会計研究リポート

MJS税経システム研究所・会計システム研究会の顧問・客員研究員による新会計基準や制度改正等をできるだけわかりやすく解説した各種研究リポートを掲載しています。

-戦略マネジメント・システムとしてのBSC(その11)-1.BSC導入事例から見たポイント(3)(1)評価に対する不公平感の緩和企業では、売上や利益で事業部や事業部長の評価を行うことが多いでしょう。たとえば、長年にわたって磐石の顧客基盤をもち、ドル箱となっているような事業部では、そこそこの努力をすれば事業部長は利益をあげられます。また、長年にわたって赤字が続くお荷物となっている事業部があった場合、これを立て直すことは、誰にでもできるわけではありません。この...
今回は、公益法人の「遊休財産額の保有の上限額」について解説をします。公益法人関連法では、各公益法人が必要以上の遊休財産の保有を厳しく制限しています。1.遊休財産額とは公益法人認定法第16条第2項は、「遊休財産額」として次のように規定しています。「遊休財産額とは、公益法人による財産の使用若しくは管理の状況又は当該財産の性質にかんがみ、公益目的事業又は公益目的事業を行うために必要な収益事業等その他の業務若しくは活動のために、現に使用されておらず、かつ、引き続き...
—知的財産情報開示指針(その5)—1.はじめに前回は、2004年1月に経済産業省より公表された「知的財産情報開示指針」(以下、「開示指針」といいます)で取り上げられている開示項目のうち、「開示項目②」から「開示項目④」について解説しました。今回は、「開示項目⑤」から「開示項目⑦」について解説します。2.知的財産情報の開示項目⑤−研究開発・知的財産組織図、研究開発協力・提携(注1)知的財産情報の開示項目⑤「研究開発・知的財産組織図、研究開発協力・提携」におけ...
−ストック・オプション(4)−4.数値例によるストックオプションの検討これまでの議論を数値例によって検討してみましょう。いま、Y社の経営者に次のようなストックオプションが1万株与えられたとしましょう。●付与日における株式時価S:1,000円●行使価格X:1,000円●権利行使期間:5年このオプションの公正価値(fairvalue)はどのように評価されるでしょうか。Y社株のリターン(年率)のボラティリティ(標準偏差)σを0.3、安全利子率(年率)rを6%、配...
−【各論2】見積りの変更(耐用年数等の変更)−1.はじめに企業会計基準委員会ASBJが平成19年7月9日付けで公表した「過年度遡及修正に関する論点の整理」以下、論点整理)では、10の論点を示しています。そのうち既に第5の論点である「会計上の見積りの変更に係る取扱い」を取り上げて説明してきました。今回は、会計上の見積りの変更、特に減価償却を行うに際して用いられる耐用年数等の見積りの変更に関連した個別テーマを取り上げることにします。
−戦略マネジメント・システムとしてのBSC(その10)−1.BSC導入事例から見たポイント(2)(1)部分的な導入で成功体験何らかの理由でBSCを全社レベルで導入できない場合があります。たとえば、さまざまな製品を扱っている企業では、ロングセラーの製品を扱う事業部と、最新製品を扱う事業部とでは戦略が違うことがあります。戦略が違えば、戦略マップやスコアカードも別にしなければなりませんから、全社レベルでのBSCは作成しても意味がないこともあるのです。また、BSC...
平成20年12月1日の新公益法人制度の施行に向けて、既存法人による新制度への対応や新規参入への準備が進んでいます。昨年10月のレポートに引き続き、平成19年9月に公表され施行された「公益法人制度改革関連の政令・内閣府令」(省令)のうち、会計および財務関係に関する規定について解説をします。今回は、「公益目的事業比率の算定」をテーマに取り上げます。1.公益目的事業の比率公益目的事業の比率は、次のように算定し、公益法人は、この比率が「50%以上」であることが要求...
—知的財産情報開示指針(その4)—1.はじめに前回は、2004年1月に経済産業省より公表された「知的財産情報開示指針」(以下、「開示指針」といいます)で取り上げられている事項のうち、「開示媒体」および「開示項目①」について解説しました。今回は、「開示項目②」から「開示項目④」について解説します。2.知的財産情報の開示項目②−研究開発セグメントと事業戦略の方向性(注1)知的財産情報の開示項目②「研究開発セグメントと事業戦略の方向性」における開示内容の例として...
−【各論1】減価償却方法の変更の取扱い−1.はじめに企業会計基準委員会ASBJが平成19年7月9日付けで公表した「過年度遡及修正に関する論点の整理」以下、論点整理)では、10の論点を示しています。そのうち既に第3の論点である「会計方針の変更に係る過年度遡及修正」と、第5の論点である「会計上の見積りの変更に係る取扱い」を取り上げて説明してきました。今回は、この会計方針の変更と会計上の見積りの変更に関連した個別テーマを取り上げることにします。具体的には、「減価...
−ストック・オプション(3)−3.ストックオプションの公正な評価額の算定平成18年以降開始される事業年度より、ストックオプションに対する新しい会計基準が適用され、ストックオプションは公正な評価額に基づいて算定され、費用計上されることとなりました。具体的には「オプション・プライシング・モデル」に基づいて公正な評価額を見積もり、費用計上額を算定することとなります。しかしながら、「ストックオプション等に関わる会計基準」は、特定の算定方法を指定しておりません。そこ...