会計研究リポート

MJS税経システム研究所・会計システム研究会の顧問・客員研究員による新会計基準や制度改正等をできるだけわかりやすく解説した各種研究リポートを掲載しています。

-バリュー・ドライバー(3)-
(2)財務的バリュー・ドライバー(続き)図表1財務データ(再掲)×1年度×2年度×3年度(実績)...
-知的財産報告書等における商標とブランドの開示②-
1.はじめに前回は、味の素株式会社に焦点をあてて、その知的財産報告書等における商標とブランドの開示を整理しました。今回は、「知的財産情報開示指針」で示されている10個の開示項目以外の情報として、「商標とブランド」について開示していたキッコーマン株式会社に焦点をあてて、その知的財産報告書等における商標とブランドの開示を整理します。2.キッコーマン株式会社の知的財産報告書における商標とブランドの開示キッコーマン株式会社の知的財産報告書では、商標とブランドについ...
-公益目的事業のチェックポイント②-
今回は、前回に引き続き「公益目的事業のチェックポイント」について解説を行います。公益法人認定法では、公益社団法人または公益財団法人として認定されるための認定基準として公益目的事業の比率がすべての事業のうち50%以上あることが必要です。法人の行う個々の事業が、公益目的事業に該当するかどうかの判定が必要となります。前回のレポートにおいて解説したように、「公益認定等に関する運用について」(公益認定等ガイドライン)では、17の個別事業区分を例示して、それぞれの事業...
-BSCの4つの視点(その5)-
1.戦略テーマスコアカードに先立って作成される戦略マップは、戦略目標間の因果関係によって戦略の道筋を表現する図です。戦略マップには、戦略目標と尺度の組み合わせを、4つの視点にまたがる4つの戦略テーマに沿って配列し、戦略目標間の因果関係を明確に示す役割があります。スコアカードでは縦の因果関係を示すことが困難であるので、戦略マップによって縦の因果関係を示すことになっています。戦略マップ上には、顧客が組織に求める「価値」を分類する考え方として、縦の因果関係を構築...
-【論点3】個別財務諸表における過年度遡及修正-
1.はじめに企業会計基準委員会ASBJが平成19年7月9日付けで公表した「過年度遡及修正に関する論点の整理」(以下、論点整理)では、10の論点を示しています。今回は、そのうち論点3として取り上げられている「個別財務諸表における過年度遡及修正の適用上の論点」を取り上げて説明します。これまでの論点は、連結財務諸表と個別財務諸表に共通の論点でしたが、今回は個別財務諸表に固有の論点を取り上げることになります。国際的な基準では、連結財務諸表のみを対象としていますが、...
-バリュー・ドライバー(2)-
(1)バリュー・ドライバーとは何か(続き)将来EVAの現在価値が非常に多額である場合に、将来EVAのバリュー・ドライバーを重視して今期のEVAを犠牲にするように管理者を動機づけるには2つのアプローチが考えられます。1つは、管理者の現在のボーナスと将来ボーナスの現在価値がトレード・オフするように将来EVAの改善を保証することがあげられます。これは株主にとってみれば、現在のEVAと将来EVAのトレード・オフの選択となります。この方法は、株主が将来の期間に渡るす...
-知的財産報告書等における商標とブランドの開示①-
1.はじめに前回は、各企業の知的財産報告書の構成について整理しました。今回は、「知的財産情報開示指針」で示されている10個の開示項目以外の情報として、「商標に対する取り組み」と「コーポレートブランド力強化の取り組み」についての開示を行っていた味の素株式会社に焦点をあてて、その知的財産報告書等における商標とブランドの開示を整理していきます。2.味の素株式会社の知的財産報告書における商標とブランド(注1)味の素株式会社の2007年開示の知的財産報告書では、商標...
-公益目的事業のチェックポイント-
公益法人認定法では、公益社団法人または公益財団法人として認定されるための認定基準として、公益目的事業比率が50%以上である等、法人の行う個々の事業が、公益目的事業であるか否かの判断をしなければなりません。今回のレポートでは「公益目的事業のチェックポイント」について解説をします。1.公益目的事業の定義公益目的事業とは、次のふたつの基準を充足している場合に認定されます(認定法第2条第4号)。
-BSCの4つの視点(その4)-
1.学習と成長の視点(1)無形資産学習と成長の視点とは、内部業務プロセスの視点におけるパフォーマンスを向上するためには、組織としてどのような無形資産が必要であるのかを検討する視点です。学習と成長の視点では、財務の視点あるいは顧客の視点における戦略目標を達成するための内部業務プロセスを構築あるいは改善させるための従業員の能力を開発・維持することについての基盤となる戦略目標を設定しています。KaplanandNorton[1996]は、学習と成長の視点における...
-【論点9】廃止事業の場合に係る過年度遡及修正-
1.はじめに企業会計基準委員会ASBJが平成19年7月9日付けで公表した「過年度遡及修正に関する論点の整理」以下、論点整理)では、10の論点を示しています。今回は、そのうち論点9として取り上げられている「廃止事業の場合に係る過年度遡及修正」を取り上げて説明します。廃止事業とは、処分済みまたは処分が予定されている事業を指しています。こうした廃止事業に関する取扱いの定めは、日本においては現在設けられていません。しかし国際的に見た場合、損益計算書において、廃止事...