会計研究リポート

MJS税経システム研究所・会計システム研究会の顧問・客員研究員による新会計基準や制度改正等をできるだけわかりやすく解説した各種研究リポートを掲載しています。

−検討課題の経緯と背景−1.はじめに現在、企業会計基準委員会では、財務諸表の過年度遡及修正について検討がなされています。この財務諸表の過年度遡及修正は、平成13年11月のテーマ協議会(平成19年3月をもって解散、同様の役割は「基準諮問会議」に引き継がれています。)からの提言書において取り上げられていたテーマでもあります。また、企業会計基準委員会と国際会計基準審議会(IASB)との共同プロジェクトの会合においても、協議されてきました。
−目標体系をベースとするボーナス・プラン(1)−(1)目標体系による業績改善目標の導出これまで企業価値をベースにしたボーナス・プランを説明してきました。しかし、非公開企業や何らかの理由で、株価や予測モデルを信頼できないような場合は、この方法を適用することができません。そこで、以下では、それに代わる実務的なアプローチとして、前年度の実績と対比しながら業績目標を定める方法を紹介しましょう。周知のとおり、伝統的な予算システムでは、予算を業績目標に定め、その達成度...
−戦略マネジメント・システムとしてのBSC(その4)ー1.戦略を具体的に示す4つの視点BSCで有名なのは、財務の視点(financialperspective)、顧客の視点(customerperspective)、内部業務プロセスの視点(internalbusinessprocessperspective)、学習と成長の視点(learningandgrowthperspective)へと、戦略のロジックを置き換えて表現することです。すなわち、従来の管理会...
今回は、前回に引き続き、「会計参与の行動指針」に関するQ&Aの「VIII(計算関係書類および会計参与の)備置き・開示」について解説をします。Q38:職員を雇用していない公認会計士または税理士が、会計参与に就任することは認められますか。会計参与である本人が外出中は、閲覧・交付請求に応じることができず、会計参与の義務を果たせない懸念がありますが。A:
−EVAによる部門別業績管理(8)−(2)EVAインターバルEVAインターバルは、ボーナスがゼロになる改善不足額(マイナス超過改善額)でした(図2−1を参照して下さい)。経営側と株主の利益を一体化させるという前提に立つと、それは「株主の期待利益がゼロとなるときの改善不足額である」と考えることができます(注1)。...
—顧客関係の算定方法—1.はじめに今回は、前回に引き続き、個別の無形資産の具体的な算定方法について解説をしていきます。前回は、「ソフトウェアの算定方法」に焦点をあてて、コスト・アプローチを用いた算定方法の例示をみました。今回は、「顧客関係の算定方法」について、前回と同様にコスト・アプローチを用いた算定方法の例示をみていきます。2.顧客関係の算定方法の例示(注1)以下の前提条件等にもとづき、顧客関係の算定方法の例示をみていくことにします。【前提条件】
−その他の改正点−1.はじめにこれまで金融商品会計について、その処理方法が変更される改正点を中心に説明をしてきました。今回は、処理方法の変更等というよりかは、法令の改正等に伴う技術的な改正点について紹介することにします。既に説明しましたとおり、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」は、企業会計審議会が公表した「金融商品に係る会計基準」の改正として平成18年8月に公表されました。その後、金融商品取引法の施行に対応するために、平成19年6月に改正され...
−戦略マネジメント・システムとしてのBSC(その3)−1.BSC導入の前提(2)—戦略遂行の流れ前回で説明したとおり、BSCだけを組織に取り入れても、機能しないので、BSCを導入する前提条件としては、マネジメントのしくみが確立されていることが不可欠になります。前回説明した、キャプランとノートン[KaplanandNorton,2001;2004]の議論にもとづき、戦略を策定する前提としての、ミッション、価値観、ビジョンに引き続き、戦略を遂行するための、(1...
今回は、「会計参与の行動指針」に関するQ&Aの「VIII(計算関係書類および会計参与報告の)備置き・開示」について解説をします。Q33:会計参与が閲覧・交付の請求に応じる時間については、どのような制限が認められるか。A:(1)計算関係書類および会計参与報告の閲覧・交付の請求には、原則として、会社...
—ソフトウェアの算定方法—1.はじめに今回は、「ソフトウェアの算定方法」について解説をします。前回は、平成17年12月27日に企業会計基準委員会(ASBJ)より公表され、平成18年12月22日に改正された「改正企業会計基準適用指針第10号:企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(以下、「適用指針」という)において取り上げられている、企業結合時に生じる識別可能な無形資産の認識およびそれら無形資産の算定方法について、解説をしました。具体的には...