会計研究リポート

MJS税経システム研究所・会計システム研究会の顧問・客員研究員による新会計基準や制度改正等をできるだけわかりやすく解説した各種研究リポートを掲載しています。

-ストック・オプション(7)-
(6)レバレッジド・ストック・オプション(その2)レバレッジド・ストック・オプションについて、次の論点に移りましょう。ストック・オプションをインセンティブ・システムとして位置づける場合、これをどのような頻度でどれだけ付与するかをルール化しておくことが必要となります。つまり、付与するのは定期か不定期(臨時的)か、定期の場合、付与するオプションは定額(fixedvalue)か、定量(fixednumber)かなどのルールについてです。それらの相違はインセンティ...
―知的財産情報の開示状況―
1.はじめに前回までは、2004年1月に経済産業省より公表された「知的財産情報開示指針」(以下、「開示指針」といいます)の解説を行ってきました。今回は、その「開示指針」にもとづく企業の知的財産開示状況について整理します。2.知的財産情報の開示状況各企業の知的財産情報の開示状況は、以下の図1のとおりとなります。知的財産情報の開示媒体としては、知的財産報告書単体としての開示のほか、アニュアルレポートなどの他の開示媒体の中で開示を行っている企業もみられます。これ...
新公益法人制度は、いよいよ平成20年12月1日より施行されます。新制度の実施に向けて各種の基準の整備が具体化してきました。内閣府の公益認定等委員会は、新法を踏まえて、「公益法人会計基準」の見直し案および「公益認定等に関する運用について」(いわゆる公益認定等ガイドライン)案が、3月1日付けで公表され、3月末までのパブリック・コメントに付されました。そこで、今回から、「新公益法人会計基準と公益認定」に関しレポートします。第1回のレポートでは、まず、「新公益法人...
-BSCの4つの視点(その1)-1.財務の視点(1)財務の視点の意義財務の視点は、株主に対して何をなすべきかを表しており、その意味で、戦略が最終的に財務尺度に集約されることを意味しています。財務の視点における最終的な戦略目標は、株主価値にかかわる各種の利益率、とくにROIなどがとられています[KaplanandNorton,1996,pp.25-26,45-62]。KaplanとNortonによれば、全社レベルの戦略目標でどのような指標をとったとしても、財...
-【論点6】セグメントの区分方法の変更に係る遡及修正-1.はじめに企業会計基準委員会ASBJが平成19年7月9日付けで公表した「過年度遡及修正に関する論点の整理」以下、論点整理)では、10の論点を示しています。今回は、そのうち論点6として取り上げられている「セグメントの区分方法の変更に係る遡及修正」を取り上げて説明します。セグメントとは、事業の種類別や所在地別などの区分単位を指し、セグメントごとの会計情報(セグメント情報)が、連結情報において開示されていま...
-ストック・オプション(6)-(6)レバレッジド・ストック・オプション前回解説したように、インデックスド・オプションは、相対評価によって固定価格オプションの問題点を解決しようとするものです。これに対して絶対評価によって解決を図る方法もあります。経営陣に株式を保有させることが株主利益との一体化を図る手段になることは既述のとおりですが、経営者にある程度の自社株を購入させるには資金面で大きな制約があるため、ストック・オプションに頼らざるを得ないという現実が存在し...
―知的財産情報開示指針(その7)―1.はじめに前回は、2004年1月に経済産業省より公表された「知的財産情報開示指針」(以下、「開示指針」といいます)で取り上げられている開示項目のうち、「開示項目⑧」から「開示項目⑩」について解説しました。今回は、「開示項目①」から「開示項目⑩」の全体像を整理します。さらに、「開示指針」で述べられている「開示情報の利用への期待」について、具体的に解説していきます。2.開示項目の全体像
―知的財産情報開示指針(その6)―1.はじめに前回は、2004年1月に経済産業省より公表された「知的財産情報開示指針」(以下、「開示指針」といいます)で取り上げられている開示項目のうち、「開示項目⑤」から「開示項目⑦」について解説しました。今回は、「開示項目⑧」と「開示項目⑩」について解説します。2.知的財産情報の開示項目⑧-特許群の事業への貢献(注1)知的財産情報の開示項目⑧「特許群の事業への貢献」における開示内容の例としては、以下が上げられています。
-ストック・オプション(5)-(5)インデックスド・オプション前回は次の点を指摘しました。「株価は企業業績のよしあしを反映しますが、同時に経済全体の景気動向やインフレ率といった経営者にとって管理不能な要因からの影響を受けます。そのため、自社の経営成績は不振でも、株式市場全体の活況により自社株がつれ高してオプションの付与者の報酬が不相応に大きくなるケースがあります。また、同業他社との相対評価では著しく見劣りする経営者がそのような報奨に値するかどうかが問題にな...
-【各論3】減損処理と臨時償却の関係-1.はじめに企業会計基準委員会ASBJが平成19年7月9日付けで公表した「過年度遡及修正に関する論点の整理」以下、論点整理)では、10の論点を示しています。そのうち既に第5の論点である「会計上の見積りの変更に係る取扱い」を取り上げて説明してきました。今回は、それに関連する個別論点を取り上げます。具体的には、減損処理と臨時償却の関係です。理論上の性格づけとともに、日本での実務上の取扱いを普通償却をも考慮に入れて説明し、遡...