商事法研究リポート


MJS税経システム研究所・商事法研究会の顧問・客員研究員による商事法関係の論説、重要判例研究や法律相談に関する各種リポートを掲載しています。

5 刑罰を科すべき行為 それではまず、刑罰を科すべき行為を順次説明してゆくことにしましょう。 (1)取締役等の特別背任罪 (一)総説 発起人、取締役、会計参与、監査役、執行役、支配人、その他の株式会社の役員または高級使用人、検査役等が、自己もしくは第三者の利益を図りまたは株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、10年以下の懲役もし...
I はじめに カネボウ粉飾決算事件で中央青山監査法人の公認会計士が逮捕されるとともに、同法人自体も処分を受け、7月1日より上場企業等に対する監査業務を2ヶ月間停止させられていることは、世間周知のとおりです。また、6月30日には、金融庁傘下の組織で監査法人を監視する公認会計士・監査審査会が、金融庁に対して、あずさ、新日本、中央青山、トーマツの4大監査法人に改善を命じるよう勧告する方針を固めたというマスコミ報道もありました...
1 はじめに 新株の発行は、会社成立後に行う資金調達手段の中の重要な一つです。この新株の発行に関して、会社法では実質的な内容に関する大幅な修正は行われていませんが、従来からすると大幅な規定の整理が行われており、このため、旧商法の規定に慣れ親しんだ方からすると、会社法の下でのルールは多少わかりづらくなっている面があるかと思われます。本稿では、こうした会社法における新株の発行等にかかる規制について、旧商法から変更があった点...
1 はじめに 近年、さまざまなビジネス犯罪が多発しており、メディアによる報道を通じて社会的な関心が高まっています。ビジネス犯罪について、平成17年6月に制定(平成18年5月1日施行)された会社法はどのような規制を置いているのでしょうか。 会社法は、「第8編 罰則」に、20ヶ条(960条~979条)からなる刑罰と過料に関する規定を置いています。これは、平成17年改正前商法486条~499条の罰則...
<質問> 会社法施行規則第3条により、子会社の範囲に「財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該他の会社等とする」と明記されました。この条文は「概要」にもありますように、ほとんどが財務諸表規則と同文になっています。 この子会社の範囲の判定にあたりましては、相互持ち合いの判定の議決権にも大きく影響を及ぼすものと考えられます。そうすると、子会社の範囲に含まれることにより、議決権がなくなり財産評価基本通達上の判定...
<質問> 商法では、定款を変更して定款に数種の株式の定めを置いたうえ、株主の所有する株式を議決権制限株式に変更することについて、株主全員とのあいだで合意をすれば、変更することは、可能でありました(株式会社法、商事法務研究会刊)。 会社法が施行されることになり、同様の手続きにより普通株式から議決権制限株式に変更することが可能と思われますが、如何でしょうか。 また、会社法でも総株主の同意が必要でしょうか。文献による...
1 はじめに 2 発起設立と募集設立 3 定款の作成と認証 4 株式の払込みの懈怠と資本確定の原則 5 最低資本金制度の撤廃と資本充実の原則(以上33号) 6 変態設立事項の規制─平成17年改正前 7 変態設立事項の規制─会社法 8 定款に記載のない財産引受(以上34号) 9 機関設計の多様...
<質問> 既存の普通株式を、配当優先及び残余財産優先種類株式等に変更したいと考えています。以下のような種類株式を発行することは可能でしょうか。 A種類株式:普通株式 B種類株式:配当及び残余財産の分配についてのみ議決権を有する。毎年3月31日現在の優先株主に対し、普通株主に先立ち、優先株式1株につき年○○円の優先配当を支払う。残余財産につき、A種類株式1株およびC種類株式1株につき金500円を分配後、残余財産が...
1はじめに すでに、IT化の進展を受け平成13年第2次改正商法(平成13年法律第128号)により決算公告を自社ホームページ上で行うこと(電磁的公示)が認められましたが、その後、やや遅れはしたものの、電子公告制度が、「電子公告制度の導入のための商法等の一部を改正する法律」の成立(平成16年法律第87号)により導入されることになりました。会社法も、こうした措置を受け、会社の公告方法の一つとして電子公告を規定しています。 近...
1 はじめに 2 発起設立と募集設立 3 定款の作成と認証 4 株式の払込みの懈怠と資本確定の原則 5 最低資本金制度の撤廃と資本充実の原則(以上前号) 6 変態設立事項の規制─平成17年改正前 (1)変態設立事項の種類と定款の記載内容 旧商法では、変態設立事項として次の事項が定められていました(旧商法168条1項)。&#...