商事法研究リポート


MJS税経システム研究所・商事法研究会の顧問・客員研究員による商事法関係の論説、重要判例研究や法律相談に関する各種リポートを掲載しています。

-その背景にある法制度上のメリットと問題-
1 はじめに 合同会社の設立件数が、前年比約3割のペースで増加していると報じられています(日本経済新聞2012年4月20日)。法務省のホームページで公表されている登記統計によって、合同会社の設立件数を確認してみますと、合同会社が導入された平成18年以来の設立件数は、下記の図表Aのように推移しており、平成22年の7,269件に対して、平成23年は、9,246件と増加して...
((東京地判平成23年7月22日(平成21(ワ)30649)・裁判所HP)
一.事実の概要 (1)X(原告:株式会社町田電機商会)は、電気、照明器具のリースおよび工事等を目的とする株式会社であり、その主な業務は、展示会、イベント等の会場における電気工事および照明器具等のレンタルです。Xは、東京に本社、名古屋に営業所を置き、それぞれ営業の拠点となる配送センター(東京本社の配送センターを「A配送センター」といいます)を有し...
1 はじめに 株主総会は、株式会社の組織、運営、管理等に関する基本的意思決定を行う必要的機関であり、取締役会や代表取締役、執行役などもその決議に拘束されるので、株式会社の最高意思決定機関です。しかし、同じ株式会社でも、公開会社かどうか、取締役会設置会社かどうかなどによって、株主総会のルールが違ってきます(注1)。本稿では、株式会社の種類によって、株主総会の決議事項や招集・議事の手続きにどのようなちがいがあるかを概観した...
-最決平成24年2月29日金判1388号16頁(テクモ事件)
一 事実の概要 A社(テクモ株式会社)は、ゲーム用娯楽機器およびゲーム、娯楽関連ソフトウェアーの製造、販売および輸出入等を目的としていた東京証券取引所第一部上場会社でした(発行済株式総数は2355万3173株)。2008年8月29日、同社に対して、申立外C社(株式会社スクウェア・エニックス)が公開買付を開始しました。その際の条件は、買付価格がA社株式1株につき...
一 はじめに 会社法上、株主には会社経営に対するいくつかの権利が付与されています。そのうち、会計帳簿・書類の閲覧等請求権(会433条1項)、責任追及等の訴え提起権(代表訴訟提起権)(会847条1項)、そして、役員解任の訴え提起権(会854条1項)は、沿革的には昭和25年の商法改正により、株式会社の所有と経営の分離にともなう株主地位の強化の一環として、アメリカ法上の制度にならいわが国に導入されたものです。本稿においては、...
はじめに ここ数年のわが国における反社会的勢力の社会からの排除に向けた動きには目を見張るものがあります。そして、平成23年10月1日、東京都と沖縄県において暴力団排除条例(以下「暴排条例」といいます)が施行され、これにより全国47都道府県全てで暴力団排除条例が施行されることになりました。各自治体の条例施行後、暴力団と関係があったり、暴力団へ利益を提供するなどした企業の社名が公表されたり、行政処分を受けるなどの例が全国で相次いで...
一 はじめに 本稿は、法務省民事局参事官室が平成23年12月14日に公表した「会社法制の見直しに関する中間試案」(以下、「中間試案」という。)の取り上げる項目のうち、「第2部 親子会社に関する規律」の第1・2「親会社による子会社の株式等の譲渡」と、第2・1「親会社等の責任」および同2「情報開示の充実」について概観し、検討を加えようとするものです。 前者は、親会社の株主・社員の保護という側面を扱った提案で...
一 はじめに (1)本稿の対象 本稿では、平成23年12月に法務省民事局参事官室より公表された「会社法制の見直しに関する中間試案」(以下、「中間試案」といいます。)の中から、「第二部 親子会社に関する規律」の「第一 親会社株主の保護」で取り上げられている多重代表訴訟について、法務省民事局参事官室による「会社法制の見直しに関する中間試案の補足説明」(以下「補足説明」といいます。)を参考に...
一 はじめに 今回は、法制審議会会社法制部会(以下「部会」といいます。)がとりまとめ、平成23年12月7日に公表された「会社法制の見直しに関する中間試案」(以下「中間試案」といいます。)のうち、「第1部 企業統治の在り方」の「第3 資金調達の場面における企業統治の在り方」をとりあげます。なお、法務省民事局参事官室から公表されている「会社法制の見直しに関する中間試案の補足説明」(以下「補足説明」...
一.本稿の対象 法務省民事局参事官室「会社法制の見直しに関する中間試案」(平成23年12月)(以下、中間試案という)は、改正の対象を第1部~第3部と3つに分けて検討しています。このうち、本稿で取り扱うのは、「第2部 親子会社に関する規律」の中で「第6 会社分割等における債権者の保護」、および、「第3部 その他」です。本稿では、その内容を中間試案とその補足説明を元に解説します(注1)。 ...