商事法研究リポート


MJS税経システム研究所・商事法研究会の顧問・客員研究員による商事法関係の論説、重要判例研究や法律相談に関する各種リポートを掲載しています。

1.事実の概要 (1) 経緯 X会社(原告・被控訴人)は、環境技術に関するコーディネートやコンサルティング等を業とする株式会社です。 Y会社(被告・控訴人)は、X会社の有する放射性物質の除染技術に係る特許及びノウハウを事業化するために、X会社の完全子会社として、平成24年12月26日に設立された株式会社です。Y会社は、設立時の資本金200万円、発行済株式総数200株の閉鎖会社です。 X...
1.事実の概要 高知県安芸郡東洋町は、平成23年10月25日、東洋町漁業災害対策資金貸付規則(平成23年東洋町規則第23号。本件規則)を制定しました。その内容は、同年7月の台風6号の被害を受けた漁業者(被害漁業者)の属する漁業協同組合に対し、被害漁業者の早期の施設復旧と再生産及び経営の安定を図ることを目的として、1000万円の限度で資金を貸し付けるというものです。また、本件規則には、貸付けの要件として、当該資金の借入...
上場会社における社外取締役の選任及び独立役員としての届出
一 上場会社における社外取締役の選任と独立役員の届出の義務 (1)社外取締役の活用 取締役会は、代表取締役・代表執行役等の業務執行者の選定・解職等を通して、業務執行者を監督する機能を有していますが(会社法362条2項2号・3号・4項6号・5項・420条1項・2項等)、特に社外取締役(会社法2条15号)については、社外監査役(会社法2条16号)と同...
【質 問】 当社(機械製造業)は、製品開発や販売した製品の整備補修等の業務に従事する技術専門職の確保のために定期的に人材募集をしていますが、折からの人手不足のためになかなか当社が希望する人材が集まりません。このままでは当社の技術部門の存続にもかかわってくるため、当社として積極的に人材の育成確保に乗り出すこととし、当社が資金を拠出して、技術専門職を育成する学校に進学を希望する学生または在学生を対象に、一定額の奨...
1 はじめに 企業がその活動を行って行く際、とりわけ資金調達を行う場合において、自らの事業、なかでも会計や財務に関する情報を正確に利害関係者に伝達することが肝要であるということは言うまでもありません。そのため、極論をしますと、企業は何らの法規制や規範の適用を受けなくても、適時に、正確な会計帳簿を作成し、そうして作られた会計帳簿をもとに、現時点で有する経済的資源のストックに関する情報(≒貸借対照表)を開示し、収...
【質 問】 私は、ある企業グループに属する某株式会社の新人監査役です。元来が技術畑の人間でして、急遽、会社法の勉強を始めております。以下の設問においては、どのような論点に留意しなければならないのか、ご教授ください。 (設例事案) A株式会社は、空気清浄機や浄水器を製造販売するわが国有数の企業である。A社内において、南米での事業展開に関し、広い決裁権限を持たされていた常務取締役Bは、南米C国での...
1 はじめに わが国の地域経済社会を支える主要な担い手が中小企業であることは、周知の通りですが、中小企業も含む経済・社会構造の変化の一つとして、人口減少と高齢化の進展があげられます。そのため、こうした現状を踏まえると、今後、中小企業の経営者の高齢化も進んでいくことは明らかである(注1)ため、中小企業の事業継続にとって、円滑な会社事業の承継がますます重要な課題となっていることはいうまでもありません(注2)。&#...
※前々回のリポート(株主に対する取締役の義務(1) -株主の締出し場面における取締役の義務-)は2015年10月23日に公開されております。 1 はじめに 2 学説の展開 ※前回のリポート(株主に対する取締役の義務(2) -株主の締出し場面における取締役の義務-)は2017年1月8日に公開されております。 3 裁判例の展開 (1)買収防衛策と株主...
<質問> 当会社は同族会社であり、代表取締役社長Aが会社の業務執行をすべて決定していました。役員報酬については労働の対価として支給してきましたが、株主総会を開催して支給決議をしたことはありませんでした。老齢でAが死亡したため、相続人である妻B(株主・取締役)、長女C(株主・代表取締役)、長男D(株主・取締役)がAの財産を相続しました。その後、株主Eから、Aの相続人であり取締役でもあるB~DはAに支給された報酬相当額の...
大阪地裁平成27年7月21日判決、金融・商事判例1476号16ページ
1.事実の概要 最近、東芝の粉飾決算が大きな問題となっていますが、本件のオリンパスの粉飾決算も重大事件として報道されました。Y株式会社(被告)は、顕微鏡、写真機、その他光学機械の製造販売等を業とし、その発行する株式を東京証券取引所市場第一部に上場している株式会社であり、平成15年10月1日にその商号を「オリンパス光学工業株式会社」から「オリンパス株式...