税金ワンポイント

税務に関するニュースの中でも、注目度の高いトピックスを取り上げ紹介していく税金ワンポイント。主要な改正情報はもちろん、税務上、判断に迷いやすい税金実務のポイントを毎週お届けします。速報性の高い、タイムリーな情報を皆様の実務にお役立てください。

国税庁はこのほど、来年1月からの源泉徴収票の電子交付に関するQ&Aを同庁のHPで公開した。源泉徴収票は、従来まで源泉徴収義務者が受給者に対して書面で交付しなければならないこととされていたが、18年度改正で電子データで交付することが可能となった。今回公表されたQ&Aは、電子交付に伴って生じそうな問題点について解説したもの。まず、電子交付するための要件として、①受給者に対して事前に電子交付の方法等を示して承諾を得ること、②映像及び書面への出力が可能であること、...
総務省と東京都等の各自治体は、いわゆる「駅ナカ」施設を有する駅のうち一定規模以上の駅敷地について固定資産税評価額の減額を廃止する方向を固めた。駅や線路敷地等については、固定資産税の課税標準の基礎となる土地(宅地)が特殊な形状であることや他に転用することが事実上不可能であること等に配慮して、その評価額を隣接する土地の評価額の3分の1に相当する価格とする特例が手当てされている。ただし、いわゆる駅ビルなどの商業施設を併設した「百貨店、店舗その他専ら鉄道または軌道...
東京高裁はこのほど、厚生年金基金の解散に伴って支払われた分配金について、その一部を退職所得とした地裁判決を破棄し、全額を一時所得と認定する国側勝訴の逆転判決を言い渡した。これは厚生年金基金が解散して年金受給者に支払われた残余財産分配金が一時所得か退職所得かで争われていたもので、一審である東京地裁は、分配金のうちいわゆる選択一時金に相当する部分の金額を退職所得とし、残りを一時所得とする判断を示していた。今回の高裁判決は、分配金が基金の解散という事実に起因して...
東京地裁はこのほど、英領チャネル諸島ガーンジー島に本店を置く日本法人の100%子会社の留保所得に対するタックス・ヘイブン税制の適用に関して注目される判決を行った。この事案は、同島の「税制」が、①免税法人となる、②20%の定率課税を受ける、③低率の段階税率による課税を受ける、④0%から30%間の税率を申請し承認された税率で課税を受ける、のうちのいずれかを法人が選択することになっている点を利用し、④を選択して26%の税率で課税を受けた100%子会社の留保所得を...
国税庁はこのほど、行政手続法の改正を受けて、財産評価基本通達の改正案に対する意見公募を開始した。改正案は、①奥行価格補正率表の改正、②国税局長の指定する株式の廃止、③類似業種比準方式の改正、④配当還元方式の改正、等の内容となっており、このうち①は地価の上昇傾向等を踏まえて5年ぶりに補正率を改正するもの、②は日本証券業協会の登録銘柄の登録基準廃止に対応する改正案である。また、③と④は会社法の施行に伴う改正で、類似業種比準方式の改正では、現行は「1株あたりの資...
平成19年度税制改正に向けた各省庁の税制改正要望が出揃ったが、改正の目玉となっている減価償却制度については、経済産業省と総務省が改正要望に盛り込んでいる。有形減価償却資産の残存価額を廃止して100%償却を認めることについては、すでに自民党税制調査会でも既定事項になっているといわれ、実現するのはほぼ間違いないが、同時に要望されている法定耐用年数の短縮等については流動的な要素が強い。また、経済産業省の要望ではこのほか、来年解禁される三角合併について、親会社株式...
国税庁はこのほど、18年度税制改正に対応して所得税基本通達と租税特別措置法通達の所得税関連部分を改正した。所得税基本通達ではまず、非永住者の定義が改正されたことに伴って「非永住者の区分」が整理されている。18年度改正では、従来は「国内に永住する意思がなく、かつ、現在まで引き続いて5年以下の期間国内に住所または居所を有する個人」とされていた非永住者の定義が、「居住者のうち、日本国籍を有しておらず、かつ、過去10年以内において国内に住所または居所を有していた期...
国税庁はこのほど、金融機関との間で取り交わされる「コミットメントライン契約」にかかる印紙税の取扱いを公表した。コミットメントライン契約とは、借入人が金融機関との間で予め一定期間内の一定金額の融資枠を設定し、その枠内で融資が必要になる都度、金融期間に対して「借入申込書」等と称する文書を提出して借入を受ける契約である。印紙税の上では、当初に取り交わされる期間と融資枠を設定する文書および「借入申込書」等と称する文書が課税文書に該当するか否かが問題となっていた。ま...
国税庁はこのほど、平成18年5月1日から施行されている新会社法に対応して、現行の株式評価方式に関する経過的取扱いを明らかにした。それによるとまず、新会社法で株式配当が剰余金の配当とされ、「その他剰余金」を原資とする配当が可能になったことに伴い、1株あたり配当金額の計算に際してはその他剰余金からの配当を除外することとされた。また、会社法では株主総会の決議のみならず、取締役会決議で期中に何度でも剰余金の配当が行えることになったことから、期中の全ての配当(剰余金...
業務主宰役員に対する給与の損金算入が制限される「特殊支配同族会社」は、業務主宰役員グループの持株割合が90%以上であり、かつ、業務主宰役員グループが常務に従事する役員の過半数を占めている同族会社とされているが、このうち持株割合の判定には従業員持株会の株式も含められることが明らかとなった。持株割合の判定については、改正法人税法施行令で「特定の者と同一の内容の議決権の行使をすることに同意している者が有する議決権は、当該特定の者が有するものとみなす」と規定されて...