商事法研究リポート


MJS税経システム研究所・商事法研究会の顧問・客員研究員による商事法関係の論説、重要判例研究や法律相談に関する各種リポートを掲載しています。

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1 はじめに 株主が死亡すると、その保有していた株式は当該株主の一身専属財産ではないため、相続放棄が行われない限り、当該株式が相続人に一般承継されます(民法896条本文)。これは、当該株式が譲渡制限株式であっても異なりません。相続による株式の移転は、譲渡ではないため、相続人は「譲渡によって当該株式を取得する者」に該当しないからです。株主が合弁会社の合弁当事会社である場合において、当該合弁会社が公開会社でない会...
−大阪地判平成24年9月28日判時2169号104頁(三洋電機事件)
一 はじめに 会社により財務情報に関する不実の開示が行われた場合、課徴金納付命令の決定がなされたり、当該会社やその取締役等に対して、刑事責任または民事上の損害賠償請求が追及されることあり得ます。 そのような責任等が追及された事例をみてみますと、問題とされた財務情報の不実開示が、架空循環取引、売上の先行計上や棚卸資産の過大計上などによる...
-公開買付け後の組織再編に関する判例の動向-
1.はじめに 株主総会において、合併等の組織再編(合併、株式交換・株式移転および新設分割・吸収分割を総称して「組織再編」といいます。)が承認された場合、これに反対する株主は、会社に持株の買取りを請求して、会社から離脱することができます(会社785条1項等)。株式の買取価格について会社・反対株主間で協議が整わないときは、裁判所に対して買取価格の決定を申し立てることもできます(...
【質問】 Aが創業した同族会社である当社では、Aの死亡後に、ともにAの子であるB(代表取締役)およびC(取締役)の仲が悪いことが悩みの種です。最近、Cが取締役在任中に当社の従業員に退職を呼びかけ、退職後に別会社であるD社を設立し、当社の従業員を引き抜いて当社と同業種の事業を営もうとしていることがわかりました。このような取締役Cの行為には法的にどのような問題があるのでしょうか。また、当社は当該取締役や設立された別会社に...
東京高裁平成25年1月30日判決(金融・商事判例1414号8頁)
1 事案の概要 A会社(補助参加人)は、昭和42年6月23日に設立された毛髪製品の製造及び販売、毛髪育成指導及び美容業・理容業等を目的とする株式会社ですが、本件当時、定款をもって、株式を譲渡するには取締役会の承認を要する旨を定めていました。Y1(被告、被控訴人兼控訴人)は、平成12年4月から、A会社の代表取締役の地位にあり、平成14年3月31日当...
- 不正調査の新しい手法 -
【質 問】 当社においては、内部通報により、当社の営業部長が営業に関する機密情報を電子メールにより競争関係にある他社の営業担当者に送信して、その担当者から情報提供の対価を取得しているという不正行為の疑いが発覚しました。そこで、当社は、早速、社長の命令により、営業部長の当該不正行為に関する事実関係の調査に着手し、営業部長を含む関係者から事情聴取を開始するとともに、営業...
東京高判平成23・12・21金法1948号129頁・判タ1372号198頁(控訴棄却〔上告・上告受理申立て→上告棄却・上告不受理〕)
一 事実の概要 (1) 請求内容 本件は、Y1(〔現商号〕株式会社シャルレ、被告・被控訴人)(注1)の株主又は株主であったX1~X25(原告・控訴人、以下、Xらとします)が、Y1の旧経営陣及びファンドによるマネジメント・バイアウト(以下、MBOとします)(注2)の...
(その1)は、Monthly Report №.57へ掲載しています。 一 はじめに 二 役員報酬の種類 三 取締役の報酬の支給方法 四 監査役の報酬の支給方法 五 会計監査人の報酬の支給方法 六 新株予約権規制とストック・オプション制度 1 総説 ストック・オプション制度とは、株式会社が役...
1 事実の概要 Y株式会社(被告、被控訴人)は、発行済株式総数3000株の特例有限会社です。Y会社の発行済株式の内1000株は訴外Aが所有していますが、残り2000株はX(原告、控訴人)と訴外Bの2名による持分2分の1ずつの準共有状態にあります(以下、この2000株の株式を本件準共有株式という。)。 Y会社では平成22年11月11日に臨時株主総会(以下、本件総会という。)が開催され、訴外Cを取締役に選...
一 はじめに 会社役員の報酬とは、役員が役務提供ないし職務執行の対価として、会社から提供される金銭その他の経済的利益のことをいいます。会社と役員との関係は委任に関する規定に従いますが(会330条)、委任契約は原則として無償です(民648条1項)。しかし、通常の場合、会社と役員との任用契約ないし委任契約においては明示的または黙示的に報酬支給の特約が付されています。もっとも黙示の特約を付するのではなく、慣習上、有...
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