経営研究リポート

MJS税経システム研究所・経営システム研究会の顧問・客員研究員による中小・中堅企業の生産性向上、事業活性化など、経営に関する多彩な各種研究リポートを掲載しています。

前回のレポートでは環境分析、SWOT分析について記した。すなわち医療機関を取り巻く外部環境と院内の内部環境から自院の特徴作りや設備投資の順位などが決められるということ。特に二次医療圏内にどのような疾患患者が何名くらい存在するのか?ということからシェアを求めることでき、その認識を数値で持っていることは非常に重要であるということである。医療機関の経営計画とは?今回は病院の経営(医業経営)における経営計画について述べてみたい。経営計画と言うと、売上計画などの数値...
セクシュアルハラスメント
平成19年4月に改正男女雇用機会均等法が施行され約1年半が経過しました。この改正では新たに男女双方に対する性別による差別や間接差別、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いなどが禁止されることとなり、最近では労働契約法の施行により仕事と生活の調和(ワークライフバランス)が重要な課題として位置づけられるようになる等、女性を取り巻く労働環境が今まで以上に重要視されるようになってきました。労働力不足となる時代において、育児休業の取得だけではなく、出産前に退職してしま...
1.「ケシカラン」で済むのか派遣業界に対する風当たりが強まっている。偽装派遣などの違法行為がつぎつぎに発覚し、介護や製造業などの現場で働く、派遣労働者のきびしい実態が明らかになるにつれ、マスコミは批判のトーンを強め、政府内部にも規制緩和見直しの動きが表面化している。行き過ぎを正すのは当然のこと。だが、同時に冷静さを失ってはいけない。たとえば、二重派遣問題による厚生労働省の派遣事業認可取り消しで、日雇い派遣最大手のグッドウィルが7月末で廃業となった。気になる...
病院の経営は医療という特殊な状況下ではあるが、経営という範疇の中にいることは間違いない。そこで、今後、何回かに分けて医療機関の経営を戦略的に考えてみたいと思う。今回取り上げるテーマは「環境分析」である。本来はこの環境分析を論じる前に、理念やミッションを取り上げるべきであり、この理念、ミッションやポリシーは、ある意味環境分析より重要であると言っても良い。しかし、今回のシリーズでは、より実際の経営に近い視点で医療機関の経営を考えてみたい。環境分析とは、自分自身...
改正最低賃金法
「最低賃金法の一部を改正する法律」(改正最低賃金法)が平成20年7月1日に施行されました。今回の改正では、すべての労働者について、最低限度の賃金水準を保障する役割を地域別最低賃金が担うこととし、その決定基準や罰則の見直しを行うとともに、産業別最低賃金の在り方や派遣労働者への適用関係などがポイントとなります。以下に記載する改正点に留意しながら、関与先等の賃金についてご検討ください。地域別最低賃金の決定今回の改正において、地域別最低賃金を賃金の最低限度を保障す...
1.経済成長の糸口はあるか先日、中国では四川大地震が発生し、日本では岩手・宮城内陸地震が発生した。ともに多大な被害を被ったが、とりわけ中国では地震の規模が大きかったことと、インフラが未整備だったことが影響して、日増しに被害が拡大していった。とはいえ、こと経済に関しては、中国の勢いはとどまることはなさそうだ。それほどまでに現在の中国には勢いがあるということだ。転じて日本に目を向けてみると、相変わらずネジレ国会が幕を引く様子はなく、政治的にも経済的にも実に不安...
前回のレポートで、医療機関に働く職種別にIT化導入による具体的メリットを述べた。IT化によって、診療体制から配置人数まで様々な場面で大きく変わる。それだけ医療機関においてのIT化は影響が大きい。IT化の導入による効果は、短期的に現れるものもあれば、運用を続けることで中長期的に現れるものまである。今回はその導入効果の評価について記載したい。導入効果の評価にあたっては、導入前と導入直後の比較以外に、導入後一定時間が経過してから、評価したほうが良いものもある。調...
採用面接で必要な人材を見抜くには
今年の新入社員のタイプは「カーリング型」毎年、多くの企業や学校の就職・採用関係者の協力を得て、財団法人社会経済生産性本部が、4月の新卒入社の従業員の特徴を検討し、タイプの命名をしています。平成20年の新入社員のタイプは「カーリング型」とのことです。
1.期待はずれの福田内閣「道路特定財源」をめぐる混乱、「後期高齢者医療制度」のスタートなどを背景に、福田内閣の支持率低下に拍車がかかった。短命に終わった前安倍内閣の後、少しは政局も落ち着くのかと思いきや、ますます混迷が深まった感が否めない。日本経済にとって、まったく由々しき事態である。それにしても、衆参のネジレというハンデは認めつつも、福田首相のリーダーシップ不足は目に余る。野党はおろか、自民党内にも睨みが効かないようでは、トップとして失格であろう。“死に...
医療機関におけるIT導入は、導入そのものが目的ではない。IT導入によって改善したい目的があり、その目的を達成するためにある。この目的は医療機関に限らずどのような企業でも同様だろう。このコストとメリットのバランスがとれれば、医療機関のIT導入は更に加速すると考える。しかし、IT技術自体が医療機関の新たな収入を生み出すわけではなく、さらに近年、医療機関を取り巻く外部環境は厳しさを増す一方であることも現実である。