最新裁判例紹介

「最新裁判例紹介」では、法令の解釈や実務においての事実認定が先例となるような注目度の高い税務判例を紹介しています。"判決の要旨"だけに注視せず、原因となった"主たる争点"も明記。また、専門家による解説も記載しております。税務処理の判断材料として、皆様の実務にお役立てください。

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2016/12/05 米国法人の株式報酬制度に基づき、当該法人から付与されたストック・ユニットによって取得した米国の証券取引所に上場されている当該法人の株式に係る経済的利益について、ストック・ユニットの転換日が収入の原因となる権利が確定した時期であり、経済的利益の価額は、同日における価額（終値及びＴＴＭレート）によって算定するのが相当であるとされた事例

〈主たる争点〉本件は、米国の法人であるＡ社の関連会社に勤務する控訴人が、Ａ社の株式報酬制度に基づき、所定の転換日に同社の普通株式（以下「Ａ株式」という。）に転換される「ストック・ユニット」（以下「本件ストック・...

2016/11/28 上告人がＡ社の発行済株式全部を買収してＡ社を完全子会社とし、その後Ａ社を吸収合併した場合において、上告人の代表取締役社長が上記買収前にＡ社の取締役副社長に就任した行為が、法人税法132条の２にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に当たるとされた事例

〈主たる争点〉本件は、兄弟会社であるＡ株式会社（以下「Ａ社」という。）の発行済株式の全部を譲り受け、Ａ社を被合併会社とする吸収合併をした上告人が、その事業年度に係る法人税の確定申告に当たり、法人税法（平成22年...

2016/11/21 民法上の組合を組成した上で金融機関から金員を借り入れて購入した航空機を航空会社に賃貸する事業を営んでいた者が航空機を売却して当該事業を終了する際に、航空機の購入原資の一部となった借入金に係る債務及び業務執行者に対して支払うべき手数料に係る債務の免除を受けたことによって得た利益が一時所得に該当するとされた事例

〈主たる争点〉本件は、被控訴人らが、他の出資者と共に組合契約を締結して民法上の組合（以下「本件組合」という。）を組成した上、金融機関（以下「本件融資銀行」という。）から金員を借り入れて航空機（以下「本件航空機」...

2016/11/07 一定地域内にある被支配会社を統括するための業務も株式保有業の一部をなすから、租税特別措置法66条の６に規定する特定外国子会社等に該当する子会社の主たる事業が、地域統括事業であって株式保有業ではないから事業基準を満たし、子会社合算税制の適用除外となる旨の主張が排斥された事例

〈主たる争点〉本件は、内国法人である一審原告の子会社で、シンガポールにおいて事業を営むＡ社について、税務署長から、Ａ社は租税特別措置法66条の６第１項に規定する特定外国子会社等に該当するところ、Ａ社の「主たる事...

2016/10/31 所得税法上の非居住者が米国から本邦に輸入した自動車用品をインターネットを通じて専ら日本国内の顧客に販売する事業の用に供していたアパート及び倉庫が日米租税条約５条に規定する恒久的施設に該当するとされた事例

〈主たる争点〉本件は、所得税法上の非居住者として、米国から本邦に輸入した自動車用品をインターネットを通じて専ら日本国内の顧客に販売する事業（以下「本件販売事業」という。）を営んでいた控訴人が、税務署長から、本件...

2016/10/24 評価通達205に定める貸付金債権等の債権金額の全部又は一部につき「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは、債務者が経済的に破綻していることが客観的に明白であり、そのため、債権の回収の見込みがないか、又は著しく困難であると客観的に認められるときをいうものと解するのが相当であるとされた事例

〈主たる争点〉本件は、母であるＡの死亡により、Ａが本件相続開始時（Ａの死亡した日）に有限会社Ｂ（以下「Ｂ社」という。）に対して有していた貸付金債権（以下「本件貸付金債権」という。）を相続した原告らが、本件貸付金...

2016/10/03 相続の対象である共同住宅の敷地の外延部に設けられた歩道状空地について、同敷地に含まれる土地はいずれも公道に接しており、同空地は接道義務を果たすために設けられたものではないなど判示の事情の下では、評価通達24にいう「私道の用に供されている宅地」には該当しないとされた事例

〈主たる争点〉本件は、亡Ａの相続人である控訴人ら（Ｘ１からＸ３）が、相続税の申告において、控訴人Ｘ１が相続した土地のうち一定のもの（以下「本件各土地」という。）の一部（以下「本件各歩道状空地」という。）につき、...

2016/09/26 特許を受ける権利の譲渡に関する契約に基づき、当該権利に係る特許権等を第三者に実施許諾したことにより支払を受けた金員について、譲渡所得及び一時所得には当たらず、雑所得に該当するとされた事例

〈主たる争点〉本件は、医学博士である原告が、Ａと共同でした特許の出願（以下「本件出願」という。）に関し、Ａとの間で締結した特許を受ける権利の譲渡に関する契約に基づいてＡから支払を受けた金員（以下「本件各金員」と...

2016/09/12 事業所得の金額の計算上必要経費に算入した青色事業専従者に対する給与の額につき、類似同業者の平均額を超える部分は労務の対価関係が明確になっているとまではいえず、労務の対価としては不相当であり、必要経費に算入することはできないとされた事例

〈主たる争点〉本件は、税理士業を営む原告が、青色事業専従者である妻Ａに対し支給した給与（以下「本件専従者給与」という。）の額を事業所得の金額の計算上必要経費に算入して確定申告をしたところ、税務署長から、本件専従...

2016/09/05 財産評価基本通達の定める評価方法に従って決定された不動産の課税価格は、その評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情の存しない限り、贈与時における当該不動産の客観的な交換価値としての適正な時価を上回るものではないと推認するのが相当であるとされた事例

〈主たる争点〉本件は、それぞれマンションの住戸及びその敷地の持分等（以下「本件各不動産」という。）を贈与（以下「本件各贈与」という。）により取得した控訴人らが、不動産鑑定士の鑑定評価による本件各不動産の価額（以...

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