アウトライン審査事例

国税不服審判所が示した審査請求事件の裁決例は、正確な税務処理を行っていくうえで見落とせません。アウトライン審査事例では実務家の皆様にとって実用性の高い裁決事例を簡潔に紹介。併せて、参照条文も記載しておりますので、実務上の判断の一助としてお役立てください。

【裁決のポイント】 飲食業を営む審査請求人は、使用された株主優待券の券面額を売上値引き等として経理していたが、株主優待券を無償で配付してこれを使用させていたことは、交際費課税の三要件(①支出の相手方、②支出の目的、③行為の形態)を満たすことから交際費課税の対象となり、対象となる額は、飲食に係る原価(提供する食材等の原材料費及び人件費の合計額)のうち株主優待券使用額に対応する部分の金額であると判断された事例である。&#...
【裁決のポイント】 オークションで仕入れた中古車の輸出販売を行う審査請求人が、中古車の輸出先のマレーシア法人A社から指定されたマレーシア法人B社へ支払った車両不具合対応のための手数料(本件支払額)について、請求人内部の電子メールの記録から、本件支払額の支払が決められた経緯や実際に支払われた状況、支払いがどのような役務の提供等の対価とされたかなどからすれば、B社において車両整備が行われたと認めることはできず、ほかに、請...
【裁決のポイント】 運送業務を請け負う審査請求人が、消費税の納税義務を避けるため、売上金額が1,000万円にならないように従業員の売上を抜き、それに対応する必要経費の金額を含めなかったほか、適当な金額を記載した収支内訳書を作成したことについて、請求人に当初から過少申告の意図があったと認められるものの、隠ぺい仮装と評価すべき行為とは認められず重加算税の賦課要件を満たさないとした事例である。 (平成24年課税期間...
【裁決のポイント】 建築、土木資材販売等を目的とする株式会社である審査請求人の専務が、取引先に工事代金を水増しした請求書等を発行させた行為について、その専務は代表者に次ぐ地位にあり、取引先との交渉を一任されていた、請求人が防止のための措置を講じたとも認められないから、専務による請求書の仮装は請求人の行為と同視することができると判断された事例である。(架空の請求書を誤信した請求人の経理部がその通りの支払いを行い、専務は...
(平成26年6月1日から平成28年5月31日までの各事業年度の法人税に係る重加算税の各賦課決定処分、他・棄却・平30年4月24日裁決(非公開))
【裁決のポイント】 土木業を営む請求人の従業員の元部長が取引先から受領したリベートについて、元部長は請求人の営業部長又は総括部長という代表取締役に次ぐ地位にあり、請求人の重要な業務に関する実質的な権限を有していたから、当該リベートは請求人に帰属する(雑収入の計上漏れ)、元部長...
【裁決のポイント】 請求人は国税滞納者によって設立され、タクシー事業の営業権を譲り受けたが、その営業所を国税滞納者は車庫として使っていた場所に設定した。本件は、タクシー事業における車庫は、タクシー事業を営む者が事業活動を行っていくために、運行管理業務等を行う営業所と同視できる程度に重要かつ必要不可欠な場所であると認められることから、国税滞納者が車庫として使用していた場所を営業所としてタクシー事業を営んでいる請求人は社...
【裁決のポイント】 マンション管理組合法人である請求人は、法人税法の規定の適用については公益法人等とみなされ、公益法人等は収益事業を行う場合に限り、当該収益事業から生じた所得についてのみ法人税が課される。屋上の一部を携帯電話基地局として賃貸する業務は収益事業に当たる。収益事業と収益事業以外の事業とに共通する経費(管理委託費、点検費、火災保険料といった共通費用)の配賦について、請求人は全収入に占める収益事業からの収入の...
【裁決のポイント】 国税の延納の担保として抵当権が設定された土地の上に、後から建物(本件では物置)が築造された場合について、担保は土地の価値だけで足りているという請求人の主張が認められず、当該担保土地及び当該建物を一括して公売するために、担保権の実行として当該建物を差し押さえることができると判断した事例である。 (担保物処分のための差押処分・棄却・平成31年2月5日裁決) 【主な争点】 建物の...
《裁決のポイント》 化粧品及び医薬部外品の製造等を営む請求人は、化粧品等の製造に使用するため法定耐用年数の全部が経過した充填機等の機械装置を取得し、見積もりによる耐用年数を用いて減価償却費を計算し法人税の申告をしたが、この充填機等は化粧品等の製造設備を構成する機械装置と一体となって機能することから、総合償却資産の一部と認められるため法定耐用年数を使用すべきである、そして、その中古の充填機等の再取得価額が、製造設備を構...
《裁決のポイント》 請求人代表者は、顧問税理士が、申告内容を不正な手段により調整していることを了知した上で、各事業年度において、納付すべき税額を零円として確定申告書が提出されることを期待して、確定申告書の作成を依頼し、その結果、税理士の隠ぺい仮装行為により、納付すべき税額を零円とする確定申告等がされたのであるから、税理士の隠ぺい仮装行為は請求人の行為と同視することができ、請求人には、国税通則法第68条《重加算税》に規...