な戦力として基幹的業務や監督者の立場を担う例も出てきています。しかし、その重要な役割を果たしているパートタイム労働者の働く実態となると、企業側も、そしてパートタイム労働者自身も、これまではその働き方や処遇についての認識が不十分だったといえるのではないでしょうか。
1.政界再編が不可避昨年は日本の政治が大きく揺れ動いた1年だった。参院選での自民党の歴史的な敗北、安倍政権の崩壊。国会にはかつて経験したことがないほどの“ねじれ”が生じてしまった。今年は早い時期での衆院解散−総選挙が予想される。しかし、民主党が昨年の参院選のように勝てるかといえば、その可能性は低いと見るべきだろう。結果、“ねじれ”は長期化することになるはずだ。日本にとって大事なこの時期に「政治空白」が固定化されると...