経営研究リポート

MJS税経システム研究所・経営システム研究会の顧問・客員研究員による中小・中堅企業の生産性向上、事業活性化など、経営に関する多彩な各種研究リポートを掲載しています。

医療機関のIT化と聞くと、電子カルテや医事システムなどを思い浮かべる。もちろん財務システムも重要なシステムのひとつだ。厚生労働省は医療機関の経営の近代化を促進する政策のひとつとして、医療機関のIT化に補助金をつけ普及を促進した時期もあったが、数値の面からは医療機関のIT化は厚生労働省が計画したほど進んでいないのが現状だ。資金力のある大病院と新規開業する開業医は電子カルテを始め、ある程度IT化が促進されたが、それ以外の医療機関にとっては、設備投資の金額だけ負...
「地域企業における経営機能の役割」
地域企業における自己資金管理の脆弱な現状を認識し、あるべき姿と課題、対策手段体系の研究を行う。また、地域金融機関の金融審査は転機にあるが、これまでの審査の現状を認識し、地域企業の管理革新に呼応する形でのあるべき姿の研究を行う。特に地域金融機関においては、審査ITシステムの今後に大きく左右される状況があるが、ベンダーのシステム開発方針を研究することで各地域金融機関の今後の課題を明確化する。第一回は、「地域企業における経営機能の役割」として検討を進める。1.企...
ネット上の情報漏えい・誹謗中傷への対応
最近、インターネット上の匿名掲示板やブログなどにおいて、会社の機密情報が流出したり、企業に対する誹謗中傷の書き込みが増えています。インターネット上では、その匿名性や書き込みが容易であることから、信用度の低い情報も大量に流通していますが、即時に、地域に関係なく情報の伝達が行われるため、その影響力ははかりしれません。日本最大のインターネット掲示板である2ちゃんねるは、月間のページビューが実に6億にものぼります。「A社はぼったくりだ」「B社は倒産寸前だ」「C社の...
1.影響は限定的だ米国発の金融不安は恐慌の様相を呈している。しかし、サブプライムローン関連の損失は総額で300兆円程度といわれる。世界の総生産に比較すれば大した額ではない。加えてわが国の金融機関がこの問題で被った傷は、欧米に比べて極めて浅い。日本が動揺する必要はまったくない。いや、10年前に金融危機を乗り越えた日本は、相対的に有利なポジションにあるとさえいえる。にもかかわらず、マスコミ報道は悲観論で塗りつぶされ、日本株の狼狽売りに拍車をかけているかのようだ...
前回に引き続き、医療機関の多くに適用されつつある包括制度のうち、DPCという制度の部門別対応事例を紹介したいと思う。薬剤部門最初は薬剤部について。医療機関の様々な経費のなかで、医薬品費は人件費、医療材料費に並んで突出した経費になる。その医薬品を統轄管理している部署が薬剤部となる。繰り返しになるが、最小の医療行為(もちろん投薬も含まれる)で最大の治療効果を得ることが、結果的に最大の利益を得ることになるわけだが、その具体的手法は、まず、ジェネリック医薬品と呼ば...
裁判員制度への対応
裁判員制度が始まります平成16年5月21日「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が成立し、平成21年5月21日から裁判員制度が実施されます。国民が裁判に参加する制度は、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア等諸外国でもすでに行われていますが、日本独自の裁判員制度は、これから新しく始まる制度のため、試行錯誤しつつ進められることが予想されます。弊事務所でも先日、就業規則の見直しを検討されているお客様より、「裁判員候補者として裁判所から呼び出しを受けた...
1.国政は憂慮すべき事態福田前首相の突然の退陣を経て、麻生太郎氏が総理大臣に選出された。「何も決められなかった」福田首相の退陣は歓迎すべきことだが、今後の政治状況は楽観視できない。自民党が勝つにしても、現有議席を大幅に減らすのは確実。公明党との連立で過半数を制するのがやっとだろう。「ねじれ国会」といわれながら、従来は衆院での圧倒的な議席が最後にはモノをいったのだが、選挙後は「3分の2以上の賛成で再可決」という伝家の宝刀も抜けなくなる。与党提案の重要法案がこ...
今回から、実際の医療機関の現場、医療機関の経営努力の具体的な手法を述べてみたいと思う。最初は、現在の医療機関の収入である診療報酬点数(1点=10円)において、拡大する一方の「包括」という制度に対する職種別の具体的な手法をいくつかご紹介したい。包括という制度について「包括」という言葉を辞書で調べると「全てをひっくるめて、まとめること」と記載がある。診療報酬の世界で包括というと、「何を何件実施しようが点数は同じ。予め決められた一定点数(金額)」ということになる...
育児休業終了後の社会保険手続
企業の人材確保に関する方策の中でも、女性社員の活用に取り組む企業が増えています。以前よりも、出産による退職は減少し、育児休業を取得した上で職場復帰をする女性社員が増えていますが、「体感的にはまだまだ育児休業は取りづらい」といった女性従業員の話を耳にすることがあります。育児休業中の賃金の支払い方法に関しては、有給とするか、無給とするかなど各企業様々な取扱いがなされていますが、今回はこの育児休業制度取得後に関しての社会保険の取り扱い方法の解説をいたします。育児...
1.年配者を活用せよ日本の若者の忍耐力のなさが問題視されている。たとえばせっかく就職したのに短期間で辞めてしまう、あるいは最初から定職に就く努力を放棄しているようにしか思えない人間は、確実に増えているのではないか。働きたいのに職にありつけない「ワーキングプア」の問題とは、切りはなして考えなければならない病巣だと私は思う。忍耐力を失っている根本的な原因は、子どもの頃から「我慢」をしつけられていないからだろう。我慢することの大事さを教えられていないから、いいた...