商事法研究リポート


MJS税経システム研究所・商事法研究会の顧問・客員研究員による商事法関係の論説、重要判例研究や法律相談に関する各種リポートを掲載しています。

(東京地決平19・12・19金判1283号22頁)
1.事実 Y(株式会社レックス・ホールディングス)は、昭和62年に設立された国土信販株式会社という不動産賃貸会社を前身としますが、平成8年に外食産業に進出後、平成10年には株式会社レインズインターナショナルに商号変更し、その後短期間に牛角ブランドで知られる焼肉FCチェーンを日本一の規模に押し上げた他、種々の外食ブランドFCを展開する急成長を遂げ、平成12年12月には株式を店頭銘...
〈質問〉 弊社は、定款で発行するすべての株式の内容として、譲渡による株式の取得につき会社の承認が必要である旨を定めており、株主数が10名の株式会社です。 さて、会社法では、株主全員の同意があれば、招集手続きを省略して株主総会を開催できるそうですが、その場合どのようにすれば良いですか。また、株主総会の招集手続きが省略された場合は招集通知がないことになりますが、そうすると株主に対して会議の目的である事項を知らせる必要はある...
-保有株式数等の権利行使要件を中心に-
5.議決権を有する株主が行使できる少数株主権 会社法は、前述のように、少数株主権の一部について、議決権の有無にかかわらず行使できるものとする一方で、残りの少数株主権については、議決権の一定割合以上または一定数以上の議決権を有する株主が行使できるものとして、平成13年商法改正以来の扱いを踏襲しています。具体的には、株主総会招集権(会297条)、株主提案権(会303条・305条)およ...
1. 事実の概要 室町時代に創業したとされる老舗の和菓子屋(本店・和歌山市)であるA社は、各種和洋菓子の製造および販売並びに喫茶店経営等を営んでおり、その経営権は代々B家が継承していました。Y1は平成13年6月28日からA社の代表取締役であり、Y2は平成14年10月16日からA社の取締役経理部長兼総務部長です。 A社は、Y1が代表取締役に就任した後、それまで赤字だった営業損益は黒字に転じたものの、主力銀行である...
【質 問】 当社では、課長以上の地位にある者を管理職として、一定額の管理職手当を支払っているほか、時間外労働に対する割増賃金は支払っておりません。最近、企業における「名ばかり管理職」が問題になる中、大手ファーストフード店の店長について、労働基準法41条2号の「管理監督者」に該当しないとする判決が出て話題になっていますが、どのような判決なのでしょうか。また、今後、企業が管理職を定める際の注意点についても教えてください。【...
1.事実の概要 Xら(財団法人偕成会(注1)および財団法人遠山記念館(注2)、原告・被控訴人・上告人)は、平成12年2月に複雑な仕組みの転換社債(ユーロ円他社株式転換特約付社債)(注3)を購入し、同年5月の償還で千代田生命保険相互会社(注4)名義のエヌ・ティ・ティ・ドコモ(以下、ドコモ株式と表記)の株式を各29株、合計58株取得しましたが、名義書換が未了でした(いわゆる失念株となっていました)(注5)。そのため、名義人である譲...
最高裁判所平成20年02月26日第三小法廷判決(判例集未登載)
1.事実の概要 Y1株式会社(被告・被控訴人・被上告人)は同族会社であり、発行済株式総数560株のうち半分に当たる280株をX(原告・控訴人・上告人)が保有し、残りの280株をY2が保有しています。Y1会社では、Y2が代表取締役の地位にとどまったまま、2年半以上にわたって取締役の選任が行われていません。平成18年7月21日、Xは、Y2が同社の経営を独断専行...
-保有株式数等の権利行使要件を中心に-
1.はじめに 少数株主権とは、株主の権利のうち、一定数の議決権、総株主の議決権の一定割合または発行済株式の一定割合を有する株主のみが行使できる権利をいいます。平成17年に成立した会社法(H17法86号)は、従来の商法における少数株主権の規定を、基本的にはほぼそのまま引き継いでいるものの、権利行使のために満たすべき議決権数や株式数の基準(前者を「議決権基準」、後者を「株式数基準」、...
I.はじめにII合名会社と合資会社の意義と特色III.合同会社(日本版LLC)と有限責任事業組合(日本版LLP)の意義と特色IV.会社法における持分会社規制 1.持分会社の設立 2.持分会社の社員の責任 3.持分会社の持分の譲渡 4.持分会社の管理 (以上57号) IV.会社法における持分会社規制(承前)5.社員の加入・退社(1)社員の加入 持分会社は、新たに社員を加入させること...
1.はじめに 金融資本市場の発展のためには、市場の公正性や透明性が高めていくことが、たいへん重要であるということは言うまでもありませんが、そのためには、金融商品取引法(以下、「金商法」とします)をはじめとする法令等について、それらが適切にエンフォースメント(執行)されることが必要不可欠です。法に違反する行為を行ったとしても、そのほとんどが何らの規制や制裁も受けないという市場があったとすれば、そうした市場の信頼性は著しく損なわれ...