商事法研究リポート


MJS税経システム研究所・商事法研究会の顧問・客員研究員による商事法関係の論説、重要判例研究や法律相談に関する各種リポートを掲載しています。

一 はじめに 株式会社では、規模の大小または公開会社と非公開会社の別にかかわらず、株主総会の設置が強制され(会社法326条1項)、定時株主総会(会社法296条1項)を開催し計算書類等の承認や役員の選任等の決議を行うことに加え、必要に応じて臨時株主総会(同条2項)を開催し所要の決議を行ったり、報告(会社法307条3項、359条3項、438条3項、439条、444条7項)を受けたりしなければならない場合もあります...
一 はじめに 近時、社外取締役やそれに関わる制度の導入が各所で取り沙汰されています。現在のところ、次期の会社法の改正を見据えた「会社法制の見直しに関する要綱」(注1) (以下、『要綱』とします)においては、強制的な社外取締役制度の導入は見送ることとされていますが(要綱・第1・2参照−ただし、要綱では、上場会社等に関しては、社外取締役を置かない場合に、社外取締役を置くことが相当でない理由を事...
1 はじめに 取締役の報酬については、会社法ないしは平成17年改正前商法(以下「旧商法」といいます。)の規定に関連して、裁判で争われた事案がこれまでにも数多く存在しますが、近年では、とりわけ非公開会社(すべての株式について譲渡制限を定めている会社)において、退任取締役に対する退職慰労金の支給をめぐって、裁判で争われる事案が増加しているという印象を受けます。 取締役の報酬に関する判例・裁判例には、大別す...
一 会社分割の目的・問題の所在 会社分割とは、会社の部門を切離し、他の会社に承継させる制度をいいます。既存の会社に承継させるものを吸収分割、新らたに設立する会社に承継させるものを新設分割といいます(注1)。 会社分割の制度は、会社法制定以前の平成12年の「商法」改正において導入され、平成13年4月1日より施行されました。その後の数度の改正を経て、平成17年に制定され、平成18年5月1日より施行された現...
【質 問】 1.当社(株式会社)の過去の決算期の計算書類の数値に誤り(誤謬)があることが分かりました。この場合、問題のある過去の計算書類にまで遡って順次正しい数値に修正する必要があるでしょうか。それとも当期の決算における計算書類において一括修正することができるでしょうか。 2.当社が過去に行った株主への剰余金の配当(分配)への影響はあるのでしょうか。 【解 説】 はじめに...
(横浜地判平成24年7月20日 ・判時2165号141頁)
1 事実の概要 (1) Xは、社団法人プロボウリング協会に所属するプロボウラーであり、プロボウラーとして活躍してきたほか、ボウリングのインストラクターや派遣社員として稼働するなどして生計を維持してきました。Aは、ボイラ関係の工事を業としてきた者です。XとAは、平成20年ころ、共通の知人を介して飲食店で知り合いました。Aは、Xと平成21年2月半ばこ...
1 はじめに~事業承継のパターン 事業承継とは、経営と所有を現在の経営者から後継者に引き継ぐ行為です。事業承継に当たっては、後継者を誰にするのか、経営体制をどのように見直すのかを十分に検討しなければなりませんし、後継者が決まったとしても、後継者教育、取引先や従業員との融和なども重要な課題であり、事前の十分な準備が必要です。また法律上も、後継者の選択にあわせて、利用可能な各承継方法のメリットとデメリットを把握したうえで、...
一 はじめに 会社法では、会計に関わる事項に関し、431条において「株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする」と定めています。また、同法614条と商法19条1項は、それぞれ持分会社と商人について同様のことを定めています。そのうえで、会社法および会社計算規則では、具体的な会計処理に関して、資産や負債の評価等に関して若干の規定が置かれているだけですので(会社計算規則5条、6条等参照)、各社...
※ 囲み線内は、「要綱」のほぼ原文のままですが、web上での閲覧環境の都合により原文の○囲み数字を(1)等に置き換えています。 一 はじめに 本稿では、平成24年9月7日に法制審議会総会において決定され、法務大臣に答申された「会社法制の見直しに関する要綱」(以下「要綱」といいます。)の中から、「第二部 親子会社に関する規律」の「第一 親会社株主の保護等」において取り上げられてい...
【質 問】 最近注目を集めている、高年齢者雇用に関する「2013年問題」とは、どのような問題なのでしょうか。 また、平成24年に改正された高年齢者雇用安定法においては、継続雇用制度の対象となる高年齢者の基準が廃止されたということですが、この改正法の概要とその企業への影響、実務の対応のポイントについてわかりやすく説明してください。 【解 説】 1 はじめに-間近に迫る「2013年問...