商事法研究リポート


MJS税経システム研究所・商事法研究会の顧問・客員研究員による商事法関係の論説、重要判例研究や法律相談に関する各種リポートを掲載しています。

1 会社法における株式価格の取扱い 2 譲渡制限株式の譲渡手続と売買価格の決定 (商事法研究 NO.90に掲載) 3.反対株主の株式買取請求権 (1) 株式買取請求権の趣旨と手続 会社法は、1株1議決権の原則に基づく資本多数決によって株式会社の意思決定をすることを認める一方で、少数派株主の経済的利益を保護するために、反対株主は、一定の場合に、会社に対して...
【質 問】 当社(ソフトウェア開発・販売業)は、同業種の有力企業であるA社との事業提携の一環で、あらたに合弁事業としてソフトウェア開発を営む株式会社をそれぞれ50%ずつの出資で設立することになりました。当社の法務部から今回の合弁会社は合弁契約の当事者の出資割合が50%ずつなのでデッドロックになる危険性があるので、合弁契約を締結する際にはこれに備えるように助言を受けましたが、このデッドロックとはどのような状態を意味するの...
最高裁平成22年7月15日判決(金融商事判例1347号12頁)
1 事実の概要 Z(補助参加人。判旨において引用する判決文では「参加人」)(大証ヘラクレス上場会社)は、ASMを含む傘下の子会社等をグループ企業として、不動産賃貸斡旋のフランチャイズ事業等を展開する株式会社です。連結ベース(平成18年9月時点)での総資産約1038億円、売上高約497億7100万円、経常利益約43億5400万円、単体(平成17年9月...
1 会社法における株式価格の取扱い 売買価格は、売買の当事者の合意によって決定されるのが基本であり、株式の売買においても、相対取引であれば、この点は同様です。しかし、取引所市場における上場株式の売買の場合には、価格優先の原則と時間優先の原則に基づく競争売買に基づいて、公正な価格形成がなされると考えられ、このようにして形成された市場価格が取引価格となります(注1)。そこで会社法は、市場価格のある株式については、...
【質 問】 当社は、主に、私立A学園に専属し、学園の教育事業全般に関して各種の業務を提供している株式会社です。したがって、定款の目的条項には、多くの事業目的が列記されており、一例をあげれば以下のとおりです。 (ア)学会・国際会議・フォーラム等の企画・運営・管理の受託・請負業務、(イ)書籍・教材等の編集・制作・印刷・出版・販売業務、(ウ)一般労働者派遣事業・有料職業紹介事業、(エ)教室・体育館・運動場・駐車場等、...
【質 問】 弊社は、従業員数が500人の上場会社で、主として食品類や飲料の製造販売事業と、各種飲食店等の運営事業を営んでいます。ところで、近年の雇用流動化を受け、弊社でも従業員の一部が兼職を行っていますが、それらのケースはいずれも事前の承諾が得られているものです。これに対し、最近、弊社の食品販売事業部の部長であるYが同業他社(株式会社)に出資して同社の代表取締役に就任して弊社と競合する取引に従事していることが判明しまし...
-東京地決平成22年7月20日金融・商事判例1348号14頁(大盛工業事件)
1.事実の概要 最初に概略を述べますと、本件は、土木工事・建築工事等の請負および不動産の売買・賃貸・仲介・管理等を目的とする会社であり、その発行する株式を東京証券取引所市場第2部に上場している株式会社大盛工業(以下、「Y社」とします)に対し、同社の株主である株式会社ウィークリーセンター(以下、「X社」とします)が、Y社の株主総会において他の株...
【質 問】 当社は、顧客が購入した商品の代金を、コンビニエンスストアと締結した料金収納業務契約に基づいて、コンビニエンスストア店頭で支払いを受ける取り扱いにしています。最近、このような事業者が料金等の徴収をコンビニエンスストアなどに依頼する収納代行業務が、銀行の独占業務とされている為替業務に該当して許されないのではないかという議論がされていると聞きますが、どのような問題があるのでしょうか。また、最近制定された資金決済に...
1.事実の概要 Y会社(被上告人・被控訴人・被告)は、コンピュータ製造・販売、システム開発等を目的とする株式会社であり、米国法人A会社(IBMコーポレーション)の完全子会社です。Xら(上告人・控訴人・原告)は、Y会社との間で労働契約を締結し、Y会社のハードディスク事業(以下「HDD事業」といいます。)に主として従事していました。 平成14年4月頃、A会社とB会社(株式会社日立製作所)は、HDD事業に特化した合...
【質 問】 大学時代の友人であるK株式会社の代表取締役Aから、一人しかいない監査役が退任するので、後任の監査役に就任するように頼まれました。Aからは、年に何度か取締役会に出席して、意見を聞かせてくれればいいと言われたのですが、株式会社の監査役とはどのような地位なのでしょうか。会社の経営が破綻したような場合に、責任を問われることはないのでしょうか。ちなみにK会社は譲渡制限株式しか発行しないことになっており、発行済株式総数...